Keep thinking

『ブロークン・ブリテンに聞け』 ブレイディみかこ著

うーむ、、

・目を引いたのが「ステーキの焼き方」である。しっかり中まで焼いたウェルダンが好き、と答えた人は(EU)離脱派で約23%。他方、残留派では12%だった。残留はの間ではミディアムレアが人気だった。
→この手の想像って凄く好き。残留派は、ビーガンが多いとか。

・マルクスの墓周辺に監視カメラを設置する案も検討されているようだ。「監視資本主義」なんて言葉が流行する時代に、『資本論』を書いた人の墓も文字通り監視されることになるらしい。ビッグブラザーがマルクスの墓を見ている。
→www

・労働者階級の政治理念やコミュニティが「時代遅れ」とされ、グローバル資本主義で散り散りになった労働者たちは、気にかける対象を失った。そして、実存しない抽象的なものをケアし始めたのだ。それが「我々の国家」であり、「未来の世代」である。
・自己責任じゃねえよ、自主自律だよ。だから、左派は、自主自律の精神を捉えなおしてラディカルに再生せよ。

・デヴィッド・グッドハートは、『The Road to Somewhere』という本の中で、この対立は、「Anywheres」(リベラルで高学歴で地域コミュニティとの繋がりが薄い人)vs.「Somewheres」(保守的で地域コミュニティにしっかりと根を張っている人々)であると書いた。しかし、これも今になってみるとおかしいと思う点があり、それは「Anywheres」ほど実は地域コミュニティと関わりが強いということだ。例えば、リベラルで高学歴の人々は地域コミュニティでも有力者であることが多いし、草の根のチャリティーや社会活動が盛んな英国では、こうした運動を支えているのも圧倒的にオープンでリベラルな考え方を持つ人々である。
→二つに分けて考えるのは、分かりやすいが、危険性を想定していないといけないな。

・ポピュリズムという言葉の起源(19世紀末の米国南部や西部で盛り上がった農民運動から結成された「人民党(ポピュリスト)」から来ている)を考えれば、これはおかしな話だ。「農民運動」は「詐欺師」の同義語ではない。「ポピュラリズム(人気主義)」と「ポピュリズム(人民主義)」の混同がいま世界にシリアスな災厄をもたらしていないだろうか。

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