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再録ハコボレ落語から演劇へ『世別レ心中』稽古場こぼれ噺②

おまくら

ええ、どうも今宵も一稿のご愛読をお付き合い願います。

今日は一週間の大阪稽古を終えて、東京にて稽古が始まりました。
午前は筋トレとアップ。そして一通り台本を読み口を馴染ませたらお昼になります。体が重いのでしっかりとストレッチ。ずっと参考にしてるのはYouTubeで筋トレ動画を投稿されている「ひなちゃんねる」明るい気持ちで健康になれるので、筋トレ初心者から中級者までオススメします。私は初心者です。午後は15時まで喫茶店に入り、事務作業。その後に稽古場に戻り一人で稽古を重ね、夕方の通し稽古に向けて準備を。今日は通し稽古を終えた記事を書こうかと。


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演出される喜び

さて。本日から稽古場に来て演出をお手伝いいただくのは、北川大輔さんです。北川さんは、私が東京へ出てきて初めて関わった劇団カムヰヤッセンの主宰であり、脚本、演出家の方です。カムヰヤッセンは小劇場へ踏み入れた原点であり、そこのボスが「僕であるから」という理由で手を貸していただけるのは本当にありがたいです。

今回の「世別レ心中」の通し稽古の後、北川さんがまず「脚本」について褒めてくださりました。それがかなり嬉しくて。僕の本公演の脚本は北川さんに少なからず影響を受けているので、師に褒めていただく喜びは素直にうれしかった。「脚本がよくできている」これはかなり自信になりました。
逆に、「芝居やなあ」とタバコを吸いながらつぶやいた姿を見て、ビクっとなりましたが、ここから全体を見た感想と意見交換の時間がかなりアツかったです。

この芝居のどこをドラマのピークを持ってくるか。それに対する提案が的確で。俳優の視点。脚本家の視点。演出家の視点と北川さんは三つの視野で言葉を投げかけてくれる。演出をされる喜び。この物語がより面白くなり、俳優としてより高いところを見てくれる。この感覚は久々で。北川さん曰く、一人でよくここまでやってきたよ。だけれど一人ではディレクションできずに辿り着けない部分は絶対あって。こうして対話の中で演劇は育っていくんだよ。と教えてくれた。今までの孤独感から脱したような。この作品がよりよくなる予感。そしてチャレンジできる幅、私の視野が広がるのが嬉しい。
高校演劇を思い出す。前のも記事に書いたと想うけれど、私はダメ出しをもらうのが好きだ。自分で見えていない視野で、作品をよりよくするための発見を専門的にしてくれる方がいる。これはありがたい。
バロメーターの話をしてくれた。僕は、演出家とてのバロメーターが低い。
それは納得していて、僕自身も語るときに俳優と脚本を名乗ることが多い。演出に対する苦手意識があった。それも北川さんは簡単に見抜いていた。
弱い部分も、強い部分も教えてくれる。弱い部分への向き合い方も解いてくれる。今日だけですごく楽しかったし、熱が入った。そういう意味で、今日はアツかったなあ。

ノートの復唱

※これからは、自分の乱筆したノートを復唱するために、ダメ出しを箇条書きにしていこうと想う(ネタバレにならない程度に)
心。嬉しかったこと/評価されたこと。
 脚本を褒めていただいたのは嬉しかった。伏線と「落語から演劇へ」という構造がよくできている。よくできているだけに、演出(芝居)でもっと遠くへ行けるし、今回は前回の一人芝居を達成している感動よりも「物語」そのもののドラマで感動を得ようよ。と言ってくれたこと。本当に良いと思ってくれたんだと染み込んで嬉しかった。

●芝居中のアドバイス。
・冒頭、落語へ入るまでをもっと丁寧に。この最初の語りの情報を落としたくないので、もっとゆっくりで良いし、「本」を開くというところを、執拗に魅せた方が良い。→それは、今回「本」を落語で使う「手拭い」で見立てているため、落語が初めての客様にはそれは、ただの「手拭い」だからより最初にわかりやすく提示する。

・落語。落語の冒頭はもう少し演劇よりでもいいのかもしれない。落語の言い回しと語り口だけでは最初に物語へ引き込むのに幅を狭める⇨ここももっとゆっくりとしたテンポと、リアクションを取る。受けるということを意識して、もう少しゆったりとしよう。落語の人物を豊かに描くことにより、後半の演劇がより生きてくる。

・一人芝居での役の切り替え。相手がセリフを放った後の、受け手のリアクションが全体的に弱い。結果、全体的にお客様が息をつけない、テンポが早くなっていくし、呼吸も浅くなる。

ギャグに対する諦めが早い
これは致命的だ。脚本を書く上で自分なりのくすぐりのポイントを入れているが、自身の無さからすぐに次へ次へと流してしまう。振りをして、オチてから、次が早すぎるから、結果めっちゃ滑ってるし焦ってるような印象。これは恥ずかしい。気持ちはわかると言ってくれた。ちゃんと面白いのだから、ちゃんとしようよ。と。くすぐるシーンもスカしていたなというのは、これは独りで芝居を作ると陥りやすく、いいように見せようとするから苦手意識のある部分はどんどん薄れていく。いやあ、見抜かれるのはすごい恥ずかしいけれど、なんか、嬉しいという。そんな気持ち。ほら、この部分だけめっちゃ書いてるし。動揺と諦めの速さが露骨に文章量に出ているぞ☆
そんな自信なき私へアドバイス。
「大丈夫ちゃんと本は面白いから、ちゃんと芝居をすればよいよ。
ざっくりした話だけれど、要は最後はどんな汚い手を使っても笑いをとれるシーンは取りに行こうよと。」そんな鼓舞をしておます。

◎セリフの引っ掛け方。
・引くことによって得られる効果は、押すことによっても同じ効果が得られる。⇨なるほど。やってみよう。

・あとは、諸々のセリフの言い回しと、脚本の軽微な言い回しは今晩修正。

おやすみまえに

という、大阪でやってきた稽古を見てもらって。新しい「世別レ心中」が生まれる予感がしている。今日。いただいたダメ出しを生かすも殺すも。体現するのは前田隆成なのだ。「一人芝居」だけど独りでない。を痛感する1日になった。今日もおやすみなさい。また皆さんに面白い作品を届けれるように頑張ります。

さて、公演まで残り10日。お席のご予約もいただけますと嬉しいです。
執拗なくらいの告知になりますが、ご贔屓に見守ってもらえると嬉しいです!是非、チケットのご予約もよろしくお願いいたします!!

遅い時間までご愛読感謝します。

公演の詳細です。

再録ハコボレ落語研究会
「世別レ心中」

◎日時
4月8日(木) 18:00
4月9日(金) 15:00/18:00
4月10日(土) 11:00/15:00/18:00
4月11日(日) 11:00/15:00

◎会場
花まる学習会王子小劇場
東京都北区王子1-14-4 地下1F

◎チケット料金
前売:2000円
当日:2500円
あさハコ:1500円 ※11:00の回のみ

-----作品内容-----

◎作・演出・出演
前田隆成

◎古典落語「鰍沢」のあらすじ
旅人は身延山に参詣へ向かう道中、吹雪に見舞われた。遠くに灯りを見つけ尋ねてみると、美しいが喉元に傷のある「お熊」と名のる女が現れた。見覚えがある彼女は元、吉原の花魁で旅人も一夜を明かした過去がある。羽振りの良い旅人に、お熊はそっと卵酒を差し出した。雪山のあばら屋から鰍沢へ駆ける、一夜の物語。

◎演劇「世別レ心中」のあらすじ
旅人は激流を下る際に、本当にご利益があって助かったのか。お気楽なニンゲンの言い伝えに嫌気がさすモノがいた。彼らの村に伝わる「鰍沢」の伝承とは話は少し違う、旅人との関わり。ケモノの九太はあの夜目にした真実と森に伝わる呪いについて語り出す。


おやすみなさい

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