おじさんおばさんメディアの宿命
一部で注目された小室さんの帰国
小室圭さんが帰国して成田空港に到着した時のニュースは職場のテレビで横目で見ていたが、同僚おばちゃんが腹を立てたり心配したりと、“いかにも”な反応をしていたのが面白かった。
ちょうど夕方ニュースの時間帯だったのでアナウンサーが到着ロビーで中継をしていたほか、自宅までの道のりにはヘリコプターまで飛んだという。まるで世界一になったアスリートの凱旋帰国か、重大事件の容疑者の移送である。
“アンチ”も立派なお客さん
職場おばさんの反応を見るまでもなく、この問題に心を痛めている=関心があるのは圧倒的におじさん、おばさんたちのようだ。ウチの愚息どもなどは完全にスルーしているし、ネットのキーワードトレンドも静かだった。
「腹が立つから、見たくない」と言いながらついチャンネルを合わせちゃうのは典型的なアンチの心情か。そういえば巨人が圧倒的な強さと人気を誇っていたV9時代のアンチ巨人も、巨人サイドは“お客さん”と認識していたという話を聞いたことがある。とにかく観てくれるなら、好きでも嫌いでもビジネスとして成立する。
作っているのはおじさんたち
テレビ局は視聴率の基準を変えた。長らく注目されてきた「世帯視聴率」に代わって、基本的に「個人視聴率」を基準にしているし、さらにスポンサーのニーズが高い層の視聴率も出してそこを狙った番組作りをしている(局によって「コアターゲット」「キー特性」「ファミリーコア」と名付けていて対象年齢が局ごとに少し違う)その意味でおばちゃんを主なターゲットにしているテレビ局の夕方のニュースがこのネタに力を入れるのは正しい戦略だ。
しかしそれだけでいいわけがない。伝えられるように若年層のテレビ離れはさらに加速するのは止められない。これまでの歴史で培ってきたコンテンツ制作能力を活用してテレビの外にも出ていく。これはもう何十年も前から意識しているが、確かなビジネスモデルとして狙いを定めるまでには至っていないように見受けられる。
(21/9/28)
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