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中1国語「星の花が降るころに」を、「星の花」から読み解いてみた

星の花って、なーんだ!


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こちら!
銀木犀」というお花のことです。


光村出版、中学一年生の国語の教科書に載っているのが「星の花が降るころに」という作品。

こちらに登場するのか星の花…「銀木犀」なのです。



📖「星の花が降るころに」

すごい!光村の公式で読める!すごい!
と思ったけど途中までしかない!😭
ざっくりあらすじ↓読んでってください🙏


「星の花」銀木犀を通じて親交を深めていた2人が、ひょんなことから仲違い。

主人公の「私」は、親友だった夏実と仲直りしようとするけどうまくいかず、イライラ……

そんなとき、クラスメイトの戸部くんが、部活で暑い中一生懸命目の前のボールを磨く姿に心動かされる。

自分が悩んでいることが、ちっぽけに思えた「私」は、かつて夏実と遊んだ公園にやってくる。
そこで掃除のおばさんに、銀木犀の秘密を教えてもらう。

銀木犀は常緑樹。
どの季節でも緑の葉っぱが生えているけれど、ずっと同じ葉なわけではない、ということ。

下から新しい葉が出てきて、古い葉が下に落ちるのだという。

その話を聞いて、いよいよ「私」は吹っ切れる。


夏実と仲直りできるかもしれないし、できないかもしれない。違う友達ができるかもしれない。それでいい。新しい自分として、歩き出そう。

そんなお話。


💐物語のモチーフに「銀木犀」を選ぶと言うこと


星の花が降るころは、ちょうど今時期。秋。

銀木犀は金木犀の仲間。見た目そっくり。
けれど、香りは金木犀ほど強くない。
(とはいえ、これは比較の問題で、「お花」の中では香りが強い部類には入りますが)

金木犀は、姿が見えなくても「むむっ!この辺りに金木犀あるでしょ!」ってくらい、金木犀。

それに、銀木犀より、金木犀のほうがメジャーよね。私はこのお話を読むまで「銀木犀」知らなかった。

物語のモチーフとなる星の花は「金木犀」だっていいだろうに、あえて「銀木犀」。

それが、「私」の控えめな性格とよくマッチしていると思うのです。

夏実と、銀木犀の花でポプリを作りたい。
ポケットに入れた銀木犀の花をお守りみたいに大事に持っている「私」。

けれど、勇気が出なくて、うまく夏実に話しかけられない「私」……。

この星の花がもしも金木犀だったら、「ガンガンいこうぜ!」とばかりに夏実に絡みに行って、「ねぇねぇ!遊ぼうよぉ!🤘🏻」で物語そこで終わりそう(勝手な想像です)

しかしそんな慎ましやかな銀木犀なのだけれど、いつだって青々と葉っぱを繁らせる常緑樹である点は、金木犀と変わりません。


📚ここで突然の脳内平安トリップ!

(久々の登場ですが、今回は正確には奈良以前です)

古来、常緑樹は「繁栄」のシンボルとして大事にされてきました。


橘は実さへ花さへその葉さへ
枝に霜降れどいや常葉の木

(万葉集・1009・聖武天皇)


この歌にあるような「橘」なんかも、そう。
橘が常緑樹であるように、あなたの家が永遠に栄えるように祈ろう…と詠んだ和歌。


常緑樹は、奈良平安の人たちが好んだ縁起のいいモチーフ。枯れない。ずっと繁ってる。長寿や不老不死、繁栄の願いを託すんですね。

「星の花が降るころに」でも、常緑樹の葉は、「私」の心の強さ、これから強く生きていく「私」を象徴しています。過去を糧に、ぐんぐん新しい葉を伸ばしていく、中学生の若い心。

いいねぇ。青春。


❤️「銀木犀」の花言葉、ご存知?


青春といえば、気になるのは、物語に登場する男の子「戸部くん」の存在。

ちょっとおちゃらけながら、悩み落ち込む「私」を励ましてくれる粋な男。しょぼくれてる時にこんな気遣いされたら……


惚れてまうやろーーーー!!!


多感な中学生、「物語の続きを考えよう!」というまとめ授業をすると、「戸部くんとこのあとお付き合いすることになる」展開を書く子の多いこと……


二次創作ですな。薄い本ですな。


まぁ想像は自由ですし〜
なんて思ってたんだけど。


銀木犀の花言葉を調べてみると……


「初恋」

「中国の美女は、デートの前に木犀入のお酒を飲んで、香りを甘い匂いにしていたという話もあります」


いやいやいやいやいや

え??????


戸部くんに、惚れてまうやろーーーー!!!!

からの、

惚れちゃいましたけどーーーー!!!!!

あっまーい!小沢さん!あまいよ!甘すぎるよ!


ってこと?!(?)

薄い本が厚くなるなる展開!

銀木犀の木の下で肩を寄せ合って、「ふふ、出られないねぇ」と語り合う相手って……戸部くん?!

なーんて、想像が掻き立てられますね🥺


🍊「夏実」のネーミングも光ります

「花」とは少しずれるかもですが、元々「私」と仲良しだったお友達「夏実」のネーミングセンス〜!って思ってます。

お話は銀木犀の花が降るころ、秋。これに対して「夏」だし、しかも「実」(「夏美」ではなく、果実の「実」)なんですよね。

秋の一個前、過ぎ去った季節である「夏」。
そして花が咲いて、散って、そのあとにできる「実」。


「夏実」という名前がすでに、「星の花が降るころ」よりも過ぎ去ったもの、過去のものであることを指し示しているなぁって、読むたび思っています。

はぁ、粋ですなぁ🥺


⭐️最後に…「星の花」は本当に降ります

通りがかりに見つけた金木犀、降ってました。
銀木犀ではなく金木犀でしたが…

2人で秘密基地みたいにできる銀木犀があったら、さぞかしきれいだろうなぁ。


🏃‍♀️「お花とエッセイ」コンテストの宣伝

そんなわけで、教科書教材である「星の花が降るころに」を「星の花」…銀木犀から読んでみました💐

こちらの記事は、ともきちさん・yuca.さんの企画「お花とエッセイ」コンテスト…に、インスピレーションもらって書き始めたのですが、なんと!全くエッセイではない!

しかし、この企画がなければ書かなかったと思うので、記事リンクを貼り付けて宣伝だけ!😂


(エッセイも、書けそうなら書きたいです)コソッ


「星の花が降るころに」、中一の教科書教材なのですごーくわかりやすい物語文ですが、みなさまもぜひ読んでみてくださーい💐✨


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猪狩はな 💙@hana_so14
https://twitter.com/hana_so14

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