のぼせた人魚の嘆き。
まるで。
予告なしの打ち上げ花火。
開いた瞬間は、美しい。
空に打ち上げた想いが降り注いで。
海面に散る。
シャッター切る間もなかったから。
泳ぎながら、
集めてポケットに入れる。
言葉の片鱗から、
輪郭を創って形にする。
でもまだ、足らない。
再現できない。
浜辺に打ち上げられたのか。
それとも深海に沈んだのか。
見つからないなら仕方がないから、
別のポケットの中から言葉を連れてくる。
上手く嵌ればそれでよし。
そうでなければ、やり直し。
嗚呼。
何を考えていたんだろう。
集めきれずに、
言葉が無限に発散した海で、
のぼせた人魚は、漂ってみる。
一瞬の後にやって来る嵐に、
言葉は連れ去られて永久に帰って来ない。
そんな夜を。
何度も何度も超えて、超えて。
来たはずなのに。
今日も今日とて、さらわれる。
嘆息よ。
泡となれ。
今日はもう、諦める。
flag *** hana
今日もありがとうございます♡
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