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納豆、野菜、海藻で認知症を予防しよう

◆日本では認知症が増えている

イギリスでは認知症が減っていますが、日本ではどうでしょうか。
「久山町研究」といって、町民が協力して長年調査を続けている研究があります。
久山町は、年齢分布や職業分布が日本の平均に近いため、
日本の縮図といえます。
この研究によると、日本の認知症の有病率は次の通りです。

1985年  6.7 %
1998年  7.1 %
2005年 12.5 %
2012年 17.9 %

2000年前を期に、認知症が急増しています。
認知症にもいくつかのタイプがありますが、
中でも増えているのがアルツハイマー型認知症です。

◆認知症が増えている原因は?

イギリスでは認知症が減っているのに、
日本ではなぜ増えているのでしょうか。
久山町の研究によると、認知症とともに増えている病気が浮かび上がりました。

糖尿病        12 % → 30 %
肥満         7 % → 29 %
高コレステロール血症 3 % → 26 %

この3つは、どれも血管を傷つけ、動脈硬化を起こす原因となります。
詳細な検討によると、「耐糖能異常」が、最も認知症と関係していることが明らかになりました。

◆耐糖能異常

耐糖能異常とは、糖分を取ると、血糖が上がりやすい状態をいいます。
糖尿病の人はもちろんですが、「糖尿病一歩手前」「糖尿病予備軍」も
耐糖能異常があります。

健康診断で「ギリギリ糖尿病でなっかた」と喜んでいる方がありますが、
検査値がギリギリセーフの人も「耐糖能異常」がありますので、
その意味でいうとアウトなのです。

「糖尿病予備軍」はそのまま「認知症予備軍」でもあります。

糖尿病、肥満、コレステロールが高い人が認知症になりやすいので、
認知症は生活習慣病とも言えそうです。

◆認知症にならない食事

認知症が生活習慣病だとすると、
どんなことに気をつければよいのでしょうか。

久山町研究によると、認知症にならない生活習慣として
「運動」と「食事」をあげています。
運動習慣のある人は、認知症の危険度が2割下がります。

また、認知症になりにくい食事は次の通りです。
大豆(豆腐、納豆)、野菜、海藻、牛乳、乳製品、アルコールは控えめ。

誰しも、得手・不得手がありますが、
できることがあるでしょう。

「納豆を1パック追加することならできる」
「豆腐にしょうゆをかけて食べるのが好き」
「とろろをみそ汁に入れることならできる」
「牛乳一杯なら追加できる」
「チーズを毎日一つ食べよう」

できそうなことから始めてみて、それを習慣にしましょう。
これは、そのまま、糖尿病などの生活習慣病の予防にもなるのです。

参考文献
1)青柳由則:『認知症は早期発見で予防できる』, 文藝春秋,2016

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