創作エッセイ(38)長編小説の執筆管理

今回は長編小説を書いていくときの執筆管理の小技について。

何を管理するのか

長編小説の執筆管理表

私は写真の管理表で執筆における以下の項目を管理している。
・各章の字数
 何文字書いたのか
。実は勝手に書いている分にはあまり関係ないのだが。掲載依頼や掲載の許諾を受けて書いているときは、文字数が制限される。そのための管理である。個人的には、作者の内心のモチベーションを維持させる、「達成度の可視化」という側面が強い。
・各章のボリュームバランス
 これも特定の章が突出しないように管理するわけね。
・各章の各シーンでの主たる視点者。
 これは群像劇の場合、全体の流れの中で、特定のキャラだけが突出して出続けることで、読者の記憶から他のキャラが抜け落ちてしまうことを防ぐためである。また、登場するキャラを変えることで、別視点からの描写などを交えて時間の経過場所の移動を表現することができ、物語が一本調子の単調なものになることを防ぐ意味もある。

スケジュール管理も

 実は写真では切れてるけど、このエクセルの表に連動して、右側には半年程度の時間経過とガントチャートが書いてあり、三か月先の中旬までには~章の執筆終わらせるぞというグラフが書いてある。

原稿内容の管理

 内容の管理はシナリオ作法のようにプロットから箱書き状のものを作っているが、昨今はすべてポメラの中で済ましている。それを紙に落として参照するのだが、モニター越しのものがこの写真。

箱書き(左の画面がアウトライン表示)

ポメラで本稿の執筆に移行する際は、これの表示形式をシナリオ形式に変更する。

シナリオ形式の表示画面(表示形式が異なるだけでデータ形式は一つ)

そして、読み返すときは本や雑誌などと同様のイメージに紙に印字する。こんな感じだ。

読み返し用の印字出力。原稿のボリューム把握も容易になる

このような管理をしつつ、毎日少しずつ少しずつ書いている。長編小説は長い戦いなので、毎日グラフ化して、少しずつでも前には進んでいると作者自身を鼓舞する必要があるのだ。
だからこそ、書き上げた時の達成感はひとしおなのだ。

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