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「5秒のことを200字かけて書く」練習

味わい深い文章を書きたいと、常々思っている。
その大きなヒントが見つかった。

ECサイトながら、読みものやYouTubeチャンネル、ラジオと、多彩なコンテンツを取り揃えている「北欧、暮らしの道具店」。
等身大、もしくはちょっと背伸びをすれば届きそうな、上品で穏やかな暮らしぶりをいつも提案してくれる。

読みものの新連載「5秒日記」は、このような出だしで始まる。

日記は1日のことをまるまる書こうとせずに5秒のことを200字かけて書くと書きやすい。5秒あれば物理も心理もそれなりに動く。何ごとかが輪郭をもった姿で目の前にあらわれる。

記事より引用

5秒のことを200文字かけて書く。
私が目指す文章に必要なのはこれだと確信した。

筆者の古賀及子さんはライター。noteで日記を更新しており、出版もされている。
noteを起点に活躍している方の多さを改めて実感した。

実際に日記を読むと、一つひとつの出来事に対して五感を丁寧にたどり、飾らない言葉で淡々と日常を紡いでいる。

漫画や小説といったフィクションでも「日常」を面白く描くのが一番難しいと、専門学生時代に習った。
さらにエッセイはセンスや人柄を試される。

話を戻すと、文章がどこか味気ないときは、まず五感の描写が足りていない。
加えて、心の揺れ動きを書ききれていない。

裏を返せばそのふたつを、自分が感じた通りに言葉として「出力」できればとりあえず成功だ。

上手くいった記事は過去にいくつかある。
いつもそれらのように書けるのが理想だ。

試しに、「5秒のことを200字で」をここで練習してみる。

息子の机が嫌いだと言い放ってしまった。
ただでさえ散らかっているのに、雑多に置かれたアニメのクリアファイルや、図工の授業のために買ったカラフルな紙皿が雪崩のように落ちてきたせいだ。
机は勉強をする場所なのに、宿題のプリント一枚置くスペースすらない。
だけど親からしてみればどうでもいいものも、息子にとっては大事なのかもしれない。
自分で片づけようと思うまで放っておこう。戻ってきた息子にいつものように謝った。

恥ずかしながら、育児に手を焼く未熟な母親の日常だ。

厳密には5秒の出来事ではないが、この内容が頭を巡った時間は5秒くらいだろう。

味わい深い文章は、事実を並べるだけでなく「どう感じたのか」を丹念に書いているものだと思う。
かつては流麗な文章が理想だったが、それはほかの人の個性であり、今の自分らしくない気がしている。
近頃小説離れしているのもあり、まだまだ練習が必要だ。


※ヘッダー画像はみんなのフォトギャラリーからお借りしました。ありがとうございます。

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