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【作品の物語】祭夜行

「祭夜行」
ハガキサイズ
和紙・銅版画



夜な夜な開催される
百鬼夜行。

今宵は特別にお祭り騒ぎ。

さまざまなお祭りを
混ぜ込んで、
遊び倒そう。

夜明けまでまだまだ時間がある。

【作者コメント】
久しぶりに銅版画を刷りました。
好きな技法の一つですが、美大を卒業する制作する機会が無く
今回個展用に特別に、用意しました。

今回の夜行は、日本各地にある踊りの中で私が好きなものを妖怪に踊ってもらいました。

①荒馬(あらま)

青森県の無形民俗文化財に指定されている今別町の伝統芸能。
田植えが終わり、田んぼの神が天に昇る時に農民が神に加護と感謝を表すための「神送り」の行事と言われています。
馬役を男性、手綱取りが女性のペアで踊りますが
馬役を猫又、手綱取りを河童で描きました。
「ラッセッラー、ラッセラー」の掛け声を「ニャッセラー、ニャッセラー」と言っています。

②中野七頭舞

岩手県下閉伊郡岩泉町小本の中野地区に伝わる郷土芸能。
五穀豊穰家内安全大漁を祈願して踊る中野七頭舞は2人1組の7組の14人で踊るのを基本としそれぞれ別の道具を扱います。
「先打ち」「谷地払い」「薙刀」「太刀」「杵」「小鳥」「ササラスリ」の7種類がありますが
釜の妖怪 釡鳴りには、ササラスリを担当してもらいました。

③エイサー 

沖縄で旧盆の最終日(旧暦7月15日)に行われる祖先をあの世へ送り出す念仏踊り。
エイサーを踊りながら町を歩き各家の無病息災や家内安全、繁盛を祈って、祖先の霊を供養するために行われます。
こちらはお狐様に踊ってもらいました。

④寺崎はねこ

石巻市桃生町寺崎発祥とされており、江戸時代凶作が続く中で、
豊作になった際の喜びを踊り跳ねたことに始まるといわれ、寺崎地区には永井地区から昭和初期頃に伝わったとされています。
他地域でも踊られいたそうですが、現在は寺崎のはねこ踊が唯一となっています。
ぴょんぴょん跳ねるような動きが特徴の為、唐傘に踊ってもらいました。

⑤ おくんち龍踊り

中国での雨乞いの儀式として行われてた龍踊りは、お祝いやお祭りの祭にも行われるようになりました。
布や紙などで張子の大きな龍を作り、数人または十数人が竿で頭上にささげて、ねり歩きます。
長崎のおくんち龍踊りが有名です。

その他
夜空に浮かぶ、提灯は全国に広がる提灯祭をイメージしました。


長い間人々に愛され、楽しまれてきたお祭り(舞)がテーマです。
お囃子が聞こえると、ワクワクしますよね?
そんな気持ちや伝統を大切にしたいと願った作品です。

限定の土入り和紙もあり







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