『テイカカズラ』と、それにまつわる「恋のお話」とか「散歩の話」とか
こんにちは。ガーデンプランナーのhacoです。山ではスイカズラに代わって、テイカカズラが咲き始めました。今日はテイカカズラのお話です。
テイカカズラとは
テイカカズラは、日本の野山に古くから自生する蔓性の植物です。蔓や葉は有毒とされていてちぎった時に出てくる樹液に被れたりする人もいるので注意が必要です。
花はちょうどこの5月末から見られるのですが、いつも梅雨に入っていてなかなか写真を撮ったり近くで見ることができなかったのですが(山に生えているから。)今回は運良く写真を撮ることができました。
とても香りが良く、ジャスミンの、そうスイカズラの香りにもよく似ています。とても甘い香りですが、スイカズラほどの強さはありません。それでもこの良い香りの為に「つるクチナシ」と別名が付けられています。
テイカカズラの名の由来
テイカカズラの「テイカ」はあの藤原定家からついたものだと言われています。そしてそこには悲しい恋のお話がありました。
他にもテイカカズラの名前の由来は諸説ありますが、このお話の前までは元々テイカカズラは「マサキノカズラ」と呼ばれていたそうです。
テイカカズラの蔓
結果的に、その式子内親王のお墓に絡みついたテイカカズラは、僧侶の読経によって一旦は綺麗に剥がれ落ちてしまうのですが、また数年後にはお墓にはテイカカズラが絡みついていた。
と言うお話も続きてあったりするそうなんですがね、それくらいある意味執念深い植物です。
テイカカズラの茎(つるの部分)には「気根(付着根)」があるため、岩や塀などはつるを這わせながら、根を張っていきます。時間が経ったそのような状態のテイカカズラを取り除こうと思うと、根を張っている側を傷つけないように慎重に行う必要があります。
蔓の這う家に住んでいた人物は
そうそう、そんなテイカカズラが覆う家に晩年住んでいたのが「方丈記」を書いた鴨長明だと言われています。
方丈記の現代語訳を見つけました。そこで「まさきの葛」と出てくるのがどうやら「テイカカズラ」なのではないか。と言われています。
鴨長明のお散歩
方丈記は「行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。」から始まる随筆で、その時に起こった震災についての記載もあることで有名ですが、「心の章」をよくよく読むと、鴨長明の暮らし中にいくつもの植物の名前が出てきます。
そしてどうやら、鴨長明もお散歩が気分転換になっていたようです。なんだかとっても親近感(笑)
青空文庫にもありましたので、一応リンクを貼っておきます。ちょうど真ん中から後半あたりに「まきのかづら」と出てきますよ!
まとめー植物を知ることとは
去年の9月からnoteを書いていて思うことがあります。
植物を知ることは、できればその植物が人とどう関わってきたのかを知り、より身近に感じてみたり、ちょっとその植物に興味を持ってみたりすることから、皆さんの植物への「好き」が深まればいいな。と。
葉っぱがどんな形をしていて、どうやって子孫を残してきたのか、それももちろん大事なのですが、その植物に対して先人がどのように関わり、どう感じていたのか。それが案外、今も昔もさほど変わらないのが面白いな。と感じたりするものです。
そうそう、鴨長明と私のお散歩スタイルがそもそもあんまり変わりがないんですから。皆様もどうぞ心を慰める時、気分転換したい時はお散歩してみてくださいね。
さてさて、今日はここまで。
今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。
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