40歳からゲーマーに転身したマーケティング会社社長の話

人生の後半戦の生き方が定まっていないアラフォー世代の参考になればと思い、人生の後半戦をゲームに注ごうと思ったアラフォー男の動機について書き記すことにしました。

簡単に自己紹介

仕事の話

マーケティング脳をつくる会社、株式会社テマヒマで代表をしている平岡と申します。

当社は2015年に創業して以来、企業のマーケティング組織作りを支援しています。経営に参画したり、マネージャーとしてチームビルディングをしたり、外部の相談役としてマーケティングのアドバイスを行ったりと形は様々ですが、企業自身が自らの力で事業を成長させていくための仕組みづくりをサポートしています。

個人の話

1982年に生まれた私は、俗にいうファミコン世代です。小学校に上がる前には、我が家にファミコンがありました。夜に寝たふりをして親をやり過ごし、夜な夜な暗い部屋でゲームに熱狂していたことを今でも覚えています。

誕生日にしか新しいゲームソフトを買ってもらえなかったのですが、近所にゲームソフトを1週間100円でレンタルできるお店があり(おそらく違法ですよねw)、毎週そこでいろんなゲームを借りて遊んでいました。

漫画やアニメも好きでしたが、最も熱狂していたのは間違いなくゲームでした。

高校生になり、女子にモテることを意識しだしてからは、ギターの練習やバンド活動に熱狂していました。その頃からすっかりゲームとは距離を置くようになります。

大学では大学祭の運営に熱狂していたので、ゲームは私の人生には存在しない過去のものとなっていました。

そして、就職後も仕事中心の生活だったので、ゲームをすることは全くありませんでした。ゲームをやりだすと止まらなくなり、仕事どころではなくなる自信があったので、あえて距離をとっていたところもあります。

まず、ゲーマーへ転身することになるまでの経緯についてお話いたします。

ビジネスでの成功に憧れた頃の話

大学卒業後に広告会社へ就職し、30歳になる時にITベンチャーへ転職しました。その後32歳で起業し、これまでずっと仕事中心の人生を送ってきました。夜は、仕事関係の人と会食をし、自宅にいることはほぼない生活でした。

20代・30代の頃は「会社を大きくしたい」「もっと稼ぎたい」「贅沢したい」という欲求がありました。当時は、世の中の人が知っているような事業を作って、承認欲求を満たしたいという気持ちが大きかったです。

より良い人生のきっかけとなった気づき

ですが、今はそう感じることは無くなりました。なぜなら、起業に求めていたことが「自由であること」だと気づいたからです。

起業して8年、特に大きなことを成し得た訳ではありません。自分自身の覚悟が足りていなかったことが原因なのですが、なぜ覚悟が足りていなかったのかが今ではわかっています。

その理由は、「大きな事業を創りたい」「社会から認められたい」という欲求が、起業というものに対して自分が思い描いていた、幻想から生まれたものだったということです。

幻想から生まれた「あるべき」を手放してからは気持ちも楽になり、自分のやりたいことを第一に考えて行動するようになってからは、お金にも時間ににも縛られない生き方ができるようになりました。

好きな仕事をして、家族と暮らし、毎日気分よく過ごしていますが、人生80年と考えた時に、人生の後半戦に突入する40歳以降は、仕事以外に打ち込める何かを見つけたいと考えるようになりました。

転機となった出来事

そんなタイミングで新型コロナの流行が起こります。

オフィスには行かなくなり、会食にも行かなくなったので、自宅で過ごす時間が増えました。子供と過ごす時間が増え、一緒にゲームをして遊ぶ時間も増えたことで、気持ちの変化が生まれます。

ゲームを含めて仕事に活かせないことに時間を使うことが、人生の無駄遣いのように感じていました私が、コロナ禍での子供とのゲームをきっかけに、再びゲームに熱狂しだすことになります。

最初は子供が遊んでいるゲームに付き合う程度でした。でも、徐々に自分がやりたいゲームを買うようになり、元々は休日だけしかやっていなかったのに、平日の夜も毎日のようにゲームをするようになります。

その頃は、子供の持っているNintendoSwitchを借りてやっている程度だったのですが、ゲームに対する情報感度が高まるにつれ、ハイクオリティな最新ゲームへの興味が湧いてきました。

最新機種として発売されたPlayStation5を手に入れられたら、もっといろんなゲームをプレイしようと思っていました。ですが、品薄のためなかなか買えない日々を過ごします。

開いたパンドラの箱

ですが、Fortniteをプレイするために、PlayStation5ではなく旧型機種のPlayStation4を手に入れることになります。

Fortniteは当時ビジネスの文脈でもかなり話題になっており、今後のトレンドを知っておくためにも、ちゃんと理解しておいた方が良いと感じていました。

ですが、Macではプレイできなくなっており、子供と一緒にプレイするためには、別ハードが必要だったので、しばらく手を出していませんでした。

そんな時に、FortniteとNARUTOとのコラボが発表されます。

今までは「PlayStation5が買えたら…」と思っていたのに、「NARUTO好きとしては、このコラボに乗じない理由はない!」と自分に言い聞かせて、旧モデルのPlayStation4を購入する口実を自ら作りました。

これが全てのきっかけとなります。

人生の後半戦を決定づけたゲーム

結局Fortniteは画面酔いが酷く、長時間遊べずすぐにやめてしまいました。その後、動画で見てずっと気になっていた「ストリートファイターV」を購入したことで、私の人生は変わります。

ストリートファイターVに興味を持っていた理由は、梅原さんというプロプレイヤーがきっかけです。梅原さんは日本で最初のプロゲーマーで、プロゲーマー在籍期間でギネス認定もされているような方です。

今も第一線で活躍されているのですが、私が梅原さんを知ったきっかけは、ゲームではなく学生向けにお話をしている講演会動画でした。

一時期、講演動画にはまっていて、いろんな人の講演動画をYouTubeでたくさん見ていて、梅原さんの動画にも出会った感じです。

若者に対して「やりたいことをやるのはいいけどちゃんと働け」と伝えていたり、今自分が置かれている立場はたまたま起こったことで、いつ無くなるかわからないと思っていることなどを聞き、冷静で物事の本質を見られている方なんだなと感じ、ゲーマーとしてではなく1人の社会人として、梅原さんに興味が湧きました。

梅原さんがお話ししてる動画を色々と漁っているうちに、ゲームをしている動画も関連表示されるようになり、徐々にストリートファイターVのプレイ動画やゲーマー向けの講座動画なども見るようになりました。

格闘ゲームのことを深く知れば知るほど、自分でもやってみたいという熱が高まってきて、PlayStation4を手に入れたことで、ついに「ストリートファイターV」をプレイすることになります。

ストイックな人ほどハマるゲーム性

格闘ゲームは乱暴で雑なゲームかと思われがちですが、実際は緻密で繊細なゲーム性を持っている将棋のような奥の深いゲームです。極めることは不可能だと言えるこのゲーム性に、とても魅力を感じました。

プレイしてみると、最初は全然うまく操作できません。簡単な必殺技を出すこともできません。それを何回も何回も練習しているうちに、少しずつ出せるようになります。その時の喜びは、大人になってから味わえていなかったものに感じました。例えるなら、自転車で転ばず前に進めた時のような感覚です。

格闘ゲームの醍醐味とは

必殺技が出せるようになっても、動いている相手に当てることができないという次の壁が現れます。1つのことができても、すぐにまた次の壁が現れるので、それを1つ1つ攻略していく面白さがずっと続きます。

労働と報酬が短いスパンで繰り返されるような感じかつ、勝敗がはっきりとつくので脳汁が出まくります。

大人になると、自分のできることに取り組むことが増えます。それは、得意を生かした方がコスパが良いからです。でも、壁を乗り越える経験を避けていては、今以上の成長はできません。周りが成長していく環境では、現状維持は衰退です。

私自身、仕事上のチャレンジはもちろんしてきていますが、それらは自分の得意を活かせる領域でのことなので、どう太刀打ちして良いかわからない状況になることはほぼなく、脳汁が溢れ出る感覚をしばらく味わえていませんでした。

なので、すっかり格闘ゲームの魅力に取り憑かれました。やるからにはガチでやりたいと思ったので、プロと対等に戦えるレベルになるために本格的にトレーニングを始めました。

格闘ゲームにチャンスがある理由

格闘ゲームのトップ層の多くは、アラフォーです。格闘ゲームの祖と言える「ストリートファイターⅡ」が稼働してから35年間ずっとやり続けてきた人たちが、今も最前線で活躍している世界です。

FortniteやApex LegendやVarolantなど、流行りのシューティング系のゲームは20代前半で選手生命が終わると言われてますが、格闘ゲームは反射神経や判断力だけではなく、経験が大きく勝敗に影響するので、若くなくても活躍ができる選手生命の長いゲームだと言えます。

相手によって戦い方を変えたり、自分の動き方をラウンド毎に変えて相手を揺さぶったりと、ゲームプランの立て方で結果が変わるゲーム性が、粘り強い人気の理由だと思います。

実際にストリートファイターVのプロ選手には、30代40代の人が多く、日中仕事をしながらプロ選手として活躍している人も結構います。やり込み方次第では、今から始めても上位に食い込むことは不可能ではないと思いました。

そして、2023年に7年ぶりの新作「ストリートファイターⅥ」の発売が決定していたことも追い風になりました。新作になるとゲームシステムがガラリと変わります。今までの戦術が使えなくなり、戦い方も変わるので、今から始めたとしてもチャンスがあります。(もちろんそんなに甘い世界ではないので微々たるチャンスですが…)

なので、40歳からの人生を格闘ゲームに注ぐ決意をしました。

スキルアップのためにとった行動

とはいえ仕事をしながらなので、あまり多くの時間を使えません。なので、できるだけ効果的な方法でスキルアップをしようと考えました。

発売から7年になるゲームなので、すでにほぼ攻略し尽くされている状況です。なので、より多くの人の知恵を借りることで、インプットの効率化を図ろうと考え、ゲーム専用のTwitterアカウントを作りました。

とにかくストリートファイターのプレイヤーのアカウントをフォローしまくり、接点を作るところから始めました。積極的に情報発信している人も多いので、他の人の投稿を参考に自分自身の糧にするようにしています。

格闘ゲームは、良くも悪くもまだ市場がそこまで大きくないので、プロとアマの垣根があまりないことも魅力的です。

コミュニティでの行動をきっかけにプロの選手とも知り合うことができ、今はコーチングをしてもらっています。新しいことを始める時は、前を進んでいる人に教えてもらうのが最良なので、とても感謝しています。

ゲームコミュニティの価値とは

コミュニティに足を踏み入れてわかったことは、プレイヤー同士の繋がりが強く、みんながこのコミュニティを良くしようと思って参加していることです。

プレイで悩んでいることをツイートすると、誰かしらがコメントで教えてくれます。ランクアップをした時にTwitterで報告すると、多くの人が祝福をしてくれます。

好きなことを共有していると、これほど貢献し合える関係が作れるのだと感動しました。Twitterの中に優しい世界が広がっています。

自主開催のコミュニティ大会も多く、積極的にイベント事に関わることで、どんどんとコミュニティの中での存在感を高めることができます。会ったことのない人が大半ですが、SNS上での会話を通して仲良くなることができているので、ビジネスだけの世界で生きていた頃から考えると別世界です。

余談ですが、長年運用しているTwitterのメインアカウントのフォロワーを、ゲームアカウントは数ヶ月で追い越していきましたw
好きなことを共有し合うことが持つ影響力の大きさを感じています。

ゲームの熱狂を日本の力に

ゲームにどハマりしたことと、コミュニティの熱量に触れたことで、もっと多くの人にゲームの熱狂を共有したいと思うようになりました。

特に、自分と同じ40代の人たちをもっとゲームの世界に引き戻したいと思っています。今後の社会のメインプレイヤーとなる30代・40代の人たちが、子供の頃にハマっていたゲームの世界に戻ってくれば、そこにビジネスが生まれ、産業として成熟させていくことができるからです。

そのためには、ゲーム(特に e-sports)が今後の大きな市場になることを、30代・40代の人たちに知ってもらわなければいけないと考えました。

e-sports市場の今

日本の市場規模

e-sports市場は年々拡大している成長市場です。2021年は約80億円だったっ規模が、2025年には180億円にまで成長すると試算されています。(日本eスポーツ連合調査より)

競技人口も約400万人いるとされていて、今後も増えていくことが予想されます。ちなみに、ソフトボールは302万人、バスケットボールが486万人だそうなので、そこそこの規模感だと分かると思います。(総務省調査より)

世界の市場規模

ですが、世界ではすでに1000億円を突破し、2025年には2472億円に達する予測がされています。(角川アスキー総合研究所調査より)

競技人口も約1億3000万人いると言われているので、世界で見ると日本の市場がまだまだ小さいことが分かります。世界のテニス競技人口が1億人なので、相当な規模になっています。

市場の成長を妨げているもの

世界ではすでにメジャースポーツと同規模にまで成長しているのに、日本のe-sportsが世界と比べていまいち盛り上がっていないのは、ゲームに「市民権」がないからです。

私たちはゲームは悪だという世間の認識の中で、ゲームを楽しんできました。新しいものへの拒否反応はいつの時代にもあるので仕方のないことですが、今の親世代にも、未だにゲームをあまり良く思っていない人は結構います。

今では研究が進み、認知機能の向上やコミュニケーション力の向上に繋がるという報告もあり、高齢者向けに積極的に活用する自治体も増えています。

ですが、固定観念の連鎖はなかなか断ち切れないものです。以前の私のように、昔はゲーム好きだったけど今はもうやっていない、という人も多いです。そういう人は大概、ゲームなんて時間の無駄だと思っています。何も得るものがない時間の浪費だと。私自身がそうだったので分かります。

e-sports市場拡大の糸口とは

ですが、ゲームの世界に舞い戻ってきた今の私から言わせてもらえば、大人が楽しんでいる野球やサッカー、ゴルフやマラソンなどもゲームと同じです。皆、それをやっている時間が楽しいからやっているはずなので。

でも、私の周りでも野球やサッカー、ゴルフやマラソンなどの趣味は積極的にSNSなどで発信されているのに、ゲームを趣味にしている人の発信を目にすることはありません。実はゲームが好きなのに、それを公にしていない人は多いです。

野球やサッカーやゴルフやマラソンをするのは、健康的だからだと言う人もいますが、実際には「ゴルフをしている自分がイケてる」「マラソンをしている自分がイケてる」という価値観を体現する目的でやっている人は少なくありません。(意識していないかもしれませんが、深層心理で承認欲求が原動力となっていることは多いです)

ゲームが市民権を手に入れて、ゲームがうまいことで人から「イケてる」と思われる趣味になれば、ゴルフやマラソンなどと同じように、人にも共有できる趣味の1つとして認識されるはずです。

そうなれば、ゲームコミュニティの熱に触れる人も増え、この市場の魅力に気づく人が増えます。この市場には、コンテンツがありコミュニティがあるけど、ビジネスが足りていないということに気づく経営者が増えれば、ビジネスチャンスへの投資が集まり、より市場を成長させていくことができます。

ゲームこそ今後の日本経済の切り札

漫画やアニメと同じで、ゲームも世界で勝てる日本のコンテンツです。

e-sportsの競技シーンで言えば、格闘ゲームは世界でも活躍している選手が何人もいます。海外からも一目置かれているこの状況をもっと活用しない理由はありません。

ハードやソフトだけではなく、e-sportsというエンタメとしても世界を盛り上げていくことができれば、この国をより魅力的で、経済的にも強い国にしていけると考えています。

そのために、マーケターとしての知見を活かして、ポテンシャルの塊のままの今のゲーム市場を、より解放された場所にすることにしました。

終わりに

最後まで読んでいただきありがとうございます。
本気でゲームに取り組み、e-sports市場の拡大にチャレンジし、まだ1年足らずですが、多くの共感者や仲間と出会えています。

今は関わる個人が自分のできる範囲でコミュニティ貢献をしていますが、企業がもっと積極的に関わることで、彼らと共に大きなムーブメントを起こすことができると確信しています。

まだ何者でもない私に、この数ヶ月でたくさんのチャンスが巡ってきていることを鑑みても、この市場のポテンシャルはまだまだ発掘されていないと感じています。

それに気づいてしまったからには、多くの企業がe-sportsを通じてビジネスを拡大していく機会を作っていくことで、この国の底上げに貢献していきたいと思っています。

この記事を読んで、共感いただけたり、何かしたいと思っていただけたなら、是非ご連絡をください!今は一人でも多くの仲間が必要な時期なので、一緒に10年先の未来を作りにいければ幸いです。

↓ご連絡はこちらまで↓
MAIL:support@temahima.co.jp

p.s.
e-sports業界向けの事業として、自身がガチトレーニングをするために開発した専用サプリメントをプロゲーマーのために販売しています。
e-sportsプレイヤーをコンディション面から支援することで、日本のプロシーンの底上げできると考えています。

PCやスマホを見続けているビジネスガチ勢のお役にも立てるサプリメントなので、応援していただければ幸いです。

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