#58 習慣化に実は関係ない！？「意志力」

悪い習慣をやめたり、
新しい習慣を身につけるとき、
意志の力はいると思いますか？

普通に考えたら、そりゃあいりますよね。
失敗したときは、
「自分は意志が弱いんだ……」と
思ってしまうものです。

でも実のところ、
「意志の力が強い」と思ってる人の方が、
習慣化は失敗しやすいことが分かっています。

意志力で禁煙はできない？

2009年に行われた調査で、
3週間の禁煙に成功した元喫煙者たちに、
2つの質問をしました。

① これからも、禁煙を続けられる自信が
　ありますか？
② 今後なるべく、タバコの誘惑のある状況を
　避けようと思いますか？

その結果、禁煙を続ける自信が強い人ほど、
誘惑のある状況に立ち向かう傾向があったそう。

数ヶ月後に追跡調査をしたところ、
質問に「自信がない」「誘惑を避ける」と
答えた人たちの方が、
禁煙を続けられてたそうです。

つまり、
「意志が強いから大丈夫！」と思ってる人ほど、
自分を追いこんで失敗しやすいというわけです。

誘惑が多いとメンタルがすり減る

自信がある人のように、
誘惑に立ち向かおうとすればするほど、
疲労感が増えて誘惑に負けやすくなります。

カナダのカールトン大学の実験によれば、
誘惑が少ない環境に身を置いた人ほど
目標の達成率が高く、


逆に多い環境に身を置いた人ほど、
疲労感を感じて達成率が低くなりました。

たしかに、我慢する回数が多いほど、
頭が疲れたりメンタルを消費しますよね。

別の実験でも、
性格テストで「誘惑に抵抗するのがうまい」と
評価された人は、
誘惑を感じないように行動していたことが
分かっています。

つまり、悪い習慣をやめたり、
新しい習慣を身につけるのに大切なのは
「意志の強さ」ではなく、
誘惑を避けられる環境をつくること、
というわけです。

目標を達成しやすい環境をつくる

では、どうやって環境を
つくればいいのでしょうか？

悪い習慣をやめるときは、
その原因を身近に置かないようにしましょう。

禁酒をしたかったらお酒を置かない。
禁煙をしたかったらタバコを置かない。
店の売り場にも近づかない。

そうやって誘惑を避けることで、
我慢する回数も減ります。

逆に、新しい習慣を身につけたいときは、
過程をなるべく楽にして、
やりやすい環境をつくりましょう。

ランニングを習慣にしたかったら、
すぐに着替えられるところに
ジャージを置いておく。

読書だったら、
読みかけの本を開いたまま、テーブルに置く。

そうやって外堀から埋めていくことで、
目標を達成しやすい環境ができあがります。

まとめ

悪い習慣をやめたり、
新しい習慣を身につけるときに大切なのは、
意志力ではなく環境です。

✅ やめたいときは、
　　身近に置かない、近づかない
✅ 身につけたいときは、
　　過程を楽にして、やりやすくする

環境をまずつくることで、
意志の力は関係なく、
目標を達成しやすくなります。

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この記事は、こちらの本を参考にしました↓

やり抜く人の９つの習慣　コロンビア大学の成功の科学