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【出版決定!】noteを書籍化するためにやった6つのこと


noteで書いたエッセイ「100万円貯めて、汚部屋から脱出してみた」が書籍化されました。

そこで今回は、

「いつか本を出すのが夢」「一生に一度、本を出してみたい」

と思っている人に向けてnoteを本にするために私が実践した「出版社に売り込む方法」を1.3万文字というボリュームで徹底解説。

ありがたいことに人気noterの方からもうれしいレビューが届きました!

このnoteでは、「誰でも必ず実践ができる」再現性のあるものだけを書きました。

それでは、どうぞ!


(1)書店リサーチをする

どんな本が売れているのか、見て回る

最初に私がやったことは、書店リサーチでした。
書店に行って「どんな本が売れているのか」を見て回るんです。

なぜならば本は「売れることがすべて」だと思ったから。

・どんなジャンルの本が売れているのか?
・何部刷られているのか?
・サイズはどれくらいなのか?
・価格はどれくらいか?
・表紙のデザインはどんなものか?
・文章がメインか、写真がメインか?

などなど。書店に足を運び、なめるように見て回ります。


出したいという情熱だけでは本は出ない

出版社の人たちは、普通の会社員と同じように半期ごとに会社から目標を課されます。
目標の内容は「本を〇冊出版する」とか「〇部売る」などさまざまですが、つまるところ

「商売なんだから、ちゃんと売れる本をつくろう」

ってことが求められている。

だから、著者の「出したい」という情熱だけでは本は出ません。

情熱に加えて、「出版社の売り上げに貢献できる本」、そして「読者の役に立つ本」を書かなければいけないんだなと思いました。


書店リサーチでメモするべき9つのポイント

では、実際に足を使って書店リサーチしていきます。
「どんな本が売れているのか」を調べるために、次の9点をメモ。

・書店名
・棚のジャンル名
・書籍タイトル
・Amazon URL
・著者名
・出版社名
・初版(重版)年
・値段
・ページ数

この9点をメモできるよう、事前にシートを用意します。紙でメモしても良いですが、スプレッドシートを使うとより便利。

実際に私がつくった「書店リサーチシート」

このシートは何に使うのかというと、後述する「出版企画書」を書くときに使います。出版企画書とは、出版社に売り込む際に送る企画書のこと。

さて、メモの準備ができたら実際に書店へGO。


1:トレンドを見て書籍化されやすいネタをチェック

書店に入ったら、まずは入り口付近の目立つ場所に平積みされている本を見てみます。

こんな感じで積まれているコーナーを探す

この場所では出版業界のトレンドをチェック。

トレンドに乗ってるコンテンツは書籍化されやすいため、しっかりおさえておきます。

売れるコンテンツは、何年かごとに変わります。たとえば、ひと昔前ならこの平積みされている場所には「山ガール」や「モノクロインテリア」などの本が置いてありました。
当時はトレンドだったので良いですが、トレンドが過ぎ去ってしまった今、今このネタで出版しようとしてもなかなか難しい。

売れる本は、ネタと鮮度が命です。

なので、まずは出版業界全体のトレンドをおさえることが重要。

自分が今から出そうと思っているコンテンツがトレンドから大幅にずれているなら緻密な戦略を練ったほうが良いですし、また、まさにトレンドであればいち早く出版社に売り込んだほうが良い。
そのため、まずは書店入り口付近にある平積みコーナーを見てみましょう。

ちなみに余談ですが、新宿の紀伊国屋書店では毎日「その日に出された本」を並べるコーナーがあるそうです。

日本で一番トレンドをつかみやすい棚かもしれませんね。


2:自分が出したいジャンルでどんな本が売れてるのかを見る

次に、自分が出したい本のジャンルのコーナーに移動します。ここではそのジャンルで今どんな本が売れているのかをチェック。

チェックする目的は「自分の出版企画書に、類書を盛り込むため」です。

出版企画書の書き方は後述しますが、どんな出版企画書であったとしても類書を書く必要があります。類書がないと「売れないからどの出版社も出してないんじゃない?」と言われてしまうため。
また、類書を書くことで「この類書とちゃんと差別化してますよ」というアピールもできます。

自分が出したいジャンルの棚に移動できたら、あらかじめ準備しておいた書店リサーチシートを出し、類書を記入していきます。記入ポイントは以下の9つでしたね。

・書店名
・棚のジャンル名
・書籍タイトル
・Amazon URL(家に帰ってから記入)
・著者名
・出版社名
・初版(重版)年
・値段
・ページ数

大変ですが、最低でも15~20冊は類書を見つけられると良いです。


3:出版社を見て売り込み先のリサーチをする

さて、事前に用意したリサーチシートには出版社を記入する箇所があります。出版社をメモする目的は、出版企画書を送る出版社リストをつくるため。

出版社だけでなく、(もし記載があれば)担当編集者の名前もメモしておくと良いでしょう。出版企画書を売り込む際に、出版社宛てではなくその担当者本人に売り込むことができるためです。


最低でも5店舗は書店リサーチに行かないといけないワケ

一通り書店の中を見終わったら、次の書店に行きます。書店リサーチは最低でも5店舗は行くと良いですね。理由は次の3つ。

・その書店に自分が出したいジャンルの棚がそもそもないかもしれない
 =リサーチできない

・平積みされている本(つまりトレンド)が書店によって異なる
 =トレンドがわからない

・書店によっては置いてある本が初刷りのままだったりする
 =何部売れてるかわからない

上記の状態を防ぐことができます。


実店舗に行くのが難しいなら、Amazonランキングでリサーチ

とはいえ、いろんな事情で書店に足を運べないことも。その場合は、Amazonの書籍ランキングでもリサーチすると良いですね。

リサーチする手順は、実際の書店リサーチと一緒。

・まずはジャンルを問わず全体のトレンドを把握する

・そのあと自分が出したいジャンルのリサーチをする

・リサーチ結果をシートにまとめる

です。


「出したい本」と「売れている本」と「書ける本」は違う

無事にリサーチが終わったら、家に帰ります。
で、改めて自分が出そうと思っている本のネタを見直す。

リサーチをしてみると改めて実感することがあります。それは、

「出したい本」と「売れてる本」は違う

ということ。書籍化を本気で狙うからには、売れている本の傾向に、「出したい本」のネタを寄せていく必要があります。

そして、ネタを寄せることができたとしても、今度は「そのネタが本当に書けるのか」という問題が出てきます。

つまるところ「出したい本」と「売れている本」と「書ける本」は違うということ。そして、書籍を本気で出すならばそれら3つが重なる場所を見つけることが大切なんです。

三つが重なるところを見つける


(2)マーケット規模を考える

「ニーズがあるよ」と著者自身が立証しなければいけない

さて、ここまででやっと

・自分が出したいと思っていて
・実際に売れそうで
・しかもちゃんと自分で書ける本

が見えてきました。次は実際にどれくらい売れそうなのか、マーケット規模を考えてみます。

私の場合はライフスタイル系の本を出そうと思っていました。
リサーチの結果、「60歳や80歳などシニア層の女性の暮らしを描いた本が多い」ということが判明。

つまり、シニア層の女性の暮らしについて知りたい人が多いということです。
今、日本はおばあちゃん大国。少子高齢化が進んでいますが、女性のほうが男性より長生きする傾向にあります。

だから「単身で暮らしているシニアの女性」がどんな暮らしをしているのか、みんな知りたいんですね。そのためこのテーマの本はとても売れ行きが良い。

マーケットの規模が大きいし、なおかつこの規模は今後拡大していく。

だからこのテーマの本は売れる。

これを著者である自分が立証できれば、出版社も「なら書籍にしてみよう」となるわけです。

なので、「もしも出版されたとしたら、自分の本はいったい何人くらいの人が買ってくれそうなのか」、あらかじめ市場調査をこの段階で行います。


「ニッチ」を狙うのもアリ

とはいえ、マーケット規模が小さかったとしてもちゃんとニーズがあってファンがいたらニッチな本は出ます。ニッチな本の具体例はこんな感じ。

こういったテーマも本になるので、チャレンジする価値は十分ある。

なお、こういった本は「類書がないからこそ」出版された可能性があります。
たとえば「戦国武将のお墓参りの本」。一冊出たらもう十分情報を網羅できてしまうので、二冊目は出版されにくいかもしれません。
ニッチな本を出版しようと思ったら、リサーチ段階でむしろ「類書が存在していないか」確認するのが良いですね。

ちなみに余談ですが、出版業界を支えているのは「ベストセラーをたまに買う一般の読者」ではなく「月になん十冊もの本を買う読書マニア」だそうで。だからこそ、こういったニッチなジャンルの本が売れるのかもしれません。

ここまででリサーチが完了

さて、ここまででリサーチが完了しました。ここでこの有料noteを買ってくださった方のレビューをご紹介します。

すごくありがたいレビュー、ありがとうございました!

(3)出版企画書をつくる

さて、それではいよいよ、出版社に売り込む際に送る「出版企画書」をつくっていきます。出版企画書は次のように書きます。

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