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『7人の名探偵』

【 ネタバラシはありません 】

『7人の名探偵』

編者:文芸第三出版部
出版社:講談社(講談社ノベルス)
発行年:2017年9月6日


 本書は、〈新本格30周年記念アンソロジー〉として刊行されました。お題は「名探偵」。7編が収録されています。「水曜日と金曜日が嫌い ――大鏡家殺人事件――」(麻耶雄嵩)で久しぶりにメルカトル鮎と遭い、「毒饅頭怖い 推理の一問題」(山口雅也)で落語とミステリの親和性を再確認し、「プロジェクト:シャーロック」(我孫子武丸)がそんなに笑えない時代になってきたなと思いました。そして、「船長が死んだ夜」(有栖川有栖)で、火村先生・アリスの名コンビにほっこりし、「あべこべの遺書」(法月綸太郎)で法月父子のディスカッションに熱中し、「天才少年の見た夢は」(歌野晶午)の仕掛けに驚きました。最後の「仮題・ぬえの密室」(綾辻行人)は、本格ミステリ好きとして、すごい胸に沁みました。同時代に生きていて良かったなあ……
 個人的に一番好きな短編は、法月綸太郎さんの「あべこべの遺書」です。

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