ディアエヴァンハンセンを観た

数日前に先述の映画を観た。日が経っても心の中から余韻が消えないのでここに供養することにする。

以前からアウルシティというアーティストが好きでよく聴いている。彼の曲のwaving through a windowを聴きながらなんとなく調べていたらどうやらカバー曲だったらしく、dear Evan Hansenという作品の曲らしい。

そのままその作品について調べると、「嘘から始まってバズった主人公」「手紙を取った他人が自殺した」、予測変換には「ディアエヴァンハンセン ひどい」
まあ観る気が失せる情報ばっかりだったがなんとなく気になったし観る気になってしまった。グレイテストショーマン作った人の過去作らしいし。アウルシティも思い入れがあってカバーしているんだろうし。

普段はディズニーとピクサーしか観ないし、ホラーもバッドエンドも嫌いなので進んで映画は観ない。最近見たディズニー以外の映画なんか人から勧められた作品しかなかったな。

しかも数ヶ月前までのわたしだったらわざわざアマプラで課金して観る映画なんかなかったけど今回は迷いなくお金を払ってレンタルした。
この話はまた別の回に言うことがあるかもしれない

とにかく、覚えている範囲ではじめて自発的に映画を観たいと思ってディアエヴァンハンセンを観た。以下やっと感想


なんというか、確かに批判する気持ちもわからなくはないがわたしは好きな映画だった。

主題は「人は誰しも孤独ではないよ」というものだったと思うがそれは刺さらなかったな。

それよりも
「今日のことはいつか過去になる」「人っていろんなものを抱えているし1人の人に見せている面が全てではなく1面1面を組み合わせてやっとその人になる」みたいなメッセージを感じ取った かな

主人公のエヴァンに心動かされるみたいなことはなかったかもしれない

一方で故人のコナーについて追っていくと、実際映画内ではほとんど何も語られていないしネットで考察などを探してもほとんど何も出てこなかったんだけれど彼の人物像とか苦悩に少しは近づけたかななんて、

彼は確かに生前の周りからの評価は暴力的で最悪だった。でも確か高校生だったな、わたしも高校生の頃家で暴れていたことはあったし気持ちがわからないことはないかもしれない。

本当は家族のことを大切に思っていても普段の態度を考えると今更恥ずかしくて仲良くできないし、何かやらかすと事情を知ろうともせず「ほらね」って言われる。わかってくれないことでイライラは増すけど暴れた後に後悔と反省はするしなんで自分ってこうなんだろなーって考えてしまう。
多分こういう人は少なくないだろうしこの気持ちはこの経験がある人にしかわからないな。

その結果辛くなって薬に逃げて、本人の意思の有無は知らないが死んでしまうっていう。周りの環境がっていうよりそんな自分が嫌で仕方なくて、でも変えられないのが辛かったんじゃないかなと思う。

学校でエヴァンに話しかけてギプスに名前を書いてくれたのはなんだったんだろう。「お互いに友達がいるフリができて良かったな」的なことを言っていたと思うが、孤独ではあったものの人と関わるのを諦めきれていなくて、友達ができたらいいななんて思っていたのではないか。手紙を読んでブチギレたのは大切な家族をダシにされたように感じたからではないのか。家族思いでは?

あと、手紙を破り捨てるでもなくそれを持ったままであったっていうのは、少しくらい手紙に共感する部分があったのではないか。「自分がいなくなっても誰も気にしない」の部分とか?
先述の通り自己肯定感なんてなさそうな人物が周りからも気にされなかったら終わりなんだろう。それこそ死ぬのを止めるものなんてなくなる。

最後の方に出てくるA Little Closerの弾き語りがすごく好きだった。today…っていうのは、いつも本当にうまくいかないけど今日はマシだった気がする、今日はうまくやれた、今日は。これからもいけるかな?みたいな気持ちが現れてた気がする。わたしがそういう気持ちになることが多いからそう思うだけかもしれないけれど。

この映画で取り上げられているのは「孤独であった場合、音を立てても音を立てたと言えるのか?存在が消えても誰もづかないのではないか?」に対しての「誰かが見つけてくれる」というアンサーだ。

それを踏まえると、コナーは最低な毎日を過ごしていてその原因は自分だし誰からも理解されないし。こんな自分はいなくていいや、となってしまったのかなあと。

彼の表面ではなく本心に気づいて寄り添える人がいたら死んでいなかったのではないかと思う。味方がいないって辛い。書いていて思ったのだがコナーはわたしに似ているのではないか?

わたしがあなたを見つけた、と言いたい。
わたしがこの映画を好きだと思った理由は、似ている人物がいることで自分が救われた気になったからだと思う。


Twitterで感想を漁っていたら、「精神が元気な人には刺さらないが、何か欠けた部分がある人にとっては良いと思えるものがある」というツイートを見かけた。すごく腑に落ちる意見だった。

刺さる人にこの作品が届くといいと思う。

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