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「意味がなくてはいけない」と考える人へ

匙を投げられた、とある失敗談

「『このプロジェクトでやっていることに、意味があるのか分からない』ってクライアントから言われたときは、場の空気が凍った」

コンサルタントのCさんはそう振り返りながら、
「そもそも、その発言した人って、私たちの会議に全く参加しようとしない。そんなこと言うなら、直接話して、このプロジェクトの意味をきちんと伝えたい」

その口調は荒く、少し苛立った様子が感じられました。
話を聞いていた私はふと、「意味分からない」発言をした人は、正確にはこのように思っているのではないかと思いました。

本来、やっていることの意味はあったとしても、本当に会社として役に立つのか(成果が出るのか)に確信が持てなかった(だから結果として、意味なく感じられた)

つまり、意味の議論をする前に、「役に立つのか」の時点でスタックしてしまっているのではないか、ということです。

”役に立つ”+”意味がある”

今年の六本木アートカレッジのテーマは、「”役に立つ”から、”意味がある”へ」でした。(今年はオンラインでしたが、私は毎年行っています!)


言い換えれば、役に立つは、「スキル(量・テクノロジー)」、意味があるは「センス(質・アート)」です。
これからは、役に立つ商品・個人でなく、意味がある商品・個人の方が価値が増す時代であるということを、アートやテクノロジー、食など多様な観点から対談していました。例えば、この例はわかりやすいですね。

「意味」をまとったブランドが強い、という話は、コクヨがなぜモレスキンを作れないのか、ともつながります。
コクヨの「Campus」ノートは、ページが折れない、落丁しない、インクが裏写りしないという、「最強に役に立つ」ノートとしての地位を極めています。しかも価格は100円から200円と安価です。それなのに、グローバルでは売れない。
 一方で、インクが裏写りしまくりで、落丁しまくりのノート=モレスキンが売れている。コクヨにしてみたら「役に立たない」「安っぽい」モレスキンのノートは2000円も3000円もするのに、世界中で売れているわけです。

確かにキャッチーでありますが、商品・サービスを享受する側から考えると、”役に立つ” の意義は大きいと考えます。
例えば、モレスキンの重厚なノートよりも、軽量ノートを好んで買う人もいるなど、必ずしも意味があるだけで事が進まないのも事実。

モノ以外の話でいうと、コンサルティングなどのプロフェッショナルサービスを受ける側としては、まず "役に立つ" ことが大前提です。提案のセンスがいくら良かったとしても、成果に繋がる納得できるロジックがない限り、せっかくのセンスも意味をなしえないことも。

欲をいえば、"役に立つし、意味もある" が理想なのかもしれません。

意味ある存在になるために必要なこと

私のキャリアコーチングセッションにおいて、「意味ある存在になりたい」という発言が本当によく出てきます。
次第に、「そのためには、社会的に認められるような経歴にしなければ。キャリア上の明確なメリットを感じられることをやらなければ・・・」と考え込んでしまうこともしばしば。

それが決して悪いことだとは言いません。ですが、その考え方だと、結果として「役に立つ」人間になるかもしれませんが、「意味のある」人間には近づけない可能性があります。

例えば、「同じような経歴だけど、何となくこの人に話を聞きたい」、もしくは「同じことを言っているけど、この人の話を受け入れたい」と感じた経験はありませんか?
この人はきっと、持っているスキルや経験にとどまらず、存在感そのものも強みとなっているはずです。もはやセンス・アートの領域ですね。

人の存在感は「人生の質」から生まれると、私は捉えています。
例えば、このようなことは本質的に人生の質に作用するかもしれません。

● 自分の価値観・信念に紐づいた行動を取っているか
● 自分が面白く・楽しいと思えることをどれだけ経験しているか
● 自分が嬉しいと思ったことを十分に味わっているか
● 様々なことに好奇心を向けられているか
● どんなことに対しても、常に学びの姿勢を持っているか
● 相手に敬意・感謝の気持ちをもって接することができているか
● 美しく、健やかに過ごしているか

仕事の場面において、スキルや経験を積み重ねることも大切ですが、意味ある存在になるためには、人生の質に作用するこれらの姿勢も同じくらい重要なことだと私は思います。


ここまで読んでくださってありがとうございます。
今日も素晴らしい1日を!


【参考】
「役に立つ人より『意味がある人』がこれからは生き残る」https://diamond.jp/articles/-/210229?page=2







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