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感謝してるね、を、あの手この手で、手を替え品を替え。

 いつも同じようなことばかり言ってしまうので、なにかこう、もっといい表現とか絶妙なタイミングとかそういうのがないかなって考えている。
 曲がりなりにも作詞家なので、そういうことが仕事だったりもするのだけど、しかしまあ、折に触れて呆れるほど出てくる気持ちの真ん中はいつも同じ、「ありがとう」の5文字で済んでしまうようなことで、ほんと「ありがとう詐欺師」だよなあと、ふと振り返って笑ってしまった(そういえば、「ありがとウサギ」なんてキャラクターがいたなあなんて思い出しながら)。

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 昔から、人と争うのが苦手だ。といって、よくある親世代の教育観みたいなもので例外なく「勝て勝て負けるな」と言い聞かせられたこともあり、妙な捻くれを持った時期もある。そういうものが私の中に今も残っていないといえば嘘になる。
 コンプレックスを経験したり、ひそかに優越感に浸ったりする自分も知っている。人並みじゃないという引け目もあれば、ある部分では人と違って悪目立ちすることの気まずさ、孤独感もある。そういうものに「アイデンティティ」と書いたラベルを貼って、孤高に逃げ込んだこともある。

 そういう道を通りつつ、やっぱり、生来、競争するのが苦手な私がいて、自分が一番楽な道を探した時に最後まで残るのは「ありがとう」だった。そんな気がする。


 ごめん楽したいだけなんだ。勝ちに行くより好きを伝え合うほうがずっと心地いいことに気づいちゃったんだ。褒められるより褒める方が、注目されるより自分がなにかに熱量を向けていることのほうが、その瞬間の自分を好きでいられるってわかっちゃったんだ。

 たぶん、もう少しぎすぎすした自分だったころ、自分みたいな人とは仲良くなれなかった気がする。
 自分が友達になりたいと思える自分でいられたらいいなと、今は思う。


 社会的成功を得るにはあまりに向かない気質なのかもしれないけど、今は、この自分でよかったなあと思っています。

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