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No.4849『ハッピーエンド』

ランダム単語ガチャエッセイチャレンジ6日目。好きなテイストの文章が書けそうだ。

No.4849『ハッピーエンド』

先日のエッセイで童話『白雪姫』について書いたが、真のハッピーエンドとはなんなのだろう。
大抵の物語は主人公が途中色々あっても最後の最後大勝利やら大逆転を収め、「めでたしめでたし」という『それ言ったら絶対〆て』という暗黙の了解がある言葉を唱えることで幸せな結末を成し得る。

しかし、私は童話オタクなので知っている。むりやりハッピーエンドっぽく見せている物語がいくつもあることを。
ここから私は童話オタクであり、ハッピーエンド警察として国内外の童話を斬っていく。

まず、『白雪姫』。先日のエッセイにあるように、人間が考えうる一番残酷な死刑『熱した鉄靴を履かせて死ぬまでダンスさせる』が原作のオチだ。これをハッピーエンドに改変したディズニーは本当にすごい。
グリム童話はこの手の残酷オチが多い。『シンデレラ』は踵を削ぎ落とす描写や意地悪なお姉さんの目玉を小鳥が突いて失明させるシーンがあったりと、終盤異常に出血量が多いし、『赤ずきん』はオオカミに食べられるところで終わっているし。『ブレーメンの音楽隊』なんて、強盗の家に勝手に入ってきて家主を追っ払ったうえ、当初の目的であったブレーメンに行かずに奪った家に暮らすことを決めてるんだぞ。「めでたしめでたし」というにはあまりに暴れん坊エピソードすぎるだろ。

アンデルセン童話は『人魚姫』『マッチ売りの少女』『裸の王様』とそもそもが悲哀に満ちたものが多い。彼はバッドエンド厨なのか?

日本の昔話で一番めでたくないのは、ダントツで『カチカチ山』だと思う。
まず、たぬきが悪党すぎる。おばあさんを殺してその肉団子で鍋つくって、おじいさんに食わせるんだぞ。正気の沙汰じゃない。
だがしかし、それを退治するのに任命されたうさぎの仕返しの仕方がやりすぎだ。毛皮を燃やしたうえ、傷跡に辛子味噌をごってり塗るんだぞ。さらに泥舟に乗せて溺れ殺す。なーにが「悪者を倒したぞ〜!めでたしめでたし♪」だ。本当の悪は、過剰な正義が生んだその行動じゃないか?

本当のハッピーエンドってなんでしょうね。せめて子どもたちには学びのある美しい物語を聴かせてあげたいものだ。

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