ニホンカモシカの推しポイント
ここ最近、ニホンカモシカを題材にした作品を制作しているせいか、
頭の中がカモシカだらけである。
しかも、今回挑戦しているのは、ペインティング作品。
ニホンカモシカの毛を、筆で書き込んでいる。
おとといの晩、トイレの壁がカモシカの毛に見えた。
やばい、何かに取憑かれている。
作品を仕上げるまで、カモシカのことしか考えられない。
ということで、今回はニホンカモシカの好きなところについて、ひたすら書いていこうと思う。
推しポイント①若干ブス
ニホンカモシカの顔は、スタイリッシュではない。
ちょっとファニーというか、
ちょっぴりブスだ。
私はニホンカモシカの顔を分析したことがある。
カモシカに似た動物たちと、ニホンカモシカの顔を見比べてみた。
すると、ニホンカモシカは、他の草食動物にくらべて、
奥行きがない顔をしていることに気がついた。
シカやヤギといった動物は、鼻先がシュッと前に伸びているのに対し、
ニホンカモシカの顔は、そこまで奥行きがない。
そして、目が前のほうについている。
シカやヤギは外側に目がついていて、
切長のかたちをしているが、
ニホンカモシカは、目がくりっと丸く見える。
しかも、ニホンカモシカは鼻が大きい。
ついでに、鼻の穴もでかい。
そして、黒々としている。
この特徴的な鼻が、ニホンカモシカの顔を面白くしている。
また、ニホンカモシカには、目の下にコブのような膨らみがある。
これは、「眼科腺(がんかせん)」という。
「眼科腺」からは、匂いのする分泌物が出るらしく、
それを樹木にこすりつけて、ナワバリを主張する。
たまに、眼科腺が肥大化して、目のように見えることもある。
奥行きが少ない顔
まんまるの目
大きくて黒い鼻
目の下の膨らみ(眼科腺)
これらの要素が、ニホンカモシカの顔をファニーな印象にしている。
この若干「ブス」なところが、個人的には、たまらない。
「ブス」な顔は、味わい深い。
もしも、ニホンカモシカがスタイリッシュな顔をしていたら、
何度も彼らの顔を観察しようと思わなかっただろう。
推しポイント②わがままボディ
実は、ニホンカモシカは顔だけじゃなく、
スタイルもかっこよくない。
ずんぐりむっくりした体をしている。
ニホンカモシカと言うくらいだから、シカに似ているのかな?と思うが、
全く似ていない。
実は、ニホンカモシカは、ヤギや羊と同じウシ科の動物。
なので、シカのように首や足がすらっと長いというわけではない。
しかも、毛がもふもふしていので、余計にスタイルがよく見えない。
しかし、ずんぐりむっくり感が、可愛いのだ。
特にカモシカの部位でお気に入りなのは、「まるいケツ」。
ニホンカモシカのお尻は、ぷりっとしている。
毛のせいで、そう見えるのかもしれない。
ありがたいことに、ニホンカモシカは、しょっちゅう私たちにケツを向けてくれる。
「かもケツ」を拝ませてくれて、本当にありがたい。
推しポイント③激変する見た目
ニホンカモシカは、モフモフの毛をしている。
とくに冬は、体に毛が密集する。
寒さに備えるためだろう。
もふもふになりすぎて、「毛玉」みたいになる。
ヤギやシカ、ウシといった動物はどれも毛が短い。
それに比べてカモシカの毛は、長くて、多くて、フワフワ。
狩猟がゆるされていた時代では、カモシカの毛は防寒着として重宝されていたらしい。
しかし、ニホンカモシカは、寒さには強いが、暑さには弱い。
冬は毛が密集してふわふわになるが、
春に一気に毛が抜けて、夏にはほっそりとした姿になる。
春夏秋冬、ニホンカモシカの姿は激変するのだ。
もはや、「お前だれだよ」というレベルで変わる。
おかげで、オールシーズン、全く異なる姿を楽しめる。
ただし、冬のフワフワ姿のニホンカモシカをSNSに投稿すると、
「カモシカ、もしかして太った?」と言われてしまう。
冬に備えてモフモフになっただけなのに、
「太った」と言われるのだけは、少々気の毒である。
推しポイント④図々しい態度
「幻の動物」と言われていたニホンカモシカだが、
近年、人里におりてきて、畑の作物を食べるようになってきた。
今住んでいる家の敷地にも、ニホンカモシカが草を食べにやってくる。
彼らは、図々しい。
ニンゲンの存在に気がつくと、こちらをじいっと観察してくる。
かとおもったら、急に下を向いて、草を食べ始めるのだ。
警戒しているのか、してないのか、よく分からない。
しかも、ヤツらは人を見分けている。
よく来てくれるニホンカモシカたちは、私たちを見ると、
「ああ、こいつらか」といった具合に、無視して草を食べ続ける。
たまに、めんどくさそうに、ゆっくりと尻を向けて帰って行くこともある。
シカなら、ニンゲンにみつかると、ビビりちらして逃げるのに。
ニホンカモシカは、こちらの様子を伺ってくるのだ。
かといって、懐いてくれるというわけではない。
いつも、ほどほどに無視してくる。
「懐いてくれなくて、寂しいね」と人様から言われることがある。
いやいや、それが良いのよ!!
ニホンカモシカに無視されたり、見下げられている瞬間こそ、至福のときだ。
推しポイント⑤臭そう
ニホンカモシカは、氷河期から日本列島に生息しているといわれている。
意外と、長い歴史をもつ動物なのだ。
しかし、ニホンカモシカはペットにも家畜にもならなかった。
今も、野生動物として全国各地で生息している。
彼らは人の施しを受けていない。
だから、「臭い」にちがいにない。
ニホンカモシカを触ったことも、匂いを嗅いだこともないが、
見るかぎり、犬よりも毛がしっかり生えている。
うさぎは自分で体をなめて綺麗にするので、匂わないらしい。
しかし、ニホンカモシカの毛並みでは、自力で綺麗にできないだろう。
かといって、ペットのように、人に洗ってもらえない。
だから、絶対「臭い」と思う。
というより、臭くあってほしい。
野生動物のくせに臭くなかったら、魅力が半減してしまう。
これは、ニホンカモシカを触ることも、匂いを嗅ぐこともできない、私の願望なのだと思う。
君に夢中
思いつくままに、ズラっとニホンカモシカの"推しポイント"を書き出してみた。
まだまだ書けるが、書き出したらキリがない。
というより、ニホンカモシカには思い入れがありすぎて、
彼らの魅力を言葉だけで語りつくすのは難しい。
だから、今、ニホンカモシカの絵を必死に描いている。
絵を描きすすめていくほど、自分のなかでカモシカがより特別な存在になっていくのが分かる。
完全に取り憑かれているみたいだ。
しかし、これは幸せなことだと思う。
これからも、ニホンカモシカを描いて、描いて、描きまくって、
周りに引かれるほど、カモシカに取り憑かれていきたい。
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