業界最大手にこだわって就職活動をした大学院生から得た教訓
大学院時代に知り合ったAさんは、業界を問わず業界最大手の企業にこだわって就職活動をしていました。当時のAさんは修士課程を修了後に就職する予定であり、Aさんの就職活動に関する情報は博士課程の同期を通して何かと耳に入っていました。
その同期によると、Aさんは10社以上の業界最大手の企業に応募し、彼が所属する研究室の中では相対的に多い数の企業に応募していたようです。Aさんが業界最大手にこだわっていた理由は定かでありませんが、予想通りほとんど全ての企業に受からず、彼が最も志望していたIT業界最大手にも受かりませんでした。結果として、Aさんにとっては不本意ながらも、行政の中では最大手と言っても遜色がない機関に就職しました。
Aさんが就職して約1年が経ち、同期と私は彼と食事をする機会がありました。その際に仕事の状況をAさんに尋ねたところ、彼は既に仕事にやりがいを感じておらず、IT業界に未練があるようでした。そこで、私はAさんにIT業界へ転職すればよいのではないかと提案しましたが、「今さら専門性のないIT業界へ転職することは厳しい」といった話をしていました。
知人も私もそれ以上は仕事の話をしませんでした……大学院を修了してわずか1年しか経過していない20代半ばの若者が、真顔でそのような話をしていたので私たちは呆れてしまったのです。そもそもAさんは業界最大手にこだわらなければIT業界に入れたでしょうし、IT業界に転職する場合においても第二新卒としていくらでも挽回できるからです。
今回の件で同期と私がAさんから得た教訓は、業界最大手という世間の尺度にとらわれ、自分のやりたいことを諦めるような人生は歩みたくないということです。同時に何事においても、世間の尺度にがんじがらめになるような人生を歩むことは断固として御免だと再認識するに至りました。
今以上のやる気につながります!