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アイヌの歴史2『アイヌの文化』

*これはたしか中学生の時に書いたものです。細かい所は気にしないでください。

アイヌ文様の服

 文化的には北方のニヴフやエヴェンキ、オロチョン、モンゴル、ウィルタ、ナナイ、ウリチといった諸民族に影響を受けたと思われる渦巻き模様のいわゆる「アイヌ文様」を服の刺繍や刺青として入れていた事が有名である。

オヒョウ
アットゥシ

 アイヌの服は和服や中国の服の形に似たもので、ニレ属のオヒョウやシナノキ属のシナノキの樹皮の繊維で作成された衣服は「アットゥシ」と呼ばれ、江戸時代中期からは日本との交易で手に入れた小袖や羽織が儀式の衣装として使われており、他にも各地方で様々な特色がある。

ニンカリ
レクトゥンペ
タマサイ
テクンカネ

 装飾品にはニンカリというイヤリング、レクトゥンペというチョーカー、タマサイと呼ばれるネックレス、テクンカネと呼ばれるブレスレットなどがあり、アイヌは基本的に金属を自分で錬成する事は無く、交易品で入ってきたものを加工しており、殆どの装飾品は女性専用だった。

 また、アイヌの文学についてだが、アイヌは文字を持たなかった為、全ての知識や歴史は口で伝えられており、アイヌ文学も当然、全て口から伝えられたもので、主に「ユーカラ」と「ウエペケレ」に分けられる。

 ユーカラは長ければ語るのに数日かかる程の長編で、韻を踏んでリズムを付ける韻文を用いる所謂、「叙事詩」の一種であり、金田一京助によれば人間の英雄が活躍するポンヤウンペなどの人間のユーカラと神が語りを担当するカムイのユーカラという二通りの話があるとされる。

沙流郡

 一方、ウエケペレは韻文など細かい文章に捉われない文学、散文の一種で、基本的には一人の人間の視点で語られ、また、ウエケペレという名称はアイヌ語の中でも記録の多い「沙流方言」の単語で、他の地域では別の呼び方をするようである。

アイヌの縄
沖縄の藁算

 ちなみにアイヌは文字を持たないとしたが、実際には紐や縄の結び目で意味を表す結縄という文化を持っており、これは古代の中国やアメリカ先住民、アフリカ西沿岸、ポリネシア、台湾などの人々によく使われた方法で、日本でも沖縄に藁算として残っている。

アンデス文明のキープ
北海道異体文字

 ちなみにこの結縄の中で最も有名なアンデス文明を統一した大帝国インカで使われたキープは統計データや裁判の事例などかなり高度な機能を持っており、アイヌでもある程度の役割は果たしていた可能性もあったといえ、また、北海道異体文字というものがアイヌの所有物の多くから発見されており、古くは文字を持っていたかもしれないとされる。

 また、アイヌ文化の根幹をなす「アイヌ宗教」は生物や無機物、全てに霊が宿っているという神道と同じアニミズムと呼ばれる原始的な宗教で、アニミズムはキリスト教やイスラム教どの世界的な宗教が広がる以前の人々の間で多く信仰されている。

村瀬義徳によるイオマンテの絵

 アイヌの宗教では万物にラマッという霊が宿っているとし、生物達の住むアイヌ・モシリ、つまり現世とラマッの存在するカムイ・モシリ、つまりあの世という二つの世界が存在すると考え、ラマッは何かの役割を持ってアイヌ・モシリの万物に宿っているとし、特に熊はラマッの化身であるとして、大切に育ててから「イオマンテ」でラマッ・モシリに返すとして殺害されていた。

トコロチャシ跡遺跡で出土したオホーツク文化の熊
函館市の日ノ浜遺跡出土のイノシシ

 イオマンテの起源としては後で解説する「オホーツク文化」から古いアイヌの文化である「擦文文化」に取り入れられたものと思われ、他にも擦文以前の北海道の続縄文文化の遺跡から北海道に居ないイノシシの骨や土偶が見つかる事から猪を飼育して儀式に使っていたのが、猪が居なくなって熊に置き換わったという説がある。

アイヌ刀
マキリ
トンコリ
パラライキ
ムックリ

 またアイヌ文化として著名なアイヌの使った「アイヌ刀」や「マキリ」は基本的に日本との交易で手に入れた武器を加工したもので、アイヌ音楽の楽器には北方の樺太アイヌや宗谷アイヌで使われたニヴフの「トンクル」を取り入れた弦楽器の「トンコリ」や打楽器の「カチョ」、ロシア発祥の弦楽器「バラライカ」に由来する「パラライキ」、モンゴル発祥の「モリンホール」に由来する「ウマトンコリ」など、ほぼ全土のアイヌに使われ十勝方言ではムックル、沙流方言ではムック、樺太方言ではムクフンやムクフナなどと呼ばれたマウスハープの一種の「ムックリ」といった周辺の様々な民族から取り入れられた楽器が用いられた。

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