禁煙に続くトレンドは禁酒か?お酒をやめて9ヶ月で見える世界。
最近は行動経済学とか進化心理学みたいなものが発達してきたおかげで、いかに人間の本能をハックして仕組みを作り出すか、という方法論が確立されてつつある。WebマーケティングとかSNSの仕組みは世界のそういった本能ハックの最先端研究が日々投入されているわけだ。
誘惑と中毒で成り立っているビジネス、その仕組みの最も古いものはなんだろう。それは人類史上最古であって、現代に続くものでもある。
「飲む」、「打つ」、「買う」というやつだ。
翻訳すると、「酒」、「博打」、「女遊び」。
この3つの中で比較的オープンになっているものが、「飲む」だろう。他の2つと比べて性別による違いも少ないのがこれだ。(ギャンブル依存症は男性の割合が女性に比べて2倍位になるようだ。これはサバンナ原理で説明できるがそれについてはまた別の機会に。)
依存の対象になるのは酒だけじゃなく、その他の嗜好品、ゲーム、動画など様々なのだけど、今日はこの人間の欲望を刺激する商品のなかで、古来から続くお酒について考えてみたいと思う。
依存症の代表、お酒
そもそも、みんな酒のことを「お酒」と呼ぶけど、そんなに偉いものなんだろうか?崇め奉り過ぎじゃないだろうか。
日本は特に宗教的な制限もないため、お酒は非常に簡単に手に入る。庶民でもお酒がどこでも買えるというのはイスラム教の国以外では割と普通の光景のようだ。
ミャンマーは販売が禁止されているわけではないが、仏教国であるという建前からか、お酒そのものを全面に出した広告は禁止されている。ブランドロゴは町中でもよく見るのだけど。。。
どんな国においてもそうだが、酒は依存症の象徴というか、身を滅ぼす原因の一つとして広く認識されている。『ナニワ金融道』、『闇金ウシジマくん』、『カイジ』、あたりの貧困者が題材の作品を読んでいると、搾取される側にいる人間は必ずと言っていいほど酒好きだ。
ちなみに、日本ではその日暮らしの短期労働者が多い地域ではお酒の値段が他の地域よりも高く設定されていることもあるらしい。依存症の人間は酒を買わざるを得ないから、多少高くても買ってしまうのである。取れるところからは取るというのはビジネスとしては正しいだろう。
そう。「キンキンに冷えてやがるっ・・・!!」には抗えない。
飲食ビジネスの基本、お酒
依存症ではなく、特にお酒に支配されているわけではないと思っている人間でも、居酒屋に行けばとりあえず一杯600円くらいのビールを頼んでいるのに疑問を感じることはないだろうか。
普段は100円のペットボトルで水を飲んでいるような人でも、その5倍も6倍もする値段のビールを簡単に注文する。意外とここに疑問を感じないのが人間で、みんながそのようにしていると、そんなものかと納得してお金を払ってしまうのだ。
飲食ビジネスにおいての稼ぎ頭はお酒。飲み放題なんかもあるけれど、水よりも安い原価のシロップ入りの、決して体に良くないものを、あんなにも大量に摂取する理由は果たしてどこにあるのだろうか。多分理性的に考えれば飲まないという選択をするだろうに。
広告による誘惑
ビールの広告を見ない日はない。広告の頻度としてはピカイチなのではないだろうか。美容、英会話、ビール。電車内にある広告ってだいたいこの三種だ。(はまー調べ)
ターゲットはサラリーマンであることは明白で、日々仕事で疲れているサラリーマンがハメを外せるように、手助けをしてくれるのがお酒なのである。みんな、居酒屋に行ってとりあえずアイツを頼むのは、日々の広告によるサブリミナル的な効果によるところが大きいのではないだろうか。
とある調査によると(確かアメリカだったと思うが)酒の宣伝費用は1971年から2011年までの40年間で60倍近くに増えた。特にここ数年での、電子媒体を使った広告費の伸びは著しいとのこと。確かに最近はネットしていてもビールの広告はよく見る気がする。
もしもこの世界からお酒がなくなったら
さて、本題は、この世からお酒がなくなったら?という思考実験をすることだったのだけど、だいぶ長文になってしまったのでまたの機会に続きを書くことにする。
僕は一年前からお酒のない生活をしているが、こんなふうにすんなりみんながやめられるものなのだろうか。。。?も含め。
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