「閉じたインターネット」は何処へ。
Twitterが、かねてから実験していた「リプライできる人を選べる機能」を、全体向けにリリースした。
参考記事:Twitter、リプライ相手を制限する新機能。“フォローだけ”“全員”など
Impress Watch 2020年8月12日
近頃、「閉じたインターネット」が普及する兆しを、いくつかの環境で目にする。
西野亮廣さんのサロンでは、サロンメンバー同士だけでつながるTwitterアカウントを作り、実際に運用されている。
「情報のシェア」によって貧しくなる by キンコン西野
西野亮廣ブログ 2020年5月23日
上記のTwitter上の動きもそうだし、そもそもオンラインサロン自体が、「閉じたインターネット」の一つの形だと思う。これは何年も前から存在していた。
僕は、ナカヤマン。さんのサロン“FACiliTY”にも所属しているのだが、そこで開催されているパネルディスカッションやプレゼンは、他の環境ではなかなか興行できないような、非常に解像度の高い、超ハイレベルな内容だ。
こういうコミュニケーションは、不特定多数の人たちが所属する環境では、説明を何度も、何段階にもしないと不可能。だから、限りある時間の中では、どうしても所属すること自体に、ある程度の制限を設けなければいけなくなる。
オンラインサロンの場合は、「お金を払う」という条件が、一つの制限になる。これは、そこにそれだけの価値観を持った人しか入れない世界にするという意味で、機能している。
SNSが登場した時は、人々は、繋がりたがっているとされていた。しかし、前提条件として共通言語が少ない人や、価値観が大きく違う人と深い議論を交わすことは、大抵の場合、効率が悪い。
効率が悪い上に、成果も出にくいし、そもそも、その行為自体に意味がないことが多い。
となると、そもそもつながりたいと思わない対象と、つながることを辞めたほうがいい。これは、このことに人々が"気づいた"というよりかは、そういうネットの使い方の選択肢に、"気づいた"ということなのかなと思う。
なぜなら、相手を選ぶという行為は、リアルな世界では自然と行っているからだ。
こうなってくると、例えば企業がTwitter上で議論が起きやすいコンテンツを投稿して、その熱量を使ってキャンペーンのリーチを増やそうとか、そういうことはやりにくくなってくる。
本当に、Consumer主体の「公園」のような環境としての要素が、強まるってことかなと思う。特にSNSは。
いま、「閉じたインターネット」の中に入っている人たちは、今まで経験したことのなかったようなコミュニケーションの中にいる。それは、営利組織がどう思惑して入り込み、操作しようとしても、作用できない世界だ(たぶん)。
そうなると、企業が行うキャンペーンの形は変わり、ひいてはビジネスそのものが、徐々にも、大きく変化していく、兆しが見え始めている昨今なのかなと、感じる。
つながりたい相手を、選ぶ時代へ。
今よりも幸せになれると、願っている。
お読みいただき、ありがとうございました。
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