詩) 令和の挽歌

もはや小さなお菓子すら200円もして

半額の豚肉パックの足しになるかと迷うとき

あの平成と昭和のゆうげの集まりは何だったのだろうかと

赤飯を作ってくれる祖母は逝った

集団幻想の歪んだ常識と病室に阻まれ

待ち望む人の影も見ずに


ああ 組み敷かれる

物陰を恐れじと見据えたもの

それらが真実めいたものであったと

価値が今に跳ね上がる

しかし 孤独ゆえに誰に響くだろうか


私たちは一生懸命騙されたよと

そのツケは出来るだけ払うからさ

お前たちにあとは任せたと

致し方なく幽鬼と戦った大人たち背後には

破壊されたTVが山のように罪上っていて

あとは子供たちがその意味を推し量るだけ


完)ここだけの挽歌





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