『M3GAN』いるいら感想文
2023年 6月11日 日曜日 の日記
※これから映画「M3GAN(ミーガン)」を観てきた話をしますが、きっと、たぶん、ネタバレを含みます。
映画感想文
人の心にはいくつもの弱点が備わっているが、その弱点を補うために「悲しみを他のなにか楽しいことで隠す」ことがあると思う。私もそうやって紛らわしてきた。しかし死の悲しみと言うのはその方法では解決できず、深く奥に残り続けるものだ。
スキー場に向かう途中、突然の交通事故事故で両親を亡くした幼いケイディ。彼女自身も傷を負う。退院してすぐに叔母の家に住むことになった。彼女は悲しみに向き合う時間もないほどに目まぐるしい生活の変化に、感情の行き場を見失っていたことだろう。
そんなケイディも、と、その前に。ジェームズ・ワン作品に出演する子役の女の子って毎度毎度異様なまでに飛びきり可愛すぎませんか?!どこに隠れていらっしゃったのってほどに急に可愛いが過ぎる。ヴァイオレット・マッグロウ! あー、『ブラック・ウィドウ』の子か!要チェックやで。今後も。
そんなケイディも、叔母でおもちゃ会社の研究者であるジェマと、あるきっかけで距離が縮まる。それまで無表情だったケイディの表情が初めて明るくなった瞬間だった。それと同時に悲しみの感情も思い出してしまったのだろう。ケイディは一人、部屋で泣いてしまう。部屋の外からその声を聴いたジェマは、自ら開発に携わったAI人形「M3GAN(ミーガン)」を彼女に引き合わせることにした。
ミーガンは対話やネット情報を記憶していくことで成長していく、まさに今の世に流行っているAIの、到達点ともいえるであろうロボットだ。その動きや肌感は人間にだいぶ近い。それでもやはりロボットとの区別がつくよう、人形のような目の大きさにしたのだろう。あくまでもおもちゃであることを前提に作られたものだから。
ケイディはすぐにミーガンに心を許していく。子供の柔軟性というか、心の拠り所を見つけたと言うべきか。
ケイディのミーガンに対する信頼は、おもちゃの枠を超えていた。本来は父母(保護者)に抱く安心の感情、愛情をミーガンに対し持っていたように見えた。ミーガンをみるその眼差しもあたたかい(可愛い)。
中盤の、ミーガン正式販売に向けてのプレゼン。ミーガンの言葉に思わず感動してしまった。「私が記憶しておく」というセリフ。覚えたケイディの言葉を音で再生するシーンで、私はミーガンにも「感情」があるのかもしれないと見てて思った。ちょっと泣いちゃった。
引き合わせた日、ジェマはミーガンに「あらゆる出来事からケイディを守るように」と指示を。これが決め手となった言葉だったのか、それともペア認証した時点で「守る」ことまでもプログラミングされていたのか。
ミーガンの守りは徐々に行き過ぎた行動になっていく。人間の行動では(通常)起こりえないAIロボットならではの、まさに機械的な考え。
思わぬ方向に成長していくミーガンの行動を怪しんだジェマは、一度研究室に連れて行く、この時点では持っていくの状態が正しいだろう。(電源落として緩衝材とテープでぐるぐる巻きトランク)
ケイディも付き添うわけだが、車の中でのケイディの暴れっぷりは、もう見ていてひやひやした。子どもらしい爆発の仕方っちゃあ仕方なのだが。
このままミーガンが暴れ出すのは映画の持つ雰囲気で察していたのだが、気がかりだったのは、どうやってケイディにミーガン離れをさせるかということ。
ミーガンが暴れるのを見て「もういらない!」ってなるのか?! そんなことは無く、ジェマとケイディ、二人の心の弱点の共有で丸く収まった。
メイン見どころとなる、最後のミーガン暴れタイム。最近のジェームズ・ワン関連作品だからなのか、海外の人の怖い認識に強くあるのか、カクカクした体の動きスキがち。映画『マリグナント』を彷彿とさせるその動き、調べたら脚本家が同じだった。
(ひとつ気になっている映画に関することなんだけど、いまいち監督・製作の違いが分かってない。製作ってどこまで作品の内容に関わってくるんだろう。脚本読んでOKだすのは製作だよね?それを監督に託すわけだよね。監督はそこからどれだけ好きに作っていいのだろう。できれば 製作「僕はここからこーんなとこまで口出ししました~」ってのを教えて欲しい。毎回。毎作)
(今回のジェームズ・ワンは製作と原案)
結論
「ミーガン面白かった!」
好きポイント
・ビビらせの怖さよりも、ミーガンのもつサイコ的な、やばいやばいやばしの怖さ重視だったところ
・ケイディもだけどミーガン可愛い。可愛いけど怖いというキャラクターは好き。皆も好きでしょ?
・手袋で起動するときのポーズのかっこよさ。
・映画終盤のケイディの、戦士の目。ミーガンをソルジャーとするなら、ケイディはウォリアー。引き裂くシーンなんかは「やったれー!」って感じ。
あららポイント(映画的残念ポイントではなく、かわいそ~寄りのあらら)
・わんちゃん凶暴だったけど可愛かった。正しいブリーダーの元に連れて行けば矯正することが出来るはず。いや、お躾けと言っておこう。隣のおばさんは高圧洗浄機でオッケー。
・CEO、むしろ味方だったのにビルから出るためだけの駒として殺されちゃったね。
ここまで読んでくださった方の中で、まだ観てないよ~って方がもしいらっしゃいましたら、且つホラー映画苦手だな~ってかたがいらっしゃいましたら、恋人や友人との鑑賞にぴったりですよ。きっとそのうちNetflixやU-NEXTで配信されると思うので、ぜひ視聴あれ。
日常日記
・私の足は捻挫している。かといって歩けないほどじゃないから、けれどサポーターは必要で、もしかしたらいらないのかもだけど、気持ち的にはあったほうが安心するから、つけて行った映画館。
・上映開始一分前にやってきた隣の男性は、全く知らない人なんだけど、チュロスをしゃりしゃり、袋と擦り合わさる音しゃりしゃりしゃり鳴らして食べていた。甘い匂いだしうるさ~。上映中も空になって氷だけになったジュースをずるずる音立てながらすすってた。映画観るたびに言ってるけど、当日直前になって真隣に席取ってくるやつは、だいだい同じような奴で形成されている。これは予約のシステム上なにも問題はないから怒ることではないんだけど、心遣いの問題としてやっぱり嫌だなって思う。
・上映中の座り方が周りに迷惑かけてるわけでも、声を出してうるさくしているわけでもないけど、隣に知らん人いるのイヤーン。なんならミーガンよりも予想ができない怖さがある。他人の近距離って。
・上映後にディナーを。映画を一緒見た友達は、駅チカにしようねと気を使ってくれた。ということで気になっていたハンバーガー屋さんへ。
ダブルバーガーチェダーチーズトッピング!!
うまあああああああああああああい!!!
おわり!!
おやすみのあいさつ
帰りの駅ホームで飲み物を買おうとしてやめた。ポカリスエットに書いてある熱中症の表記がNECHUSHOと書いてあることにオッと思って写真撮ったけど、別に撮るほどのものじゃないかとその場で気づいたから。きっかけは様々。
そういえば友達と「ミーガンいる?いらない?」の話になった。友達は、いらないと答えたが、私は断然めっちゃ必要派だった。こころの余裕の違いだろうか。友達は実家暮らしで私は一人暮らしだからだろうか。別に家族が恋しいというわけではないが、拠り所を求めているのだと思う。私は。欲しいです。ミーガン懇願。
それではおやすみなさい。さようなら
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