花谷泰広

小学生の頃から山好き。 山岳資源の「利用」と「保全」の最適化によって、次の世代への「継…

花谷泰広

小学生の頃から山好き。 山岳資源の「利用」と「保全」の最適化によって、次の世代への「継承」を目指しています。 株式会社ファーストアッセントで甲斐駒ヶ岳七丈小屋・アグリーブルむかわ(山梨県北杜市)、馬の背ヒュッテ(長野県伊那市)を運営。一般社団法人北杜山守隊の設立・代表。

最近の記事

高尾山の山岳歩道で感じたこと

先日、高尾山を視察する機会がありました。 民間人で構成されるサポートレンジャーさんが東京都レンジャーとどうやって連携して活動しているのかを学ばせていただくことが目的でした。 人生2回目の高尾山。一回目は確かコロナ直前、テレビのロケでしたw 今回はあまり天気予報が良くなかったので、高尾山としては驚くほど人が少なくゆっくりと見学することができました。6号路を上がり稲荷山コースを下山しましたが、下山の際に見た風景があまりにもショックでXに投稿したところ、思わぬ反響がありました。

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    • 【花谷流】登山系SNSの活用法

      今朝、甲斐駒ヶ岳七丈小屋の小屋番から連絡を受け、急遽花谷のSNSでも注意喚起をさせていただきました。 先に断っておきますが、「ピッケル・アイゼンを使用せずに登頂できた!」という発信に対して、私は一切非難しません。 その方は事実そうやって登れたのですから。そして多分、私も登れます。 登山は自己表現の世界です。 どういう登り方をしても、どういう発信をしても、それが自分以外の誰かがやっている以上、コントロールはできません。 唯一コントロールができのは、自分自身の行動だけです。

      • 幻の複合施設計画

        昨年から練り上げてきた事業計画を断念することになりました。 北杜市内のある物件を取得してリノベして、北杜市を訪れる登山者の拠点となる施設を作る予定でしたが、売主さんとの交渉が決裂する形で断念することにしました。 今回は一連の出来事を、有料記事を交えて書ける範囲で書きたいと思います。 個人的にも、そして北杜市の将来としてもとても残念な結果に終わってしまいましたが、銀行の担当者と計画を練り上げ、建築会社さんなどとも話し合いながら進めてきたプロセスは生きた学びでした。 これか

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        • 自分の登山を再開する準備

          前回の投稿からもう一ヶ月。 なかなかアウトプットの習慣化は難しいですね。 さて、久しぶりの投稿は、仕事の関係ではなくて自分の登山のことについて書きたいと思います。実はかなり前から書き始めてたんですが、なかなか書ききれず今に至りました。 30代の頃は、ほぼ毎年ヒマラヤなどでアルパインクライミングを行いつつ、フリークライミングでもコンスタントに5.13を登っていました。国内の強いクライマーと比べて高いレベルだったとは言えませんが、それなりに取り組めていたと思います。 いま本気で

        高尾山の山岳歩道で感じたこと

          持続可能な登山道の保全のために【なぜ登山道整備の事業化を考えたのか・その5】

          前回の投稿に続いて、持続可能な登山道の保全活動を進めるために、積極的に自主事業に取り組むことの重要性と、その工夫について書いていきたいと思います。 まずは前回のおさらいです。 ○自主事業に力を入れる理由現在、北杜山守隊が「自主事業」として取り組んでいるものは次の通りです。 ・ワークショップの開催 ・企業や団体の研修やイベントの受託 ・技術者や講演者の派遣 ・会員制度 ・物販 ・寄付 ・ふるさと納税 前回はワークショップについて書いたので、今回は主に会員制度、物販、寄付、

          持続可能な登山道の保全のために【なぜ登山道整備の事業化を考えたのか・その5】

          なぜ登山道整備の事業化を考えたのか【その4・登山道保全ワークショップの造成】

          しばらく間が空いてしまいましたが、北杜山守隊で展開をしている「登山道保全ワークショップ」について書いていきたいと思います。 ○自主事業の重要性北杜山守隊では持続的な登山道の保全活動ができる仕組みを本気で構築しようとしています。 将来的な大きな構想としては国、地方自治体、民間による「協働管理体制」を担うことができる民間団体になることですが、短期的には「担い手不足」と「財源不足」の課題を解消して自立した民間団体となるため、補助金やボランティア活動に依存しない体制を構築することに

          なぜ登山道整備の事業化を考えたのか【その4・登山道保全ワークショップの造成】

          なぜ登山道整備の事業化を考えたのか【その3・キーパーソンとの出会い】

          前回までは私自身が登山道の活動を始めたきっかけや登山道の課題について書きました。 今日は一般社団法人北杜山守隊立ち上げまでのお話です。 つくづく私は出会いに恵まれていると思っています。 最初の構想では、活動を育てて一般社団法人化するのは、活動を始めた3年後、つまり2024年夏頃かなと思っていましたが、まだ2024年の夏は来ていません。 出会いの連鎖によって、3年ぐらい早巻きで事業が進んでいます。 ○大雪山・山守隊、岡崎哲三さんとの出会い北杜山守隊設立を語る上で、なくてはなら

          なぜ登山道整備の事業化を考えたのか【その3・キーパーソンとの出会い】

          なぜ登山道整備の事業化を考えたのか【その2】

          前回は登山道整備のきっかけについて書きました。 もともと無関心だったことが、当事者になったことで意識が変わりました。やはり何事も「自分ごと」とならない限りは主体性を持った行動ができないものだと思います。 Xに前回の投稿の反応があり、まさにこの方がおっしゃっていることが的を得ていると思います。 まさに官と民の役割分担なのだと思います。 行政担当者にも当事者意識を持っている方はたくさんいらっしゃいます。しかし日々の業務が多岐に渡り忙しすぎるため、行動に移せる余裕のある方は本当

          なぜ登山道整備の事業化を考えたのか【その2】

          なぜ登山道整備の事業化を考えたのか

          東日本を中心に久しぶりにまとまった雪になりました。 皆さまの地域は大丈夫だったでしょうか? 北杜市の我が家も20センチぐらいの積雪があり、子どもたちの学校も休校となったので、朝から雪かきやらかまくら作りをしていましたw さて今回からしばらくは、いま私が一番力を入れて取り組んでいる「登山道整備」のことについて書いていきたいと思います。昨今、大変関心が高くなっている登山道の問題。昨年共同通信社発信で、「国立公園の歩道の5割が管理者不在」と、地方紙を中心に一面トップで大きく新聞に

          なぜ登山道整備の事業化を考えたのか

          本物を伝える。本物とつなぐ。

          前回の投稿から少し時間が空いてしまいました。 この一週間ほどで、黒戸尾根往復→東京往復→黒戸尾根往復→北杜市内で取材→東京往復(イマココ)→赤岳鉱泉アイスキャンディフェスティバルと移動距離と消費体力がとんでもないことになっているので、トレーニングはお休みにして、体力温存のために睡眠に集中していました。 おかげで何とか終盤を迎えることができました。やはり休息は大事ですね。 さて、今回は1月29日月曜日に開催した「ヒマラヤキャンプ2023報告会」で感じたことを書きたいと思います

          本物を伝える。本物とつなぐ。

          登山者用二次交通「マウンテンタクシー」の誕生【その2】

          前回から二次交通の話を書き始めました。 正直なところ、山登りのこととか山小屋のことよりも、関心を高く持ってもらえるんじゃないかと思ったんですけど、、、案外スキ数が伸びないですね(笑) 読んでくださった皆さまに感謝です! ですがこれにめげず、しかも有料記事にてマウンテンタクシーの核心部について書いていきたいと思います。書き始めたら意外と時間がかかってしまいました。。。 もし地方で同じような事業に取り組もうと思っている方、すでに取り組んでいる方、単純にマウンテンタクシーに興味の

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          登山者用二次交通「マウンテンタクシー」の誕生【その2】

          登山者用二次交通「マウンテンタクシー」の誕生【その1】

          ○着想の背景地方の観光の大きな課題として「二次交通」を挙げる地域は多いのではないでしょうか。 登山の場合、登山口近くの駅までは鉄道で行くことはできても、そこから登山口までバスなどの公共交通がある地域は限られています。多くの場合はタクシーを利用することが多いような気がしますし、そうでなければマイカーあるいはレンタカーなどを用いるしかありません。 何人かで来る場合は、タクシー代金を割り勘にすることで出費を抑えることが可能です。しかしひとりで来るとなると、やはりハードルを感じるも

          登山者用二次交通「マウンテンタクシー」の誕生【その1】

          なぜ七丈小屋の利用者が増加したか

          毎日「最大1時間」と決めてnoteを書いていますが、「最大1時間」なので5分で終わってしまう日もあります。まだまだ書き慣れていないので記事が仕上がるのに時間がかかりますが、しっかり書き込めるようになりたいと思います。 さて、2017年より運営を引き継いだ甲斐駒ヶ岳七丈小屋。 以前の投稿で書いた通り、標高差2200mある日本三大急登「黒戸尾根」の七合目、登山口から標高差にして1600mも登ったところにあります。標準的なコースタイムで6時間〜7時間。1816年に山岳信仰の山と

          なぜ七丈小屋の利用者が増加したか

          自然を相手にするということ

          実は昨日は午前中から別の記事を書き始めていました。 昼前から出張などもあって時間が確保できず、書き上げることができなかったということもありましたが、実はとあるニュースの情報がずっと入っていたので気になっていました。 実はこの遭難の続報(報道に乗らない身内からの情報)が入っていたのです。 そして今日、ヘリにて収容されましたが、残念ながらひとりは助かりませんでした。 もう名前も住所も公表されているので隠す理由もないのですが、お亡くなりになったのは、北杜市在住の山岳ガイドの友

          自然を相手にするということ

          なぜ素人が山小屋を運営しようと思ったのか【その3・終話】

          今月からnoteを始めて3日続けて投稿をさせていただきました。 三連休と重なったこともあって昨日までは比較的時間に余裕がありましたが、やはり今日から世の中的にもスタートという感があって、夜になってようやく書く余裕ができました。運転とか打ち合わせが続くとなかなか時間の確保はむつかしいと実感していますが、書くことを習慣化していきたいと思います。 それから嬉しいことに、まだたった3回しか投稿していないのに、なんとサポートをしてくださった方々がいらっしゃいます!!本当に感謝申し上げ

          なぜ素人が山小屋を運営しようと思ったのか【その3・終話】

          なぜ素人が山小屋を運営しようと思ったのか【その2】

          前回投稿から引き続いて、「なぜ山小屋で働いたことがない素人が、山小屋運営に手を挙げたのか?」について書いていきたいと思います。 ○七丈小屋前管理人さんの引退宣言まずは前回の続きから書いていきたい。 2015年の秋に、お世話になっている経営者のゲストと黒戸尾根に登った。紅葉の美しい秋の日だった。 いつものようにいろいろな話をしながら6時間ほどかけて七丈小屋に着くと、いつものご主人が迎えてくれた。 この時、ご主人から「花ちゃん、一年たったけどまだいい人が見つからないんだよね・

          なぜ素人が山小屋を運営しようと思ったのか【その2】