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つらつらと読んだ本の備忘録なんかを。

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利他とは「うつわ」のようなものと考えるとスッと腹に落ちる

『「利他」とは何か』 伊藤亜紗、中島岳志、若松英輔、國分功一郎、磯崎憲一郎著 何かと聞かれると何なんでしょう。 ・コントが利他主義と言った時、この言葉は、「利己主義」に対置される言葉として想定されていました。コントにとって利他主義とは「他者のために生きる」こと、つまり自己犠牲を指していたのです。(伊藤) ・効果的利他主義の理論的支柱となっているのは、哲学者のピーター・シンガーです。彼は、効果的利他主義の原則を、端的にこう述べています。 「効果的な利他主義は、非常にシンプル

    • うしろめたさから生まれるつながり

      『うしろめたさの人類学』 松村圭一郎著 うんうん、、 ・構築主義という考え方がある。何事も最初から本質的な性質を備えているわけではなく、さまざまな作用のなかでそう構築されてきた、と考える視点だ。よく挙げられる例は、「ジェンダー」だろう。男性は生まれた時から「男らしさ」を持っているわけではない。社会の制度や習慣などによって「男らしさ」を身につけてきた。だから「男らしさ」は社会的に構築されてきた。 ・贈り物というのは、与えなくてはならないものであり、受け取らなくてはならない

      • そうそう、誰もが『いつか来る死』

        『いつか来る死』 糸井重里・小堀歐一郎著 しみる、、 ・「死は『普遍的』という言葉が介入する余地のない世界である」(小堀) ・患者が食べ物や水分を口にしないのは、老衰でものを飲み込む力がなくなったから。食べたり飲んだりしないから死ぬのではなく、死ぬべきときが来て食べたり飲んだりする必要がなくなった、と理解するべきだということ(小堀) ・退院しても通院を選び、その途中で亡くなると、そうなってしまいます。患者本人と一緒に家族も最期のための心の準備をしていく。でも通院の予約

        • Keep thinking

          『ブロークン・ブリテンに聞け』 ブレイディみかこ著 うーむ、、 ・目を引いたのが「ステーキの焼き方」である。しっかり中まで焼いたウェルダンが好き、と答えた人は(EU)離脱派で約23%。他方、残留派では12%だった。残留はの間ではミディアムレアが人気だった。 →この手の想像って凄く好き。残留派は、ビーガンが多いとか。 ・マルクスの墓周辺に監視カメラを設置する案も検討されているようだ。「監視資本主義」なんて言葉が流行する時代に、『資本論』を書いた人の墓も文字通り監視されるこ

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        記事

          生きているだけで儲けもんでいいじゃないか

          『武器としての資本論』 白井聡著 ふんふん、、 ・新自由主義、ネオリベラリズムの価値観とは、「人は資本にとって役に立つスキルや力を身につけて、はじめてかちが出てくる」という考え方です。人間のベーシックなかち、存在しているだけで持っている価値や必ずしもカネにならない価値というものを全く認めない。だから、人間を資本に奉仕する道具としか見ていない。 ・デビィッド・リカードの「賃金の生存費説」という学説を参照する必要があります。賃金の生存費説とは、「労働者の賃金水準は、労働者自

          生きているだけで儲けもんでいいじゃないか

          デジタル時代の新たな万有引力とは

          『ソーシャル物理学:「良いアイデアはいかに広がるか」の新しい科学』アレックス・ペントランド著 へー、、 ・研究の結果、ケリーはスター(優れた研究者)たちが「準備的探究」と呼ばれる活動を行なっていることを発見した。どういうことかと言うと、彼らは事前に専門家たちと双方向的の関係を築いており、自身の研究において重要なタスクを実行する際に、その関係に頼っていたのである。 ・他人との深い関わりを精力的にこなす人々は、より双方向型の会話をする傾向にあり、結果としてソーシャルネットワー

          デジタル時代の新たな万有引力とは

          リーダーシップとは何か?

          『採用基準』 伊賀泰代著 なるほどなるほど、、 ・リーダーがなすべき四つのタスク  「目標を掲げる」「先頭を走る」「決める」「伝える」 ・リーダーの基本動作  「バリューを出す」「ポジションを取る」「自分の仕事のリーダーは自分」「ホワイトボードの前に立つ」 ・一方で大企業には、大量の優秀な人材が在籍しているにもかかわらず、何年も利益が出せず、部門の年間目標が、何年もコスト削減であったり、ポストが足りないために部下を持てず、マネジメントの経験さえ積めないまま四〇代になっ

          リーダーシップとは何か?

          自他の「ついで」における互酬性

          『チョンキンマンションのボスは知っている アングラ経済の人類学』 小川さやか ふむふむ、、 ・相手が何者で何をして稼いでいるのか、なぜ彼/彼女は私に親切にしてくれるのかといった問いと切り離して、共に関わりあう地点を見つけられるのは、彼らが商売の論理で動くからである。逆説的に聞こえるかもしれないが、誰もが、俺たちは金儲けにしか興味がない、金を稼ぐことは良いことだ、俺たちはどんな機会も自らの利益に換えてみせると公言しているからこそ、気軽に助けを求められるのだ。相手の求めを以下

          自他の「ついで」における互酬性