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外反母趾の原因についての仮説

八起堂では、足の施術に力を入れていまして、バレエ関係者などがいらっしゃることが多いです。
そのとき出会うことが多いのが、外反母趾。足の親指が曲がって、根本の関節が内側に出っ張ってくるアレです。

・外反母趾の原因は靴?

外反母趾の原因として言われることが多いのは、ハイヒールなど先の細い靴です。
靴によって圧迫されることで母趾が曲がってくるというのですが、この原因説、どうも納得しかねるんですよね。
理由は2つ。

1.小指も一緒に曲がらないのはなぜ?
外反母趾の小指版が、内反小趾です。
靴の圧迫で指が曲がるなら、外反母趾を持っている方は、内反小趾も発症していなければおかしい。
ところが、圧倒的多数は、外反母趾だけなのです。

2.片足だけ外反母趾になる人がいるのはなぜ?
靴の圧迫が理由なら、両方の足が外反母趾にならなければなりません。
ところが、片方だけが外反母趾になっている方を見ることが、けっこう多いんですよね。
とくに、ケガをした後の人。

これは、靴の圧迫が原因ではないのでは?

・外反母趾の原因は足の傾きではないか?

外反母趾の方を見ていて、気づいた共通点があります。
それは、歩いている時に足の外側(小指側)に体重が乗っていることです。

足が傾く原因は、主に3つ。
1つは内くるぶし周辺が固くなっていて、十分に背屈できないために体重が外に逃げる場合。
2つめは、足のアーチが固くなり歩行に合わせて沈みこめないため、体重が外に逃げる場合。
3つめは、踵の骨が内側に入っているために、足が外に傾いている場合。

いずれにしても、体重が小指側に流れます。

以前も書いたとおり、骨の断面積から算出すると、母趾が体重を支える力は、他の指の8倍。まさに体重を支えるために存在する指です。
体重が小指側にあるときに、母趾で体重を支えようとすると、母趾は小指側に向かって曲がらなくてはなりません。
その状態が長く続くことで、母趾が根本から曲がってくる…というのが、今回の仮説です。

・この仮説に意見がもらえるとありがたいです

この仮説を実証するのは難しいです。
ただ臨床経験では、足を調整して体重が内側にかかるようになると、母趾のねじれが軽減されるようには見えるので、可能性の1つに数えて良いと思っています。

ただ、あくまで軽度の段階で、重度になった外反母趾では対応が難しいです。というのは、そこまで曲がると普通に指を動かす筋肉までが指を曲げる作用をするようになってしまうから。
外反母趾は、初期の間に対応したいものです。

仮説についての意見をいただけると嬉しいです。

八起堂治療院ホームページ




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