「ながら食事」をやめてみた【つれづれ綴り帳】
「ながら食事」を、やめてみた。というのも、うつ病になってからの自分をいたわる試みの一つだった。テレビを観ながら、スマホを見ながら。そういう「ながら食事」をやめた。
最初は静けさをさみしく感じたものの、数日たつにつれてすっかり馴染んでしまった。
次第に自分が作った料理について味わいながら食べられるようになった。これが案外、楽しい。白菜の火の通りがあまかったが、独特の苦みがクセになるなとか、冷凍したトーストは戻すとシャリシャリするな、とか。五感を使い向き合うことの楽しさを思い出させてくれた。
たしかに、テレビやスマホを流していれば、なんとなく楽しい。しかし、その"なんとなく楽しい"ばかり感じていると、なにかが麻痺してしまうのだ。
私の愛読している心理学書(ピート・ウォーカー著)に、こんなことが書かれている。現代の産業社会においては、ネガティブな感情を極力排除することをよしとしている文化がある、と。SNSなどの依存性のある気晴らしがひろく受け入れられる一方で、人間の感情を感じる力は鈍麻してきていると。
これは要約だが、わかる気がする。悲しみなしに喜びはない。どちらか一方を抑えると、結果的にもう一方を感じる力も失せてしまう。
病気と向き合うなかで、自分の感情によく気づくようになってきた。ひとりで食事をとることは、さみしいなと思うときもあるし、静かでつまらないな、とも思う。
それでも、ネガティブな感情すらも感じていたい。逸らさないように、しっかりと受け止めたいと思う。
それらの影響か、日々のなにげない幸せに気付けるようになった。何も感じず、ただ延々とスクロールをくり返していたときよりも、ずっと楽しい。
みなさんもぜひ、やってみてください。
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