スクワットの翌日は腹筋
◆スポーツは根性?
「思いこんだら試練の道を 行くが男のど根性」
知る人ぞ知る、『巨人の星』のテーマソングです。
昭和40~50年代、熱血スポーツアニメが一世風靡し、
「スポ根」という用語も生まれました。
「スポ根」とは、「スポーツ」と「根性」を合成した「スポーツ根性もの」のジャンルのことで、「スポ根漫画」「スポ根アニメ」「スポ根ドラマ」などがあります。
当時のスポーツ界では、根性論が幅を利かせていたのでしょう。
科学に基づいたスポーツ理論がまだ稚拙な時代でした。
当時、「うさぎ跳び」という運動がありました。
若い人は知らないかもしれません。
しゃがんだ姿勢のまま、ぴょんぴょんと飛んで前に移動する運動です。
近年、膝に悪いという理由で姿を消しました。
私は中学時代、サッカー部でしたが、
「練習中に水を飲むな。水を飲むとばてる」
と言われ、炎天下でも水を飲むことが許されませんでした。
こまめな水分補給が常識となった今日では、考えられないことでしょう。
『巨人の星』には、「血の汗流せ 涙をふくな」という歌詞がありますが、「血の汗」でなく「血尿」になりそうで、脱水のためふく涙もありませんでした。
スポーツでは「根性」が最も大事という価値観でした。
試合でなぜ負けたのか。
「根性が足らなかったから」
「気合いだー 気合いだー」
の世界でした。
◆スポーツ理論
当時、「ストレッチ」という概念がアメリカから入ってきて、
部活でも取り入れられるようになりました。
やみくもに運動するよりも、スポーツ理論に乗っ取って練習した方が、
競技能力も上がるし、ケガもしないことが分かってきました。
近年は「根性」より「スキル」が重要視されているのではないでしょうか。
◆休んだ方が効果的
トレーニング効果を上げるための7原則の1つに、
「超回復の原則」があります。
筋トレをしたあと24~48時間の休息をとることで「超回復」という現象が起き、より筋力が増強されます。
つまり、「気合いだー、根性だー」と毎日筋トレをするよりも、
筋トレの翌日は休んだ方が筋力がつくのです。
「練習を1日休むと、それを取り返すのに2日かかる」
と言われてきました。
正しい側面もありますが、筋トレに限って言えば、「1日おき」がよいようです。
同じ筋肉については「1日おき」がよいのですが、
違う筋肉ならば話は別でしょう。
「スクワット10回×3セット」の翌日は「腹筋10回×3セット」というように、同じ筋トレが2日続かないようにしてはいかがでしょうか。
参考文献
1)大渕修一:『70歳からの筋トレ&ストレッチ』, 法研,2017
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