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「花は自分の咲き時を知っている」という言葉に思う

こんにちは。ガーデンプランナーのhacoです。最近ふと見かけた言葉に「花は自分の咲き時を知っている」という言葉があります。今日はそんなお話です。

水仙が順番に咲く不思議

植物は本当に不思議です。
今まさに水仙が順番に花を咲かせようとしています。日本水仙は終わりを迎え、その後日本水仙の八重咲が咲き…日本水仙の黄花…毎年順番通りに咲いていくのがとても楽しみです。

そして、毎年、この順番が変わらないことが嬉しくもあり、不思議でもあり。
年上の人にはいつまでたっても年が追い付かないのと、同じような感覚です(いや、違うかな。)

👇水仙のお話はこちら

花はなぜ咲くのか

庭に咲いた花、花壇に咲いた花が『きれいだきれいだ』と、花を愛で、花が終わるとその花の事を忘れて次の花を追いかけるのが、当たり前と言えば当たり前のことです。

それでも、散った花はそこで終わりではありません。植物にとって大事なのは、あくまでも「種を残すこと」なのです。

そんなシンプルなことを理解すると、ある時突然、例年にないほどの花をつけたヤマモミジの樹の事を、『きれいだきれいだ』とは言っていられませんでした。

職人さんと共に、それはそれは大量に花を咲かせたヤマモミジを見て、『こんなに花をつけて、大丈夫なんだろうか?』何か私たちにメッセージがあるんじゃないか?と不安になったのです。

案の定、その年の夏の終わりに、そのヤマモミジは調子を崩して秋が来る前に大量の葉を落としました。心配が的中したのです。

これを、科学的なとか何か専門用語で説明できないもどかしさはありますが、種を残す事に力を振り絞ったのかな?

さくらさく

受験シーズン真っ只中ですが、合格を植物に例えて「さくらさく」と言うでしょう。きっと卒業や入学のイメージといえば桜の花なのでしょう。

そして、もう一つの意味として考えられるのが『休眠打破』
さくらの花の開花には、一定の寒さが必要だと以前も書いたことがあります。冬の一定期間の寒さを経験して初めて、春の暖かさと同時に花を咲かせるのです。

受験生の寒い時期の努力があって、春に合格を手に入れるという意味なのかな。と思ったり。(どうかな?)

【休眠打破】
は夏に翌春咲く花芽を形成する。いったん休眠に入った花芽が、冬季に一定期間低温にさらされ休眠から覚めること。その後の気温上昇と共に花芽は成長して開花に至る。冬暖かすぎると春先の気温が高くても開花が遅れることがある。桜の開花予報の大きなポイント。
コトバンク「休眠打破」

👇植物の冬の様子を書いているのがこちら

花は自分の咲き時を知っている

この言葉を目にしたときに、あるご相談者様とのやりとりを思い出しました。
その方は遠方の方で、お庭のご相談に際して図面と写真を送ってこられました。

そして矢継ぎ早に、「(ここに合う)おすすめの樹はなんですか?」と聞かれたのです。

私は、返答にとても困りました。
図面を見て写真を見て、即答できるほど私は優れてはいません。

そのお客様の人となり、そのお庭が屋内からどんなふうに見えるのか。その土地のその樹を植えたいスペースの風の流れ、日の当たり具合。それを感じて初めて提案ができるのです。

私はただ、図面と写真とを見るだけで、簡単にこれなら大丈夫!と、決めることできません。
なぜなら、花は自分の咲き時を知っています。
その土地に植わって、「よし今が咲く時だ。」と自らが思ってくれないと、咲きはしないのだから。

だからこそ、現場を見てその空気を感じて、その場所に合いそうな樹に相談するのです。「こんな場所だけど、そしてこんな方のお庭だけど、やっていけそうかな?」と。

だいたいのパターンで、こんな場所ならこんな樹。というテンプレートを私は持っていません。(おかげでめちゃくちゃプランに時間がかかるのですが。)

せっかくなら、どうか無事に新しい住処で樹木が花を咲かせて欲しいし、長生きもして欲しいと思うから、いちいち悩むのです。

植木屋さんや植木の生産者さんはのんびり

植木屋さんや植木の生産者さんとお話をしていると、とてものんびりした方が多いです。
いや、のんびりと言うより、植物自身が生きようとする力を信じているのかもしれません。

いつかそのあたりも書けたらな。
と思っています。

では、今日はここまで。
今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。

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