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静岡県のサウナ① RAKU SPA Cafe 浜松 2/2

 一通り、まずは、のサウナを終えて、私は休憩スペースに来た。
 ここには、開けた食事スペースもあって、私たちがお昼ご飯がてらそこへ集まるのにちょうどいい気がしたから。
 ここでは無料の水に加えて、コーヒーも無料で提供してくれるのだが、それがとてもありがたい。それに種類豊富な食事メニューも、見ているだけで楽しくなる。
「あ、一ノ瀬さん」
 今到着した様子の千種くんが、わざわざ私が座っているところまで来て声をかけてくれる。
「もうサウナ行ってきたんですか?」
「うん、行ってきたよ」
「お早い…。僕ちょっと、館内着に着替えてきますね」
 そういって彼は浴場のロッカーへと向かっていく。

 そんな彼と入れ違いに、私と同様に第一陣のサウナを終えた浦口さんがこちらへとやってきた。
「もういらしたんですね」
「はい。コーヒー飲んでました」
「いいですね、私ももらおうかな」
 やはり、フリーコーヒーは需要が高いように思う。まあ、それだけ、入場料が高くなるのだろうけれど。わからないけど。
 コーヒーを淹れて戻ってきた浦口さんが、長方形の机の真向かいに座る。
「水風呂2種類あるの、すごくいいですね」
「ですよね。毎回選べるのが、ちょっとうきうきしちゃいます。もう35にもなってうきうきとか、なんか恥ずかしいですけど…」
「いや、わかります。私も同じですから。でも、歳は1つ下ですけどね」
 私たちの座る位置は誰が決めたわけでもないけれど、長方形の机であれば、決まって私と浦口さんが向かい合って座る。
「あ、浦口さんももう来てたんですね」
「あら、千種くん。こんにちは」
 館内着に着替えて戻ってきた千種くんは、自然と私の隣に座る。
 そして、もうあと一人。
 藤さん。
 彼女はいつも千種くんの真向かいで、浦口さんの隣に座る。なんとなく、定位置みたいで、私は気に入っている。
 不思議なもので。
 グルーピングとか、決まりごととか、結構苦手な方だったのに、今ではこれが落ち着くだなんて。
 受動的で指定されるグルーピングと、能動的に望んだグルーピングとの捉え方の違いだろうか。
 いや、そんなことじゃないんだろうな。

「私、最後ですね。こんにちは。千種くん、今日早いのね」
 裏口さんが猫舌だからと、でもなぜか、いつもにも増してコーヒーをゆっくりと飲み終わった頃、館内着に着替えている藤さんが席へとやってきた。
 いつ来たのだろう。見つけられなかった。
「まあ、ちょっと前に来たばかりなんだけどね」
「そっか。私、お腹空きました。お昼にしません?」
 藤さんと千種くんは、私と裏口さんよりもだいぶ歳下のはずで、26くらいだったかな。どちらかが年上だったはず…。
「ね、一ノ瀬さん」
「うん?そうだね、お昼食べよっか」

 ここでは全て、手首に巻いたバンドで購入できて、帰り口でまとめて清算できる。
 食事も、バンドでそれぞれに注文し、私たちは席に戻る。
「一ノ瀬さん、安定の生姜焼きですね」
「まあ、なんかいつもそうなっちゃうんだよね」
「ここのはどうです?」
「ん?そうだね、美味しいかな」
 私は好きだったりする、こんな中身のない話が。
 なんていう時間をのんびりと過ごす。

 そしてご飯後は大体いつも自由で。
 各々のペースでサウナに行って、休憩スペースで置いてある漫画を読んだり、持参する小説を読んだり。
 休憩の時間が合えば、近くに座って読むこともある。しゃべりやすいところに行って雑談に花を咲かせたりも。…別に花は咲かないか。
 今日はみんな、このフリープランの中には岩盤浴も含まれているので、そっちにも行ったり。でも私はなんとなく、汗をかいた後の館内着を、岩盤浴後も着ているのが嫌なので、岩盤浴は最後のサウナ前に行ってみることを早々に決めたけれど。

 そんなふうに時間を過ごして、また集まる時に夕食を食べて、そして解散をする。
 それがいつもの流れで。

 今日もあいも変わらずに、そんな感じ。

 夕食の時も、自然と定位置に座って。
 居場所に溢れた時には気が付かなかった何かを、私はここで埋めているのかもしれないな。なんて思ってみる。
 居場所の確約、みたいな大きなことじゃないけれど、なんかそんな感じの何かも確かにある気がして。
 そんなことを今日はちょこっと感じながら、帰宅する浦口さんと藤さん、サウナに向かった千種くんと別れて、私は岩盤浴へ向かった。



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RAKU SPA Cafe 浜松





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