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デジタル文芸

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栗林元の小説作品集。1997年から初めたWEBサイト「デジタル文芸」から名前を取りました。サイトは休眠中ですが、創作活動は継続中。
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2023年5月の記事一覧

大魔神92(二次創作ストーリー)

(1997年 デジタル文芸「デジブン」掲載) このストーリーは当時(1992年)、大魔神リメイク…

栗林元
1年前

1700字シアター(11)骸(むくろ)参りの夢を見る

(2021/08/12 ステキブンゲイ掲載)  夢の中で私は少年だった。おそらく高校ぐらい。お盆の…

栗林元
1年前
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1700字シアター(10)煽り運転

(2021/05/15 ステキブンゲイ掲載)  夕刻の名古屋高速はかなりの交通量である。  その車の…

栗林元
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1700字シアター(9)キラーフレーズ

(2021/04/23 ステキブンゲイ掲載)  N市役所の会議室である。  N市は、市とはいえ小さな…

栗林元
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創作エッセイ(3)プロット~箱書き~本文

プロット~箱書き~本文(小説・シナリオ) 自分流の小説の書き方をまとめてみる。実は近々講…

栗林元
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1700字シアター(8)たはむれに

(2021/03/30 ステキブンゲイ掲載)  石川啄木の「一握の砂」の中の代表作に次の歌がある。 …

栗林元
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1700字シアター(7)スピッツの歌

(2021/03/07 ステキブンゲイ掲載)  日曜の朝、花見ドライブに行こうと言い出したのは妻だった。  四月に入ってすぐの土曜日の夜だった。通常の家庭なら何ら不思議はない言葉だが、今の我が家でそれを言い出すのは妻しかいない。  我が家は父である俺を筆頭に病んでいたのだ。  娘は受験のストレスで過呼吸を起こしたりしていて、先日メンタル医から双極性障害かもと言われていたし、父親の俺自身が、うつで勤務先を休職中だった。  同居している母は、 「孫はいったい誰に似たんだろうねえ」

1700字シアター(6)作家の才能

(2021/03/03 ステキブンゲイ掲載)  西森は小説家である。ただし全く売れていない不遇の作家…

栗林元
1年前
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1700字シアター(5)名古屋高速

(2021/02/10 ステキブンゲイ掲載)  日が沈んでようやく風が涼しくなってきた。アスファル…

栗林元
1年前
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1700字シアター(4)白い駅舎

(2021/02/05ステキブンゲイ掲載)  教会のような建物だった。高い天井はドームになっていて…

栗林元
1年前
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1700字シアター(3)コンサルタント

(2021/01/22 ステキブンゲイ掲載作品)  禁煙セラピー、それが俺の商売だ。禁煙したいけど…

栗林元
1年前

1700字シアター(2)「鬼ころし」の中の人

(2021/01/15 ステキブンゲイ掲載作品)  鬼ころしとは、日本酒の銘柄で、鬼のように頑健な…

栗林元
1年前

1700字シアター(1)おもてなし

(2021/01/15 ステキブンゲイ公開)  開幕5分前の陰アナが流れた。  まだ幕の下りたステー…

栗林元
1年前
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92’ナゴヤ・アンダーグラウンド(4)「約束の橋」

#創作大賞2023 第四話「約束の橋」(1993年 春)  岐阜市の柳ヶ瀬商店街は名古屋の大須と並び称された商業地区だったが、近年は、衰亡する地方商店街の例に漏れずシャッターを下ろした店が目立った。  開いている店の中にも、仕舞い忘れた正月用の飾りが店頭の隅で埃をかぶっているようなところもある。 「アーケードのせいなのかなあ、こっちの寒さはやっぱりきびしいですね」と山村が言った。  アーケードが通りの空を覆い、暖かいであろう日差しを遮っていた。代わりに蛍光灯の薄い明かりが

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