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“プチ隠居”体験

 きょうは1月2日。

 長かった正月休みもあとわずかになり、明後日から会社へ行かねばならない。考えると憂鬱になる。8月30日の小学生はこんな気分なのか。

 家族や実家の両親を連れて箱根の保養所に行ったが、それ以外は予定も入れずに、いつもの週末と同じルーティンを踏襲して読書にいそしんだ。

 通常の週末と違ったところもある。

 たっぷり時間が確保できることを見越して、図書館から山のように借り出した。「休暇明けには返却期限がやってくる」は読書の推進力だが、小川哲「地図と拳」や奥田英朗「リバー」など600p超の大作は、やっぱり読み進むのに時間がかかる。

 年末年始はいつも利用している自宅マンションの共有スペースがクローズで、近隣オフィスビルのロビーに通った。風通しが良すぎて寒いこと、図書館も閉まってやはり身の置きどころがないだろうおじさん・おじいさんが集まってきていて気恥ずかしいこと、これが難点だ。

 ことしは9月にいよいよ還暦。もちろん当面はまだ働くつもりだが、長い休みは隠居の予行演習になる。

 朝の体操を実行して、ジョギングをして、その後は大好きな本を積み上げて読書三昧・・・。これが楽しいのは会社に拘束される平日があってこそ。「毎日がこのくり返し」という日常には持続性がない。「メリハリ」がないのは、やっぱりアカンのだ。

 こんなことは、世の“定年の過ごし方”関連書籍にしっかり教えてもらっていたはず。それでも、正月休みでその片鱗を体感できたことは貴重だった。

 「身体が動くうちは働きたい」。先輩たちのこの金言は収入面の問題だけではないんだなあ。
(23/1/2)
 


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