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いつかは彼らのように・・・

今日は、ある病院で頂いた冊子を紹介します。
『ブラックジャックによろしく 大人のADHD編』です。
精神科医の斉藤英二郎先生が大人ADHDの理解の第一歩になれば、と作られた冊子です。

数量をミスしてしまう、優先順位が付けられない、片付けが出来ない、等
困難を抱え苦しみながら生活する患者さん達。
周囲から責められてしまい、自分は駄目なんだと思い込んでしまいます。
ADHDと診断され、適切な治療を受けることで自信を持ち、周囲と良好な関係を築いていきます。

診断される前の患者さんの心の苦しさは私にも覚えがあり、
切なくなります。
そして、周囲からの心無い声に胸が痛くなると同時に怖くなりました。

私も同じように患者さんへ冷たい声を浴びせてなかっただろうか。
集団の一人になって誰かを責めていなかったか。

自分がADHDだと分かったから患者さんの立場に身をおいて、辛さを真剣に考えるようになりました。でも、分からなかったら差別する人間側に立っていたかもしれない。

私は欠点だらけの人間ですし、差別意識がゼロとは言えません。
以前、記事に書いたように不用意な発言がかなり多いです。
誰かを傷つけていたらどうしよう、と思えば思うほど、いたたまれなくなります。
いたたまれなくなったところで言った言葉は取り消せないし、そもそもいつどこで誰に言った言葉を取り消すせば良いのか、それすら分かりません。
だからひたすら頭の中で、どこかに存在する誰かに、どうしよう、ごめんなさい、と謝っている状態です。

気を取り直して漫画の話です。
周囲の理解を得て前に進む患者さんの姿も清々しく書かれているので、読んでいて勇気づけられます。
また、ミニコラム「あの偉人もADHDだった?」も興味深いです。
坂本龍馬、エジソン、アインシュタイン、ピカソ・・・
歴史に名を残す偉人様が私達と同じADHDなんて!
と驚きを隠せません。
希望を持てるような、気恥ずかしいような・・・
あくまで個人的見解ですが、ADHDイコール偉人は安易すぎると思います。
彼らは自身の欠点をカバーする為、懸命に努力を重ね、"好き"に向かって一直線に突き進みました。
そして周囲の人々が彼らの"好き"を理解し、適切にフォローしたからこそ、歴史に名を残す「偉人」になったのではないでしょうか。
私も好きを極めれば、偉人までなれなくても、私は私のままでいい、と自分を肯定出来るのかな。
なんて思ってしまいました。
時空を超えて励ましてくれる彼らは、やはり偉人です。

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