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【発達障害】不登校 母親がとってしまった 5つのNG行動


読了目安:8分半

2024年1月13日更新
信州大学医学部 本田秀夫先生の出典を変更しました。

丸々1年間の不登校期間 何をした?

長男は、中学校に入学後、1日登校してそれきり登校しませんでした。
完全不登校は、1年間続きました。

まず、母である私がやったことは、
「市の不登校生徒が通える施設に通いたい」と
中学校の校長に申し出ることでした。

実はこの施設の存在は、小学校5年、6年の不登校期間に
調べていました。
小6当時、施設に直接電話で問い合わせたら
「学校の校長を通してください」と、にべもなく断られ、
じゃあ、と小学校に相談したら
「学校にどうしても登校できない人でないと、
利用できないのですよ」と
今考えても訳の分からない理由で、手続きを進めてもらえず。

当時、メンタルをやられつつあった私には、
これ以上の交渉力は無く、小6当時はここで力尽きてしまいました。

当時の反省点から、中1の4月時点の私は
彼の学ぶ場所、彼の居場所を確保すべく 素早く行動を開始。
手続きを進めて、長男はバスで片道40分の施設に通い始めました。
ただ、勉強するためではなく、
午後からのカリキュラムの「活動」の時間に参加するために。

この施設には、中3の現在も元気に通っていて、
現在では、この施設で受験対策の作文課題に
取り組めるようになりました。

しかし今振り返ると、このときの私は
口では学校なんて行かなくていいよ、と言いつつ

先の見通しが立たない毎日に
焦り
あがいて
気が付くと彼のことを追い詰めるような
行動をとっていました。

当時を長男と振り返り、
母のとっちゃったNG行動の数々をご紹介したいと思います。

NG行動———
その時は 全部 良かれと思って
私が実際にとった行動です。

私たち親子にとって
今となっては笑い話にできるまでになりましたが・・・
彼には申し訳ないことをしました。
ごめん! 長男! 




NG行動 その1 【できないことに注目しすぎ】

当時の私の不安のひとつ
それは、彼の学習障害———計算と書字の困難さ

市の不登校生徒の施設に通い始めたものの
この施設は、かつて非行少年を保護する目的で設置され
いずれは学校に登校することを目的としていたため
積極的に学習支援はしない方針。

先生方には、本当に心を配っていただき
感謝してもしきれないのですが、
特別支援教育分野に明るい、という訳ではありませんでした。
そこが、私にとって、ちょっとひっかかっていた点。

特に繰り上がり繰り下がりでつまずき
九九も怪しい彼の計算障害は、
私の心にずっとひっかかっていました。

学校行かなくてもいいから、
学習面は 最低何とかしなきゃ、という気持ちで
小学校3年生のドリルをやらせようとしたり
タブレット型家庭学習教材をやらないか提案したり。

信州大学医学部の本田秀夫先生も おっしゃっているのですが
どうしても私たち発達特性を持つ子どもの親は
子どものできないことに目が向きがちで
苦手なことを頑張らせたくなってしまいます。

当時の自分を客観視して
自分の価値観を押し付けていたな、と反省しています。


NG行動 その2 【合意形成ないままに事を進める】 

計算の困難さについて、
私は児童精神科受診の際にドクターに相談。
そこで、放課後等デイサービスで
学習支援に力を入れている施設を紹介していただきました。
早速、彼と見学に行き、
計算の個別サポートを受けられるよう、手続きを進めました。

ただ、彼はすぐに積極的に通おうとしなくなり、
最彼の興味のあるプログラミング等を
やらせてもらいながら、彼の気持ちが学習面に向くように
働きかけてもらいました。
そして、小学校3年生程度の繰り上がり繰り下がりの
計算練習を見てもらうようになったのですが、
次第に通うのを嫌がるように。
当時パートタイム勤務だった私が、
片道30分を送迎しましたが
最終的には、車に乗り込むのも、降りるのも拒否するようになり、
辞めざるを得なくなりました。

長男本人も学習面に対する不安感があったので
当初は通う!と言ってたものの、
当時の彼の精神状態を考えると
継続して頑張る意欲が沸いてくる状態ではなかった、といえます。

そして、彼に「拒否権」を与えず
ずるずると通い続けてしまったことも反省点。
やってみて気持ちが変わることを織り込み
彼の気持ちをしっかり聴いて、辞める選択肢を与え、
合意のうえ、どうするか決めるべきでした。


NG行動 その3 【「学校に行かないんだから、せめてこれくらい・・・」と言う】 

信州大学医学部の本田先生がおっしゃっていましたが、
この「せめてこれくらい」
完全なNGワードだそうです。
子どもの自己肯定感を下げるだけの言葉 とのこと。

言ってました、私。
「学校に行かないんだから、
せめて1日5分計算問題してもいいんじゃない?」

当時の私の心境としては
口では「学校なんて行かなくていいよ」と言いつつ
定型発達の、いわゆる普通の中学生の枠の中に、
今でなくていいから
この先いつか
彼をはめ込まないと
将来まずいんじゃないか・・・
そんな風に、彼のことを考えて、発言していたと思います。

長男のことを考えて言った言葉は
彼の自己肯定感を下げるだけの言葉だった——

あれから2年経って、この事実を突き付けられて
もう・・・言葉がありません。


NG行動 その4 【母の不安を長男にぶつける】

放課後等デイサービスの先生との話の中で、
出てきた高校進学の話題が
私の不安感を高めました。

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『発達障害の不登校児の高校選びは、
現実的に「通信制高校」が選択肢になる。
当然だが、課題を提出しないと単位はもらえない。
とにかく期日までに課題を提出できるようにならないと』
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そのためには、やはり最低限の計算、書字は必要——
私は必死に長男に計算学習を勧めました。
その結果、1年生の秋以降、私と長男は度々衝突しました。
怒った私は
「もう、高校行かなくていいから。
世間の厳しさを味わいなさい。」と、
突き放すような発言を度々して、長男を泣かせてしまいました。

私は、自分の不安感に自分が押しつぶされそうになり
目の前で苦しむ長男を追いつめていました。

「学校に行かなくても良いから。
勉強はやらなくても良いから。
でも、これくらいはできないと」とも言っていました。

今考えると、当時の私は
定型発達を正解とし、
自分の目指す枠にはまっていない長男を
受け入れられなかったのだと思います。



NG行動 その5 【長男の話を聴こうとしない】

これが、私の数あるNG行動の根本的な問題です。

長男は、当時を振り返り、
「自分の気持ちを語らせて欲しかった」と言っています。

この時、まだカウンセリング技術を
学んでいなかった私は、
長男と対話をせず
「彼は勉強したくないと思っている」と
勝手に思い込んでいたのです。

そうではなかった。

長男は、自分で自分の意見を考えたり
興味のある分野の知識欲を満たす
学びがしたかったのに、
『書字や計算が苦手』というその事象に
私を含めた、彼を取り巻く大人が皆、目が向いてしまった結果、
彼の学びを妨げてしまったのです。
そして、自己肯定感、自己効力感を下げてしまった。

キャリアカウンセラーである私たちが
相談者と向き合うときに
大切と考える姿勢のひとつに
「相談者の自己決定権を尊重する」があります。

自分のことを自分で決める自己決定権は
例え子どもであっても、尊重されるべきと、
今の私は考えます。

子どもの意思は
親や周囲の大人としっかり話し合い、
合意形成のうえ決められるべき、
そう思います。

ただ、実際に親が話を聴くのは、
関係性もあるし、技術的にも難しい部分もあると思います。
こういう時こそ、
ぜひカウンセリングの専門職への相談を
検討してみてほしいです。
スクールカウンセラー等、意外と身近に専門家はいますよ。

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私の黒歴史のNG行動の数々 いかがでしたでしょうか。
反省することばかりです。

NG行動、我ながら振り返って結構イタい(涙
最後までお読みいただき ありがとうございました!




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