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薄楽俊
2023年1月26日 20:00
放置されている恋がある きのうまでの菫 きのうまでの薔薇 きのうまでの山査子 一輪挿しの残酷な幸福をありがとう あざやかな絶望が いま 日付をまたいでいる もどっちゃだめよ たぶん 君は そういうだろう もどるもんか ぼくは 昨日の君に 希望を投げつける どうしようもなかったのよ 好きになるのも嫌いになるのも 君のむなしい言い訳が 山彦のように冬の夜空にこだまする
2022年11月11日 00:18
挽歌少しづつ距離ができる希望が生まれるたびに願うたびにぼくたちは言葉で幾多の景色をつくったまるで国産くにうみのようだと君はいいぼくは初夏に横たわる丘陵のような君のなだらかな腹を無言で撫でたとるに足らない戯れの過ぎてゆくほどにたまらなく愛おしくなるのはなぜか希望がかなえられるごとに言葉は単なるツールとなってぼくたちは労働者の消えた鉄の街の払い下げアパート