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【詩】後朝(きぬぎぬ)のうた

後朝のうた

 後朝のうた

春はあけぼの山ぎわに目覚めた泡立つ光にふたりのときは美しくこわれ
薄もやのたえだえにしずかに身を横たえるせぜのあじろぎ
水おとはさやけくほそくまだ草むらに這うものの
雲はすでに峰をはなれてたなびき 人の袖の
涙もそのようにまたうつろいゆくものか
しのぶもじずりわれならなくに
また巡り逢う日をおもい
ゆっくりと剥がれた
ときの表皮を
抱くのみの
わたくし
なので





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