ワクチン接種会場で思うこと
このマガジンは、福岡市中央区在住の現役看護師が、飲食店昼から飲もう、日替わりおかずと楽しいお酒「博多okatteふじコ」を開業、開業後の記録です。素人の私が、福岡市のグルメタウン“薬院”で店を開業。新しいことにわくわくドキドキ、でも真面目に。そんな記録です。
前回の記事で、休業の期間を使ってワクチン接種支援に看護師として参加していることを書いた。
もうすぐ1ヶ月が経とうとしている。この1ヶ月で感じたことや分かったことを今回は書いてみようと思う。
対応の難しさ
国民皆が初体験のワクチン接種。整備も対応スタッフも、受ける側も誰もが初めて。現在、ワクチン接種会場は企業からオペレーション技術を買い取り委託し運営を委ねている所が多い。旅行会社が多いと聞くが、その委託費はとても高いものだと聞き及ぶ。役所仕事の方に、そのノウハウが無いかもしれないけれど、企業の方はオペレーションのノウハウはあっても、『高齢者』や『精神混乱を来す方』へのノウハウはお持ちではないようだ。高齢者はあらゆる機能が低下しているし、精神混乱を来す方は、一見ノーマルに見えて突如スパイクしだしたり、混乱し精神症状に伴う身体症状が出たりする。今後、接種年齢が若くなっていくとそういう人たちが増え、目立ち出すことも考えられる。
企業提案のオペレーションは、会場レイアウトは良いかもしれないが、機能低下した高齢者を疲労させたり、転倒に繋がりそうな箇所や、迷路の様で付き添いとはぐれ混乱した高齢者を見かける。開始1カ月程だが床の養生につまづき転倒もあったと聞いた。自宅生活が中心となった高齢者は家の中は何とか歩けても、外や環境が違う所では急に歩けなくなったり疲労から歩けないことが、多い。
何かと人力による配慮が不可欠な状態があるのだ。
またプライバシーを重視する余り閉鎖的環境にしてしまうと、異常者やトラブルの発見は遅れ、どのような状況があったのか見えずに知り得ることが難しくなる。
運営スタッフはこの委託企業が指示元になっており、スムーズに流れを作ることに注力し、安全かは2番目になってしまう。スムーズに流さなきゃいけない現状もある。
そこで、看護師の視点や配慮が必要になってくると思うが、運営スタッフと看護師で業務は分かれている。自治体ごと方法や業務采配、運営、会場の環境は異なるのでそこそこの会場を理解して動くことが、求められている。
2回目の接種が終わった方からパラパラと『いつ抗体つくの?』『どのくらいで、抗体つくの?もう良いの?』という質問を頂く事が出てきている。海外のノーマスク解禁のニュースやワクチンパスポート、社会活動が自由になるといったニュースを私も見る。その上で『ワクチンしかない』『100万回実施』とかいう、ワクチン推奨、ワクチン頼みといった情報が、行動の自由の可能性、解放気分をもたらして、ワクチン接種を加速させている。
ワクチンは個人の選択の自由、強制ではない。
何度も言うけど、
ゼロコロナは無い。
ワクチン打ったからってゼロコロナにもならない。
コロナとは付き合うのです、これからも。
だから、
目標を下げて、ゼロコロナを望むのをやめ、現状できることから進む。
最後に、
看護師を始め、接種会場のスタッフは臨時雇用で日雇いです。有事ということで、知らない者同士が集められ、接種運営に当たっています。
そのなかで看護師が、身体に染み付いた個人個人の看護の目、技術を発揮している場面を目の当たりにしています。
声かけたがり、世話焼き、話たがり。看護師には、そんな人が多いです。
ワクチンについては看護師も、賛否、個人それぞれの考えを持っています。看護師の役割を果たすため、集まった人たちです。ワクチンを推奨している集団だと勘違いされて来られる方がいらっしゃる様ですが、そうではありません。
来場される方々が、安全にワクチン接種を終えて帰れるよう、努める責任があることを、ここにいる看護師たちは自覚されています。
プロ意識、それだけです。
2020年コロナ禍に開業した看護師です。ワクワクが止まりません。Withコロナはまだ続きますが、継続していけますように応援お待ちしております。