ついにその時がきた
「すみません羽田さん、急で申し訳ないんですけど、工事のことで入所者の皆さんに説明したいことがあるので、明日の朝9時15分に201号室に来ていただけますか?」
先週の水曜日の昼休みに、自室を訪ねてきた施設のサービス管理責任者でもあるスタッフのSさんからそう言われた時思った。
ついに上の階の人たちが降りてくる時がきたようだ。
ここnoteでも何度か書いているように、昨年11月から施設の修繕工事が始まった。その影響で、上の階にある重度障碍者の生活介護施設の入所者たちが、入れ替わりで私たちが居住している同じ階の反対側のフロワーに降りてくることになると、2か月ほど前から聞かされていた。12月から自室が変わったのもそのためである。
生活介護施設の人たちが降りてくるに当たり、私たちが居る自立訓練部のスタッフと、上の階の生活介護施設のスタッフたちとの間の話し合いが難航したり、工事の進捗状況が思いのほか遅れたりした関係で、この時期になったようだ。
果たして生活介護施設の人たちが、2月21日から正式に降りてくることになったと、翌日の説明会の冒頭で明かされた。
予定では4月の終わりごろぐらいまでだという。
ということは、約2か月もの間、重度知的障害や行動障害を持つ人たちと同じ階で生活していかなければならないようだ。ちょっと悪い言い方になってしまうかもしれないが、彼ら彼女らの昼夜問わない急な奇声や物音に、これから2か月間耐えられるだろうか。いまからとても不安である。
当然その影響で、これからの生活環境が大きく変わることになる。
まず私たちの居住フロワーと、上の階の人たちの居住フロワーとの間が、簡易的なドアか何かで仕切られて完全に封鎖されるそうだ。行動障害のある人たちとの接触を極力避けるためである。
それにより上の階の人たちの居住フロワーにあるトイレや洗面所、さらには職員室や談話室への行き来ができなくなる。そのためトイレは1階か4階のトイレを使用することになった。洗面は1階の食堂かトイレの水道、さらに談話室の冷蔵庫や電磁調理器などを使用したい場合も1階の食堂でということになった。
ここまではだいたい予想通りという感じだったが、意外だったのが洗濯である。
洗濯は4時までにスタッフに名前の書いてあるネットに入れた洗濯ものを渡して(あるいは回収して)洗ってもらうようになった。
さらに職員室に用がある時には、今後宿直室に備え付けられる予定のインターフォンを鳴らして対応してもらうようになるそうだ。
そんな感じで、これからの生活は思っていた以上にたいへんなことになりそうだ。
トイレの場所が変わるというのは、過敏性腸症候群持ちとしては地味にストレスである。
そして考えなければならないのがやはり洗濯である。
自分の洗濯ものをスタッフに預けなければならないのは少し抵抗感がある。しかしそれよりも、4時までに洗濯ものを預けなければならないので、銭湯に行く時間を早めた方がいいのだろうかと少し悩んでいる。
それにしても、これまで通り自分がしたい時に洗濯ができなくなるのは、正直言ってとてもはがゆい。しかしこういったはがゆさは、21日以降の生活でどんどん出てくるのだと思う。
そんなわけで、後1週間ちょっとで施設の雰囲気や生活環境がガラッと変わる。この急な変化に心身共に対応していけるのか、正直今からとても不安である。
それでもこればっかりは集団生活をしている以上仕方のないことなのだろう。そう思って割り切っていくしかないのだと思う。