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桜が散る、別れの季節に


先日とある方とメッセージのやり取りをする機会がありました。

以前とてもお世話になった方で、
最近は会ってもおらず、季節の折り目折り目に
メッセージのやり取りをするような方でした。

今年の4月、新しい年度が始まったおりに、
少し遅れてではありますが、メッセージを送りました。

それからしばらくはお返事が返ってきませんでしたので、
部署移動にでもなってバタバタしてて忙しいのかな……
なんて思っていたのですが、
そんなことをフワフワ考えていた頃に、お返事を頂きました。


特にお体に変わりはないようなのですが、
今年還暦を迎えて、もう少しで定年退職されるとのことでした。

その方は見た目に気を遣っていますし、
なにより楽しんで仕事をしていらっしゃいます。

ですから私は、まさかその方が還暦を迎えるとは思っておらず、
なんなら40代くらいの方だと思ってました。

このメッセージを聞いたとき、それはもう驚きました。
今の所今年驚いた出来事ナンバー1です。


退職祝いに何を送ろうか……
今から頭がいっぱいです。


とても仕事ができる方で、
新人さんにも優しくフォローする
色々な方に好かれている方ですから、
もう1回くらい、何かの機会でご一緒したいのですが……

もう還暦を迎えた後のプランも立てられているようで、
その方の新しい門出を邪魔するわけにはいきません。

とても寂しいですが、これもまた人生です。
「さよならだけが人生だ」
とは、よく言ったものですね。


とまぁ、厳密に言えばまだその方と別れてはいませんが、
それを彷彿とさせる出来事でした。


卒業・人事異動・転勤……といった、
誰かにとっての新しい人生の始まりは、
誰かにとってはおめでたいことである一方、
どこかのだれかは、寂しい思いをしているということですね。

祝ったほうがよいのでしょうが、
なんだか寂しくてそういう気分になれない。

そんな自分勝手な感情が湧いて聞くる自分のことがキライになります。


毎年春になると、何かしらの形で「別れ」に遭遇してしまい、
なんだか寂しい気分になります。

そういうことを
「新しい何かの始まり」なんていうように
ポジティブに捉えられれば、人生楽しいのかもしれません。


でもニンゲンって怖いことに、なれてしまうんですよね。

こういう機会のたびにしみじみと相手のことを考えていても、
そういうことが何年も続くと、
「あぁ……もうそんな季節かぁ」
なんて思って、あっさりとしてしまいます。

コロナで送別会もなくなりましたが、
また復活しそうですし、
こういう時によくいく雑貨屋さんで、なにか手ごろな品を……
というように「別れ」がもはや流れ作業になるんですよね。

それくらいサバサバしてた方が生きやすいのかもしれませんが、
なんだかそれも寂しい気がします。
なんというか、人間性がないというか……

それを否定したいんじゃなくて、
その時の巡り合わせをもうちょっと楽しんでもいいんじゃないか……
なんてことを思ってしまうんです。

またどこかで会うかもわかりませんし、
もしかしたらもう会うこともないかもしれませんしね。

インターネットやスマートフォンが普及して、
それに伴って色々なサービスができて、
ラインやらインスタなど、相手の近況を気軽に知ることができますが、
実際にやり取りはそんなに頻繁にはしないです。
(少なくとも私は!)

そういう意味では、結局疎遠になってしまいますからね。

近くにいたり、何らかの形で比較的頻繁にやり取りをする関係にないと、
縁というものはすぐに遠くなってしまいます。

まぁそういう運命だっただけかもしれませんけどね。


桜が咲き誇り、一瞬で散ってしまったこの春でしたが、
そんな様子を公園で眺めて、
あぁ……人と人との関係って、なんだか桜の花びらみたいだな……
春だけ妙に意識して、キレイだな、いいものだなって思って、
それ以外の季節は存在すら頭の片隅に思いやれれてしまう……


まるで桜の花びらのように、はかない存在なのかもしれない……

柄にもなく、そんなことを思っていた春でした。



※画像はみんなのフォトギャラリーからお借りしました。
ステキな画像をありがとうございます。


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