創作エッセイ(36) 作品によって文体は変わる
作品によって最適の文体、語り口が存在する。あくまで、その作家の個人的嗜好ではあるが、私はそう思う。
今回は、そんな文体や語り口について、自分の作品をネタにして語ろうかなと。
ハードボイルド文体
私が初めて挑んだ作品がハードボイルド活劇だったので、初めての文体がこれである。
例)1「薔薇の刺青(タトゥー)」
コンクリートとアスファルトで覆われた名古屋市は熱気がこもりやすい街だ。夏の暑さも酷いものだが、十月でも天気の良い昼間は街のアスファルトに熱がこもる。だが十一月に入り