ボクシング競技再開に向けて~ガイドラインを読む~
昨日、ボクシングの全日本選手権の開催の方向性が発表された。
開催にあたり、タイトル写真のようにかなりの人数がひとつの場所に集まる。そこで、日本連盟からガイドラインが発表されたので、そちらを見ていこう。
ガイドラインでは初めに、日本ボクシング連盟 内田貞信会長が
スポーツとは「する人」「見る人」「支える人」がいて成り立つものであります。「する人」がいなければ、スポーツを通して国民を勇気づけることは不可能です。スポーツの力は、国民の疲弊した心を癒し勇気づけることができると信じております。まずは、「する人」が練習できる環境に戻れることを最優先しなければならないと考えました。
大会を心待ちにしている選手や指導者の皆様が、一日も早く競技に戻れ
るよう祈念いたしますとともに、このガイドラインがその一助となれば幸いです。
とても選手ファーストの立場の言葉であり、かつて世間を賑わした連盟の姿ではないと思う。
競技再開における基本的な考えかたとして
激しい呼気や大きな声を伴う運動については、飛散するエアロゾルに含まれるウイルスを原因とする飛沫感染、接触感染による、クラスター発生の可能性が指摘されている。社会的距離(ソーシャルディスタンス)を保つための入場制限や誘導、手指の消毒、十分な換気、マスク着用等の対策の徹底と、「三つの密(密閉・密集・密接)」を避ける基本的な感染防止対策が必要である。
また、競技会の再開に関しては、クラスター発生時の社会的な影響は大きい。
しかしながら、この感染症の収束は一朝一夕で得られるものではない。我々は、暫くの間、コロナウイルスと共に(ウィズコロナ)生きていかなければならない。その中で、どのように競技を再開し、心身ともに健全な選手を育成していくべきか。本稿がその一助となることを願っている。
競技や大会の再開で、クラスターの恐れはあるが、共存共栄していくしかないと述べられている。
とても、ボクシング競技再開に向けて前向きな対応をしようというのが感じられる。
また、ガイドラインではとても細かい配慮と専門性の高い内容になっており、「練習の再開」と「大会の開催」に分けて明確に書いてある。
2. 「競技活動再開」の判断
2-1 各施設における練習の再開に関して
2-2 大会の開催の可否に関して
2-3 全国大会レベルの開催に関して
3. 「練習活動」における感染防止対策
3-1. 練習時の感染予防
3-2. 練習環境の密閉の回避
3-3. 練習時の密集の回避
3-4. 練習時の密接の回避
3-5. 施設・設備・用具の消毒
4. 「競技会開催・実施」時の感染防止策(主催者向け)
4-1. 全般的な事項
4-2. 競技会参加募集の対応
4-3. 参加受付・検診計量時の対応
4-4. 競技会参加者への対応
4-5. 競技会主催者が準備すべき事項
4-6. 選手がウォームアップを行う際の留意点
4-7. 試合を行う際の留意点
5. 「競技会開催・実施」時の感染防止策(施設管理者向け)
5-1. 全般的な事項
5-2. 施設の予約時の対応
5-3. 当日の利用受付時の対応
5-4. 施設管理者が準備すべき事項
5-5. 利用者が順守すべき事項
5-6. 利用者が競技を行う際の留置
例えば、
練習環境の密閉の回避
□屋内で練習する場合は、「換気」に注意し、窓を全開にして活動するか、少なくとも 1 時間に2 回以上は換気を行い、2方向の窓を数分間は全開にして、風の流れを作る。
□屋内の練習場所で、窓が1つしかない場合は、入口のドアを開けて風の流れをつくるとともに、扇風機などを活用して換気効率を高める工夫を行う。
□窓がない施設で練習する場合、換気設備が確実に作動しているかを確認する。なお、空気を循環させているだけのエアコンで換気が行われない場合は、別途、換気を確保する。
練習時の密集の回避
□スペースと人数の関係で、一斉に活動したとき、基準となる2メートルの間隔を保てない場合は、活動に時間差を設ける、活動時間を分散するなどして、必要な間隔を確保する。
□シャドーボクシングを行う場合、活動スペースを明確に区切り固定し、そのスペース枠を考慮したうえで、適切な距離を確保する。
□ロードワークを行う場合、前後(左右)の選手の間隔は、5メートルから 10 メートルの距離を確保する。マスクの着用でのロードワークを推奨するが、熱中症などのリスクも考慮し柔軟に対応する
練習時の密接の回避
□対人練習は、ボクシングという競技性を考慮すると、必要不可欠なものであるが、練習そのものが「密接」したものであることを理解する必要がある。そのため、必要最小限に止め、対人練習に使用したグローブやヘッドガード、ミットは練習終了後、消毒する。
□ミット打ちは、ミットを受ける者は、マスクを着用する。選手においては可能な限りマスクを着用するが、熱中症や呼吸困難を招く可能性もあるため、柔軟に対応する。接触による怪我のリスクもあるので、フェースシールドは推奨しない。
□スパーリング、マスボクシング、ミット打ちなどの対人練習を行う際に、相手が次々と入れ替わり、多数の濃厚接触者が発生するような組み合わせは避ける。練習相手が変わる際には一旦用具の消毒などを行う。
□練習中のうがいは洗面所に行き隣との距離を置き飛沫を飛ばさないように静かに行う。
□共用のペットボトルでのうがい、共用のバケツへの排水はしない。
□練習中にうがいや給水タイムを設け、給水は練習会場に各自のバッグの中に入れた個人所有のペットボトルを使用する。
一部抜粋した内容であるが、かなり詳細にかつ専門性の高い内容になっているのがわかる。
選手ファーストであり、安易な考えで再開を検討したのではないという本気度が示されているように感じる。
詳細については、ガイドラインを熟読して頂きたいが、
個人的に指導する側が気を付けたほうが良い点は、
「激しい練習による疲労」と「減量」です。
どのスポーツでも激しい練習はつきものですが、体重区分のある競技には減量が必ずついてきます。
恐らくこの流れでいくと11月の全日本選手権の予選会が、早ければ2か月後の8月に開催される可能性があります。そうなれば、減量は1か月後に始める選手もいるはずです。
つまり、自粛期間中に十分な練習ができていない選手が、真夏の酷暑の時期に、激しい練習と減量をするリスクを十分に考慮しなければいけないと感じています。
では、長くなりましたので、今日はこの辺で。
最後までお読みいただきありがとうございました。
はまくん
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