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熊本ヴォルターズと共に闘ってきたアリーナMC 須藤 亜紀。自らを挑戦へと突き動かした想い、そしてバスケットを通じて創りたい地元・熊本の明日

2022年9月29日、日本のプロバスケットボールリーグ「B.LEAGUE」の2022-23シーズンが開幕します。

リーグ発足から7回目のシーズンとなる今年、念願のB1昇格を虎視眈々と狙う熊本のプロバスケットチームが熊本ヴォルターズ。過去3度のプレーオフ敗退で流した涙を笑顔に変えるため、チーム・ブースター・スタッフが一丸となってB2優勝を目指しています。

そして今回、そんな熊本ヴォルターズに自らのキャリアを懸けて挑戦しようとする一人の女性にスポットを当てていきます。

PROFILE 須藤 亜紀(すどう あき)
熊本バスケットボール株式会社 マーケティングチーム所属。2021年にラジオパーソナリティ・ナレーターから熊本ヴォルターズへと転身。過去、白岳が提供をしていたラジオ番組のMCも担当

熊本のテレビラジオを中心に活躍してきた須藤さん。人気番組のパーソナリティやナレーションを多数担当しながらも、2021年にアナウンス業を離れ、新たな領域に挑戦する一大決心をしました。

転職後は2015年から引き続き担当するアリーナMCを含めて広報業務や現場スタッフも兼任する須藤さんに、これまでのキャリアと新たなチャレンジに自らを突き動かした想いの源泉について聞いていきます。

声の仕事とヴォルターズに出会うまで

-まず、須藤さんがアナウンスの世界に入ったきっかけを教えてください

須藤/まず、私が声の仕事に興味を持ったきっかけは“野球”でした。元々野球好きで高校時代は野球部のマネージャーだったので、大学に入ってからも球場アナウンスのアルバイトをしていたんですよ。

その仕事がとても楽しかったのと「アナウンスの世界に入れば、もしかしたら野球選手と結婚できるかも!」なんてミーハーな動機も相まって、自然とアナウンサースクールに足が向いてましたね(笑)。

大学卒業後、ラジオの中継キャスターを3年間務めて、初めてキャリアの岐路を迎えました。一般職かアナウンスを仕事にするか悩んだ末、やっぱり声の仕事がしたくてフリーになる道を選んだんです。

須藤/そこから色々な番組を経験させていただいて、ヴォルターズが発足した2013年に「週刊VOLTERS」というラジオ番組のパーソナリティを担当することになったのがチームとの初めての出会いです。

須藤/中学時代バスケットボール部だったこともあって、お話を頂いた時とても興奮したのを覚えてます。なによりも、熊本初のプロバスケットチームに携われることが純粋に嬉しかったんですよ。

番組をきっかけに少しずつヴォルターズの魅力にハマって、気がついたら仕事の垣根を超えて熱狂的なブースター(ファン)になってました。

そして、2015年からはアリーナMCも担当させていただいてます。

-アリーナMCってどんなお仕事なんですか

須藤/簡単に言うと、ホームゲームを盛り上げる仕事ですね。DJや演出チームと協力してアリーナの熱気を高めたり、わかりにくいプレーを解説したりしながら試合を面白く観戦するための下地を作っていきます。

そんな中で、私が一番大切にしているのが「空気感」を作ることです。

チームの状況、勝敗、試合内容によって会場の空気も毎回違うんですが、当日の空気感をコメントやインタビューに乗せて届けることを今でも意識しています。特に天王山と呼ばれるチームの運命を左右する試合敗戦後のインタビューにはかなり神経を遣いますね。

チームやブースターの感情を受け止めた上で発信する仕事なので緊張感も高いですけど、とてもやりがいある私のライフワークです。

仕事観の変化、そしてチャレンジ

-そんな順風満帆な中で、なぜ新たなチャレンジを決意したんですか

須藤/2016年に発生した熊本地震の経験が大きかった気がします。

それまでの仕事の軸って自分が中心だったんですけど、地震で傷ついた地元を目の当たりにして「自分は熊本を盛り上げるために何が出来るのだろう」という視点で仕事を考えるようになりました。

地震で存続の危機を迎えたヴォルターズへの寄付を募ったり、復興や地域について考えたりする内に、自分が生まれ育った熊本を世界に向けてもっと発信したいという想いが高まっていったんです。

そして、チャレンジを決意したのが2021年でした。

須藤/長年温め続けた想いでしたが、決断自体が突然だったこともあり、スポンサー様や関係者の方々に迷惑を掛けてしまったことは本当に申し訳無かったと思っています。

でも、今までの人生がそうだったように自分の中から溢れ出す「やりたい」という感情に素直に従おうと思いました。ありがたいことに、皆さんのご理解や温かい応援の声もいただいて今は前を向いて挑戦出来ています。

自分を支えていただいた方々には、本当に感謝の気持ちしかないですね。

-転職してからはどんな仕事を担当されているんですか

須藤/アリーナMCは引き続き担当しながら、広報としてプレスリリース、記者会見などのメディア対応、SNS運用などを担当しています。試合の時は現地スタッフとして働くこともありますよ。

個人的に、自分の強みはアリーナMC・熱狂的なブースター・スタッフ3つの顔を持っていることじゃないかなと思ってます。

アリーナMCとして感じる会場の熱狂、ブースターとして感じた感動や悔しさ、そしてスタッフとしての新しい価値観。そんな視点が組み合わさることで、より立体的で温度感のある情報が伝えられると嬉しいですよね。

須藤/これまでヴォルターズはSNSを中心にB2随一の発信力を持ちながらも、選手や試合についての情報発信が中心でした。今後はそうした発信に加えて、クラブを取り巻くストーリーも伝えていきたいんです。

理想はマラソン解説者の増田明美さんみたいな存在かな(笑)。少しでも共感を得られるような、温かい情報を届けたいですね。

そんな手触り感のある発信が増えていけば、今までバスケットボールに馴染みのなかった方にもまた違った角度でチームの魅力が伝わって、会場に足を運んでくれる人も自然と増えていくはずですから。

熊本ヴォルターズを楽しむために

-熊本ヴォルターズの楽しみ方について教えていただけますか

須藤/まずは試合に来て、選手やブースターの熱気を感じて欲しいです!

バスケットって選手との距離もかなり近いですし、私たちも会場を盛り上げるので、試合に来ると一気にハマる人が多いです。何よりヴォルターズブースターの熱気が凄いので、ぜひ一度現地で体感してみてください。

今はまだ声の応援は控えているので、メガホンやハリセンに拍手を組み合わせた大きな音で選手たちを応援しています。それでもアリーナ全体を揺らすような熱量は圧巻ですし、まさにヴォルターズの持ち味ですね。

私もアリーナMCの仕事を忘れて、つい一緒に応援したくなります(笑)。

須藤/会場の空気に少しずつ慣れてきたら、今度はオリジナルグッズに挑戦してみるのも面白いかもしれません。

例えば、このVOLTERS Simple Embroidery Cotton Teeは普段遣いでも着ることが出来るデザインなので、まずはシックなアパレルから入ってみても全然ありだと思いますし…

いよいよヴォルターズにハマってきたなという人は、この2022-23ベースボールシャツを着てガッツリ応援するのも面白いですよ!

須藤/あと、今シーズンは選手がイケメン揃いなのも特徴なんです!

お気に入りの選手を会場で見つけて、名前が印字された「推しタオル」を振り回ながら全力でアピールする。バスケットにあまり詳しくないお客様は、まずこんな形から入ってみるのも面白いかもしれません(笑)。

当たり前ですけど、楽しみ方は一つじゃありません。その人なりの楽しみを見つけるためにも、まずは試合会場に足を運んでいただきたいですね。

-最後に今シーズンの目標を教えていただけますか

須藤/目標はもちろん「今シーズンこそB1昇格」です。

2013年から熊本ヴォルターズと共に闘ってきましたが、やっぱり日本最高峰のB1で戦うヴォルターズの姿を見たいというのは、私だけでなく選手・ブースター・スタッフ全員のだと思ってます。

今年こそ昇格を成し遂げたいとチームもかなり気合いが入っているので、ぜひ試合会場で選手たちを応援して欲しいです。

-本日はありがとうございました!

須藤/こちらこそありがとうございました!

せっかく新天地で挑戦するチャンスをいただいたので、個人的には今の仕事に限らず将来的に熊本ヴォルターズが地域から愛されていくための種まきのような取り組みをどんどん仕掛けていくつもりです。

引き続きアリーナMCとしても会場を盛り上げていきますので、ぜひ会場に遊びに来てくださいね!

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