見出し画像

「ピアノシュラハトIV」配信をより深く楽しむ方法

先日、Pianoschlacht IV mit Kammermusik(ピアノシュラハト フォー ミット カンマームジーク)というコンサートを行いました。

全曲私が作編曲(※1)、ピアニストはベンヤミン・ヌス、企画は弊社MONOMUSIKという、ピアノのコンサートシリーズで、その第四弾です。今回はバイオリニストの室屋光一郎氏、チェリストの結城貴弘氏にも多数の楽曲で参加いただきました。
兵庫伊丹(9月14日)アイフォニックホール
北海道帯広(9月22日)とかちプラザレインボーホール
東京(9月23日)サントリーホール ブルーローズ
の三カ所で公演。東京公演は配信もあり、10月7日まで視聴可能です。

配信サイトはこちら

ピアノシュラハトコンサートシリーズの主人公、ベンヤミン・ヌス

前回「III」の公演でも、当noteに「配信をより深く楽しむ方法」という投稿をしていたのですが、そういったものをまた書こうというのが本稿です。タイトルは捻る余裕がなかったのでまんま継承しました。ただ、私が東京公演後まもなくロンドンに行く用事があって、10月2日に帰ってきたものの、この2ヶ月で20回のフライト、3.5回の長距離便の渡航(※2)、10都市の訪問、1回の罹患、その他仕事などもあったため、気力も体力も尽き果ててしまっており、書くのに大変時間を要してしまいました。なんとか配信終了前に書いておきたかったので、駆け足で書いて振り返りたいと思います(※3)。

※1 今回初めて自分以外の楽曲を一曲やりました(後述)
※2 3回の渡航のうち、1回は太平洋、大西洋、ユーラシアと東回りで地球一周したので1.5回(往復)としました
※3 原文ママ(後述)

3つの都市

Pianoschlacht IIのから9年のブランクを経て、昨年IIIを開催したのですが、お客さんから強烈に心揺さぶられる反応をたくさんいただいたので、すぐさま「IVを」と考えるようになりました。さらに私の新しい地元、3年半前に移住した士幌町の地域住民の方、とりわけ常会(一般的にいう町内会のようなもの)の方々が非常に温かく迎え入れて下さったことへのお礼と改めてのご挨拶の機会を探っていたのも重なって、東京、伊丹、帯広の3都市公演を行うことにしました。3都市全公演を訪問された猛者(お客さん)も数名いらっしゃいました。

帯広とかちプラザ レインボーホール入り口

3人の演奏者

以前、ピアノシュラハトIIでもピアノトリオをやったのですが、やはりピアノとヴァイオリンとチェロは私の神器のようなものなので、再びやってみようということになりました。

左から室屋氏、ヌス氏、結城氏

ヴァイオリンの室屋さんは、年中言っているのですが「〆切やばい、全然Recの楽器決まってないけどとりあえず抑えておいてもらって」だけでそれが彼であることがわかるくらい、いつもお願いしている方です。指名理由は「絶対に想定以上のものにしてくれるから」で、いつかコンサートでも…とずっと思っていたのが実現しました。ただ10年来のお付き合いではあるものの、スタジオでしか顔を合わせたことがなかったので、「ステージをお願いしてもいいのだろうか」という迷いがありました。後日「なんでそんなこと思うんですか!(笑)」と何度もツッコんでいただき…なんか自分の中に音楽のスゴい邂逅のようななんというかアレしてきました。

名実ともに日本を代表するバイオリニスト室屋光一郎氏

チェロの結城さんはレコーディングはもちろん、私の超絶ライフワークのユニット「IMERUAT」のライブでも本当に不可欠な演奏者で、東京、関西、札幌、室蘭、帯広、シカゴなど最小人数のライブでも必ず登場してもらっている超重鎮です(考えたら北海道今回で5度目)。演奏力、表現力、パフォーマンスは鬼のようにカッコよく、引き出し・アイデアもすごくて、それでいて我がIMERAUTの「ルフルール」を心から愛してくださっていて、トリオで参加してもらわないなんてことは想像などできるはずもありませんでした。

同じく名実ともに日本を代表するチェリスト結城貴弘氏

ベンヤミンは前回書いたのと、下記にも色々触れているので多くはいらないと思いますが、過去最高の演奏だったと思います。本人も保存版にしたいくらいだったようです。是非ゆっくり本来の「ピアノシュラハト」の視点で聞いてみて下さい。ピアノが好きな人は驚かれるのではないでしょうか。

ドイツ屈指の最強ピアニストであり私の15年来の朋友であるベンヤミン・ヌス


楽曲紹介

演奏した曲について色々書いていきます。

Etude Opus 4(抜粋)(Piano Solo)
 No.1 C-Dur "Die Glocke”
 No.2 D-Dur
 No.5 C-Dur
 No.6 d-moll “Blank”(兵庫のみ)
 No.11 Es-Dur
 No.12 Des-Dur
公演の度にますます磨きがかかっていくので、何度でも弾いてもらっていいと思わせてもらえます。どの曲も繊細で鮮烈で華麗で壮絶で、例えば「No.1」の「Die Glocke=鐘」の感じなんか見事としか言い様がありません。その他も曲も打鍵の粒が美しくて強くて、今回は過去最高級の演奏だったのんじゃないでしょうか。「まだ完成があるのか」と思いました。ちなみに帯広公演では士幌町の農家の方とか「クラシックとか聞いたことないからどんなカッコで行けばいいか^^;」みたいな方がたくさんおられたので、こういったEtudeとか難しい感じなのは受け入れてもらえるのだろうか…と心配だったのですが、後日話を伺って回ったら、それはもう本当に滅茶苦茶嬉しくなる声をたくさんもらって、その上ピアシュラメンバーの結束が強烈に固まったこともあったので、今度はもっと地元近くで、別の形でも、もちろんこのメンバーで…と考えるようになりました^^

数段階レベルアップした演奏を披露

Sanzui(Piano Solo)
 Ka
 En ~Extra part(兵庫、東京のみ)
 Zen
ベンヤミンの事務所に依頼されて初めて書いた楽曲です。「もっと難しくしてくれないか」という事務所からのリテイクをいつも思い出しますが、この言葉はその後の自分のあらゆる作曲、表現の幅を劇的に広げるきっかけとなり、またベンヤミンも二人で携わった最初の曲ということで、お互いにとってとても大変思い入れの深い作品です。東京公演では「En」のExtra partは省く予定でしたが、ベンヤミンが急遽その場で弾き始め、配信画面に次の「Zen」のテロップが出て、慌てて配信スタッフに訂正してもらった顛末がありました。しかし昨年の「III」でも感じたのですが、これはExtra partまで弾いて完成品、実は4曲組なんだなぁと。この日の演奏はExtra partから「Zen」への繋がりが秀逸で、ペダルをつなげていて、Extra partも大事な一曲やったやん!とより感じられ、また「Zen」のラストへ向けての持って行き方、最終音の切れ味の素晴らしさもあって、新しい発見だらけ。何度も演奏され磨きがかかっていくクラシック音楽のような次元に来られた気がして、改めて愛情が深まりました。

リハーサルの様子

Atmosphären(Violin + Piano)
 I/II/III
実は「スタジオでしかお会いしたことがない室屋さんには劇伴系ばかり弾いてもらっているので、こういうのも一度弾いてどう感じるか伺ってみたい」というのが選曲した理由です。また個人的な高完成度トップ5の一曲でもあり、今回バイオリニストが居るのに入れないなどあり得ない!という思いもありました。そんな個人的な思いが強かった本曲ですが、ゲーム音楽系ファンの方に、ゲー音とは真逆に位置するはずのAtmosphärenを特別気に入ってもらったというような反応をいただいたり、いやはや本当に選曲してよかった、見事に弾いていただいてよかった、の二言です^^ あとベンヤミンの演奏も磨きがかかっていて、間の取り方とか素晴らしいので是非ご覧下さい。それともう一つ、私は拍手もらいにくいエンディングの曲を書いてしまうのですが(ジャン!と終わらない)、逆に演奏空間をスッとオフって終わる二人の素晴らしさを堪能できるのではないでしょうか。

Atmosphärenを演じる室屋&ヌスの両氏

台風のノルダ(Trio)
 No.1/No.2/No.3/No.4/No.5/No.6/No.7
後年、少しずつ自己評価が高まってきて「一度トリオでやってみたいなぁ」となった劇場用アニメの曲です。ベンヤミンと室屋さん、結城さんはオリジナル奏者で揃って10年ぶりに演奏していただきました。ベンヤミンは過去に何度かノルダの演奏を提案してくれていて、その熱がNo.6の駆け上がりで感じられて「完成したなぁ!」と感じました。演奏順がピアノソロ、ヴァイオリン+チェロ、ときて、チェロが入り、それも劇伴となると、突然世界観やエンタメ感がドカーンと広がるから面白いです。それもこの三人の技術と勘の鋭さ、ニュータイプのようなコンタクト力、そのバランスの良さあってこそですが。トリオは一回できれば満足できると思っていたのですが、また機会があればやってもらいたくなりました。せっかくピアシュラのためにスコア書いたし!あとNo.7のラストを聴いて気づきましたが、当時ノルダの世界に入り込もうとして、「ノルダに惚れるよう」に努力(苦労)していたのですが、最後の最後にヴァイオリンのトップがヨナ抜きなって天井を抜ける感じになっていて、今回初めてその跡を感じることができました。

伊丹公演にて

Giant - IMERUAT(Trio)
自己ユニットのIMERUATには名曲が揃っていると自負しているようなところがある気がしないでもないのですが、Giantは我がMONOMUSIKのコンサートでの超定番です。兵庫では二部の「Mediator - Roots」の前で演奏していたのですが、帯広・東京はここにもってきました。演目順を検討していたとき、ベンヤミンが「Giantをここに一部の最後に入れるのは?」と提案したところ、室屋さんと結城さんが「それいい!」と声を揃えたので一発で決定しました。最後の2拍だけでバシッと終わらせるところで、本当に納得です。原曲をなるべく再現しようという意図もあったためチェロの休みが多いのですが、結城さんを想定した「チェロパートの活躍の場を増やしたバージョン」を考えたりもしました。が、結城さんは長い休みでさえ素晴らしい音符になる方だし、ラスト前パートのフレーズなど待ちに待った感もあるし、余計なことせんほうが…となったり。これにMinaのコンテンポラリーダンスを加えたライブ、またやりたくてしゃーないですね。

「ずっとずっと前から知っていたような」…のトリオ

ー休憩ー

緒〈てがかり〉(Trio)(作編曲:濵渦 斐音 / 帯広、東京のみ)
私の長女が書いた曲です。プログラムに意味深っぽいことを書いていますが、私が作曲を志した理由は「ぼんやり思いつくけどどうも存在しないらしい曲を聴いてみたい」というところからだったはずで、それはゲーム音楽でも同じで「こういうの試してみたい」というのが動機でした。ただ「完成して具現化」ができた時は嬉しいと同時に「作りたい理由」を一個失うということでもあり、「理由の在庫」が尽きる前にどんどん補充していかなければならないという問題があります(笑)。そのトドメのようなものを「自分の外」から受けた楽曲がこれで、越権かもしれんと思いつつ紹介したいと思いました(本人にも確認しました)。その意図までも理解しつつ、全力で完璧に演奏してくれた三名から確認させてもらったのは、結城さんがXに書かれていた「初めて3人で一緒に音を合わせた瞬間、ずっとずっと前から知っていたような…」でした。自分的に得られたものは大きく、また公演後にメンバー全員の「ピアシュラロス」の熱から「作りたい理由」が大幅に在庫補充されていて二重に驚きました。楽曲については長女がスコアソフトを持ってなかったのでスコアリングの手伝いと、途中の16分音符のヴァイオリンとチェロの分割の提案のみしましたが、全音本人が書いています。生物や植物が好きで農学系の大学に進むなど、本人は作曲の世界に進むつもりがあるかどうかはあまりよくわからないのですが、リハ・本番ではいたく感激していたようです。演奏者の皆さんへのお土産も用意してきて、「賄賂です(笑)」と楽屋を回っていたのが印象的でした。あとは本人が解説した方がいいと思うので、また機会があればと思いますが、とにかく「いい自由さ」を感じました。

和気藹々の東京公演のリハ、「緒〈てがかり〉」の熱演後

クラシカロイド

 モツ 華麗にジャンプ
 平穏な日常
 みなさん、ご無事で?
大好きなアニメ劇伴です。サンライズさん系のお仕事は「貧乏神が!」や「くまのがっこう」、「アイカツ」などとにかく明るく元気な世界観が多く、やっててどれも楽しくて「自分は暗い曲が好きだったが、それは聴く方で、作るのは明るい方が好きだったんか」と気づかせてもらえました。自己ユニットのIMERUATやオリジナルピアノ曲なんかも、実はメジャーコード系の曲が圧倒的に多いんですね。「モツ 華麗にジャンプ」をトリオに編曲しているときも、原曲を分解しながら「これ相当楽しんでたな」と思い出してました。単純明快に聞こえて結構色々やっていた形跡があり、大好きなモーツアルトの「魔笛」のフレーズを引用したり、ラストのちょっと斜め且つハデなカデンツなんかも主人公のモツらしくて、キャラ表をずっと眺めながら内面を引きだそうとしていたのをよく覚えています。「みなさん、ご無事で?」の最後のベニーの表情は必見です^^

クラシカロイドスタッフ一同様よりお花と一緒にいただいた凄いもの…スタジオに飾ります!

ポレットのイス(Trio)
 イントロダクション
 ポレットのイス
 10年の歳月
 お引っ越し
 空飛ぶイス
本公演の曲順で追っていくと、個人的に「キター!」な感じです。劇伴系で最高の完成度と自負していいはずかもしれないとも言えなくもない「ポレットの世界観の奥まで描いたピアノアレンジ版」にヴァイオリンとチェロを載せ、劇伴版の要素を存分に再現してのさらなる完成形ができました。これだけでも感無量なのですが、オリジナル演奏者の室屋さんをお迎えしての初めての演奏で、10年前に初めて室屋さんを指名して録音し、お互い滅茶苦茶よく覚えていたという作品でもあり、別録りながら、このときのピアノもベンヤミンもいて、それでもって楽曲の中に「10年の歳月」という曲があって、何というか本当に感慨深いです。しかし三人の呼吸の合い具合、極まってますね。ポレットの友達の笑い声が聞こえてきます。

↑動画の最後、スタッフクレジットにベンヤミンと室屋さんの名前が!

極北の民 - FINAL FANTASY X(Cello + Piano)
結城さんの真骨頂を堪能していただくべく、スコアの主要部は非常に単純明快にして存分に演じてもらえるように、また展開部は結城さんらしさをグイグイと引き出せるように緩急をつけて書きました。ピアノコレクション FINAL FANTASY X版を元に改造したのは、構造をよく知るベンヤミンはより上の演奏を目指せると目論見もあったからですが、展開部の極めて表情豊かな演奏を聴いてここはサビへ向けて必要不可欠だった!と感じました。書いて良かった。コロナでそもそも選曲を諦めかけてたくらいで^^; 持って行き過ぎなくらい評判がよかったですが、まさに全身全霊、これこそ表現!といった演奏だったと思います。

本当に大好評でした

襲撃 - FINAL FANTASY X(Piano Solo)
Feldschlacht V - サガ フロンティア2(Piano Solo)
希望与えし「戌吠の神楽」 - シグマ ハーモニクス(Piano Solo)
ゲーム曲ピアノソロ三連発です。「襲撃」:極北からのFFX繋がりで、且つ一転、憎らしいまでの軽快さに切り替わる流れが最高で、これがまたベニーの手にかかると…「どんだけパクられようがこの演奏のヤバさはどうやっても奪えんだろう」とふと思ってしまいました(笑)。Feldschlacht V:鎮魂歌って感じのアレンジで、戦闘曲と戦闘曲の間に戦闘曲を挟んでるのに、うまいこと存在してくれてる、フェルトシュラハトは生きているなぁ…と思いました。「希望与えし「戌吠の神楽」」:「十勝でウケがよかった、再演してよかった!」とか「ベニーはまた完成度を数段階上げてきてヤバいなぁ」などと感じました。

強烈な演奏をしながらキュートな表情を見せてくれるベンヤミン

Mediator 〜 Roots - 不滅のあなたへEnding Theme(Trio)
今回のコンサートでは15曲の新アレンジがありますが、完全に一から起こしたのはこのメドレーのみです。近年の自分の中で希に見る快作の二曲だったので原曲に負けじとかなり力を入れたのですが、コロナに初罹患して完成まで時間がかかってしまいました。しかし打ち込みデモが完成したときは相当気に入って、自スタジオ(農業倉庫二階を改造した五畳部屋)で、熱発で咳き込みながら30回以上はエア指揮を振って喜んでいました。と言っても真っさらなアレンジで、公演までの理解するための時間が少ない…というのは大きな心配材料でした。が、「ずっとずっと前から知っていたような」三人、伊丹の前日のリハで強烈なスピードで形になっていくのは滅茶苦茶堪えられない瞬間、すごい経験で、シュラハツ誕生の瞬間でもあったと思います。アフタートークで話していたように私も途中から指揮で参加しましたが、あれは皆にテンポを把握してもらうためでもありましたが、曲のイメージを伝えたかったこと、何より私がノッてしまっていたことが理由です。そして実は一カ所仕掛けを施しているのですが、関係者以外、絶対に誰も気づけないようになっています(何の意味があんねんって話ですが、いつかの楽しみのネタとして振らせていただきました^^;)。他のピアシュラの曲がそうであったように、これもさらなる完成形を期しています。「Roots」は「死後、現世に戻ろうと時間を巻き戻すなり足掻いている」という自テーマがあるのですが、今度は「これを聴くために」という理由を追加する目標を、これを書いてて立てようと思いました。三名の演奏者と一名の社長にも伝えようと思います。

!!!

閃光 - FINAL FANTASY XIII(Trio)
兵庫、帯広、東京、それぞれで最強の閃光が生まれたとファンの方から声をいただいています。特に帯広が壮絶だったという声が多いです。室屋さんの「超えてくる決意」と超えてきた3公演3様の結果に心をめちゃくちゃ打たれました。結城さんには旧バージョンではラストの低域部分を高音で暴れるインプロヴィゼーションをしてもらいましたが、これは必聴です。ただ残念なことに、ここの最強のパフォーマンスが配信映像に映っていない…。これはもうマイクを立ててライブ録音盤を拵える機会を作らなければならないと思います。ベニーは総指揮の重責も担ったような演奏で、こちらも見逃せないです。あと最後に室屋さんと結城さんが同時に髪をバサッと振り上げるシーンも必見です。ところでちなみに士幌では若い農家さんや駐在さんも「閃光」を知っていました。いろんな意味で「閃光」は強いです。

作り上げていく瞬間の連続というものは堪らないです

Mißgestalt - サガ フロンティア2(Piano Solo)
やはり最後に持ってきました。実は帯広では一部の最後に持ってくる案もあったのですが、ベンヤミンが残った力を全部出し切る曲なので…ということでやはりここに持ってきました。さすがベニー、本当に完成度高まったと思います。トリオ曲を多数用意したり、室屋さん、結城さんという竜虎を招聘したり、見所が増えたにもかかわらず、やはり必ず「ピアノ」シュラハトにするところには脱帽するしかなかったです。

天才とはこういうことか

ルフルール - IMERUAT(Trio)
歌抜きでは初めてなので、インスト版としてアレンジしました。ピチカートを入れたり、最後の展開を膨らませたりしています。自分で言うのは本当にアレですが、IMERUATはやはり心血とか色んなものを注いでやっただけはあるかもしれないような気がしないでもないと思いました。オリジナルすぎるユニットなので、見えてなかったところもあったかもしれません。まさか最強のラスボスになってくれるとは思いませんでした。オリジナル奏者ではありますが、室屋さん、結城さんはやはりここでも何かを超えてこられます。結城さんには何度かお話を聴いていたのですが、アフタートークででもお話して下さるとは思っていませんで、結城さん風に言うなら「ホント、めちゃくちゃ…!嬉しかったです」。皆さん、今後もまた必ず、何度も演奏をお願いします!

最後の挨拶では三公演とも「空気壊したくない」という気持ちでいっぱいでした(笑)

<アフタートーク>

浜渦正志、ベンヤミン・ヌス、室屋光一郎、結城貴弘
進行:Mina (IMERUAT)
スペシャルゲスト:ルードヴィヒ・ヌス(トロンボーン)
東京公演の終了後に行われたメインメンバー5人でのトークショーです。色々語っていますが、ベンヤミンのボケに全員でイスから転げ落ちるシーンを是非ご覧下さい。配信サイトはこちら(10月7日まで…!)。

ヤシャス山 - FINAL FANTASY XIII(Tb + Piano)
ベンヤミンのお父さんのルードヴィヒ・ヌスさんはドイツで活躍する名トロンボーン奏者です。二人の即興演奏は一曲だけでも聴く価値があります。終演後、ベンヤミンは「お父さんが僕のコンサートで感動して泣いたのは初めて…!」と言っていました。

すばらしい即興演奏!貴重なトロンボーン・ヤシャスを是非ご視聴ください

終演直後談A

「ピアシュラロス」という言葉がメンバー全員の口から出ています。本当に全員の口から。お客さんからの反応もかつてないほどでした。これまでと全く違った客層の十勝での反響も後押しになっています。と、棒読みのような箇条書きですが、この畳みかけによって「Pianoschlacht IV Reverse(仮)」という単語も生まれました。何より、クラシックコンサートのようなものが初めてで、会場までいらしていただいたのに敷居が跨げず帰られた80代のご近所さんに届け直すために…!

ロス解決のために?東京公演後、早くも深夜3時過ぎまで盛り上がっていたメンバー

終演直後談B
舞台裏で室屋さん結城さんが「(伊丹公演で)弦が切れてたって投稿がいくつかあったらしくて…」と話していて、私も「らしいですね」と。そして全員で「弦切れたら弾けない(笑)」。正しくは弓の毛ですが、でもこういう言い方はしてしまいがちですね^^

何かを得たようでした

終演直後談C
帯広での前日リハの夜、地元の焼き肉チェーン「平和園」で全員で中間決起会のような食事会をして大いに盛り上がったのですが、企画・運営・宣伝・経理・物販・在庫管理から配信手配・ポスター貼り・運転手・ピアノの蓋の開閉・場内アナウンス(帯広)まであらゆることを一人でこなしてパンク寸前だったMinaが、なぜか肉ばかり大量に注文してしまい(野菜は少量)、翌日「なぜ野菜をもっと頼まなかったのか…!」とずっと後悔していました。この日は私の誕生日の翌日で、Minaがサプライズのケーキを用意してくれていたのですが、それを持ってきたとき他の3名よりも私が最初に気づくくらいの段取りだったり、疲労がピークを越えていたようです。翌朝、案の定全員軽い胃もたれを起こしていたらしいのですが、その日のMinaが用意したケータリングの昼食は十勝名物豚丼。肉攻めをしてしまった後悔を全公演終演後の打ち上げで話していたのですが、「めちゃくちゃ美味しかった!」「肉パワーが!」「それこそその時々の状況は一期一会のようなもので」「だからこそ出来る演奏が」みたいなフォローが飛び交い、それがあの壮絶な「十勝の閃光」に繋がったという話にもなって、大変救われていました。さらに室屋さんは「ミナさん何人いるんですか?ってくらいなんでもやっていて。こっちもよし頑張ろうと(笑)」とまで。Minaは「何度もくじけそうになったけど報われる!」と感激しきりで、「次の企画に繋がる!」と決意を新たにしていました。MinaはPianoschlacht IV mit Kammermusikの真の主役でもあったと思います。そしていずれまたIMERUATのライブで真ん中に立つはずです。

ケーキ持ち込みOK、肉切り用包丁まで貸してくれました…さすが十勝

気づいたら長文になってしまいました。ただ駆け足で書いたのは確かです^^; 最後までご覧いただきありがとうございました!

東京公演でいただいたたくさんの素敵なお花
帯広公演後、士幌町の私が入会している常会の皆様からいただいた立派なお花の前にて

ご来場、ご視聴下さった皆様、スタッフ、関係者、演奏者の皆様にも心からお礼申し上げます。

追記
そろそろ有料定期マガジンを開始しようと思っていますので、チェックよろしくお願いいたします!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?