![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/106802172/rectangle_large_type_2_7bd717980d74c8d83c30563ab51e9513.png?width=800)
Photo by
otatakahiko
【エッセイ】比べる必要はない
これまで数十年生きてきて、何度となく、こんなフレーズを見聞きすることがありました。
「広い空(あるいは星空や海等々)を眺めていると自分の悩みなんか、ちっぽけに思えてくる」
私もそう考えていた時期があります。辛いとき、気晴らしとして空を眺めたり、プラネタリウムに出かけたりして、「ああ、こんなことくらいで悩むなんてね」とか。
空を眺めるのが好きだったのを、当時はそんな方向へ向けていました。
しかし、今、切に思います。
自分の感情を何かと比べる必要なんてないって。
この詩は、その思いが言葉になったものです。
「もっと大変な人もいるから」
「この程度で辛いとか言ってちゃいけないし」
「こんなの苦しいうちに入らない」
「〇〇さんはもっとしんどいんだから」
こんな言い回しを、これまでたくさん聞いた、あるいは聞かされてきた人は多いと思います。
だけど、たとえば「もっと大変な人がいる」ということと、「自分の辛い気持ち」を比べる必要がどこにあるのでしょう? ましてや、それを他人に押しつける必要はもっとありません。また、比べないことで、「もっと大変な人」を軽んじることにもなりません。
何かと比べて、自分の感情を矮小化して、無理にポジティブに考えてやり過ごしてしまうと、きちんと向き合えなかった感情が燻り、場合によっては捻れたりして、いつまでも残ってしまう(これは「経験者語る」です)。
あなたの悲しみは、そのままの悲しみでいい。
なぜ悲しいのか。なぜ辛いのか。なぜ苦しいのか。それを自分に聞いてあげる。そして、向き合って、受け容れると、自然と前に進むことができると、私は感じています。
いただいたサポートは、創作活動へ循環させていきます。