明日はきっと、もっといい日になるよね、かわいい息子たち。

ああ、こんな時間は今だけなんだろうな。何年かあとに、今の光景を思い出したり、するんだろうな。

普段はあんまりそんなこと思わないのに、昨夜はフッとそんな考えがよぎった。

寝る前のベッド。

夫と、私と、その両脇というかもはや上に乗る長男と次男。

「まま、がたんごとーん!」
「パパも電車になってよぉ」
「ちょっ…重い…」
「がたんごとん!」

暗闇の中で、わずかな灯りと夜目を頼りに遊ぶぶ兄弟と、電車にされてるパパとママ。

夫と肩を並べて横になりつつ、兄弟の電車にされながら思う。

4年前まで、夫と私と、2人だったんだよな。

それが今や、「なにもないところ」から、新しい命が2人分増えて、こうしてキャッキャと遊んでいる。

妊娠中や産後すぐのときはよく思ってたことだったけど、改めて「信じられない…」と思う。しかもこの命が自分のお腹から出てきたのだと思うとなおさら「???」である。生命の奇跡。

もう数年経てば、それぞれがそれぞれの布団や、それぞれの部屋で、眠るようになるんだろう。

こうやって、パパ!ママ!ってくっついてきて、キャッキャと笑い合う時間もだんだんと減っていくんだろう。

懐かしく、あのころはあんな風に寝てたね、と話す日が来るのだろうか。

消灯後の暗闇の中、こっそり、4人でもみくちゃになっている様子を焼き付ける。

布団に入ると秒で寝る夫が、しばらくして誰よりも早く寝息を立て始めた。

「パパ、寝ちゃったね」
長男がくすくす笑う。

「ママたちも、そろそろ寝よう」と声をかけて、「どこで寝る?」と尋ねると、私の右に長男、左に次男が陣取った。

「長男くん5時に起きたい」
「じゃあ、もう寝ないと5時には起きられないよ笑」
「寝る!!!」

最近毎晩しているやりとり(なぜか5時に起きたがるが、今の今まで1度も5時に起きられたことはない)

でも、なんだか、明日に向かって「ああしたい」「こうしたい」って思うって、素敵な眠りのつき方だなぁ。

明日が来ることが、少しでも楽しみになってほしいなぁ。


「……ねぇ、長男くん、次男くん。明日はなにして遊ぼうか」

「き◎△×」
「きってなに?!笑」
「木登りかな…」
「え、次男くん木登りするの」
「き!えへへへ」
「木のあるところに行ったら、かまきりいるかな?!」
「そうだねぇ、自然がたくさんあるところなら、虫もいるんじゃない?」
「長男くん虫つかまえたい」
「広い公園にでも行く?」
「たい!たい!」
「次男くんもいきたいって、いってるね、へへ」

私を挟んで、兄弟もやりとりをかわす。だんだんと次男の言葉も増え、兄貴とコミュニケーションを取れる場面も出てきて、ほほえましい。

写真にも、映像にも、音声にも残らないような、毎日のふとした瞬間。

2人の息子に囲まれた、今だけの、スーパーハッピーな時間。

未来の私、少しでも覚えていてね。

大変なこともたくさんあるけど、今この時ってきっと、かけがえのない大切な宝物だ。

「じゃあ、また明日たくさん遊ぼうね。長男くん、次男くん、おやすみなさい」
「ママ、おやすみ」
「ヤダ」
「やだ、だって、ふふ」

明日はきっと、もーっといい日になるよね、かわいい息子たちっ!へけっ!


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猪狩はな|教育ライター
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