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再録ハコボレ落語研究会『世別レ心中』本番楽屋噺〜千秋楽編

おまくら

ええ、どうも。本日も相変わらずの一稿のご愛読願います。
千秋楽を終えて、みなさまにご挨拶。そして舞台は空っぽになり、劇場に戻っていく。その作業の横で楽屋も空っぽにしていく。
一人の楽屋。衣装を畳んで、小道具をしまって。腰道具を納めたらもうおしまい。あっけない。その寂しさと日常に戻る感じに高揚感がないのは、これからも芸の道が続いていく証だなと。



本番終えて何想う

最後は舞台上からのご挨拶。
「良い舞台をいただきました」これに尽きますね。
一人じゃ成得ない『一人芝居』ここまでたくさんの方に導いて頂きました。
スタッフの方はもちろん。劇場の職員の方々。
宣伝アドバイスしてくれた方。王子の地元の方々。
今回たくさんのご縁を繋いでいただいた北川さん。
最小の座組みの中で、ひとりひとりの最強で成り立った舞台です。
受付から始まり、送り出しまで。みんな丁寧な仕事をしてくれました。
『世別レ心中』を支えてくれた皆さん、本当に感謝しています。

そして何より、この時世の中で劇場に足を踏み入れてくれたみなさま。
ひとりひとりが観ていただき、言葉を広めていただいたおかげで、最終日にもたくさんの方がお見えになっていただけました。
「落語に興味を持った」「寄席に行って観たい」「面白い芝居でした」
その一言にとても救われています。
落語家以外が落語を語る意義。そして演劇畑の方と落語畑の方を繋げる橋渡しの役割が今後の目標になりました。

たくさん出会いと別れを考える公演になりまして、とくに人と人の別れについて丁寧に向き合って作品にとりくみました。鬱蒼としていた胸が最後、晴れ晴れとした気持ちで全8ステージを終えることができたのは、応援いただきましたみなさまのお力添えのおかげでございます。

舞台を生きることをやめれない。かといって、誰かと心中することも許されない。この時代に挑む『業』を決意した同志に響いたなら、これほどの喜びはございません。

その言葉に集約して、今回の『世別レ心中』を締めくくりたいと想います。

良い舞台をいただけました。
誠にありがとうございました。

ハコボレ主宰 前田隆成

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