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樹木の不思議な話

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ガーデンプランナーの私が、実際に庭や自然の中で出会った植物とその植物をもっと好きになってもらえるような、面白いお話を書いています。 簡単な画像+植物の名前をご紹介してます。 ご質… もっと読む
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記事一覧

<旅の記録>鹿児島県南大隅町 南国の自然パワーを感じた最南端「佐多岬」への旅②ジャングル体験

こんにちは。ガーデンプランナーのhacoです。 先日、九州本土最南端「佐多岬」への旅の導入部分、そこに辿り着くまでのお話を書きました。今日はその続きの本題です。 ↓ちなみに1話 佐多岬のジャングル体験佐多岬は北緯31度線上に位置するとても温暖な場所だと言うことは、前の記事でも書きました。 ちょうど亜熱帯に分布する植物の北限とされている地域なので、明らかに植生は南国の雰囲気。 佐多岬への道のりは、佐多岬ロードパーク(現在は町道佐多岬公園線)を車で走ります。佐多岬の観光開発

<春の庭から>未来の景観をどうつくる?桜にも寿命があるのよ

こんにちは。ガーデンプランナーのhacoです。 先週末は、どこもかしこもお花見の話題でもちきりでしたね。 そんな中「桜の移植はできるのか?」について質問があったので、今日はそのお話から私が感じていることを書いてみようかと。 桜は移植できるのか桜は、基本的に移植(一方の場所に植わっていた桜を別の場所に移動する。)するには難しい木だとされています。 それでも、見事な桜をどうにか別の場所で見たい!この桜を残したい!と言った場合には移植することは可能です。 大きな樹になればなるほ

《春の庭から》紅花常盤万作(ベニバナトキワマンサク)の大木

こんにちは。ガーデンプランナーのhacoです。 先日、母のお世話している道路脇の花壇に、なんと車が突っ込みまして(全然知らない人)大きな怪我人は出なかったものの花壇を見事に車が突っ切って石をぶっ飛ばし。悲惨な状況となりました。 その花壇には、いつの間にか大きく育った紅花常盤万作(ベニバナトキワマンサク)は事故の影響のない場所だったこともあり、ちょうど満開になっていました。 今日は、その花壇の話ではなくてそのベニバナトキワマンサクのお話です。 紅花常盤万作(ベニバナトキワマ

《春の野山から》菜虫化蝶(むしはなちょうとなる)そして山桜満開宣言!!

こんにちは。ガーデンプランナーのhacoです。 お天気の崩れや強風、春の陽気からの寒の戻りと、気候の変化に対応する服を朝考えることも多いこの季節。 そろそろ桜の便りも聞こえて来るのでは。と思っていらっしゃる方も多いかと思います。 さくらはまだかいな我が家は海辺にあるため、寒暖差が比較的穏やか。 そのため、どこよりもゆっくりとソメイヨシノが咲き始めます。その理由については、こちらの記事に書いていますのでよかったら読んでみてください。↓ 今年も暖冬でしたので、きっと桜の開花は

《春の庭から》noteから毎年のミモザを振り返りとわが家のミモザもご紹介

こんにちは。ガーデンプランナーのhacoです。 この時期の楽しみといえば、ミモザ!お客様のお庭でも「今年もミモザが咲いたよ。」と嬉しいご報告と共に、お裾分けがありました。 ありがとうございます。 noteからミモザを振り返るそう、去年も、その前の年も。 この時期はミモザに塗れて過ごしておりまして、ミモザ好きさんにはそれはそれは羨ましい景色のようです。 去年のミモザも、その前の年のミモザもとても綺麗だったのですが、いややちょっと待ってよ。 今年のミモザ、例年より5日ほど早か

<土>と<根っこ>を見たらーその樹の生い立ちと生きる意志を感じた話

こんにちは。ガーデンプランナーのhacoです。 ちょっと油断していたら、すっかり間が空いていました。 その間に一つ、樹木の移植作業があったのですが、その時の話がとても面白かったので今日はそのお話です。 根っこが寝ている間にお引越しこの寒い時期の移植は、落葉樹には最も適した時期です。 なぜなら、根っこ(そもそも樹自体ってこと?)が休眠状態だから。 想像してみてください。 あなたが寝て、起きたら別の場所に移されていたら。。。 びっくりするでしょうが、その場所が寝ていた場所と同

樹になる気になる実のなる樹ー「モチノキ」とトリモチとトリと共に生きる

こんにちは。ガーデンプランナーのhacoです。 日暮れが早くなってきたなあ。と感じるとともに、日暮とともに吹く風も冬らしい冷たい風になったと感じる今日この頃です。 今日は今赤い実を付けているモチノキのお話。 モチノキとはモチノキの名前の由来は、その樹皮から鳥を捕獲するための「トリモチ」が取れることからついたという話は、昔、実家に出入りしていた造園屋さんに聞いたお話。 しかし、この年になってよくよく考えてみたら「トリモチ」で鳥を捕まえる。なんて、どういうこと!?何のために!

樹になる気になる実のなる樹ーどんぐりが実った理由

こんにちは。ガーデンプランナーのhacoです。 今日は、久しぶりにどんぐりのお話。 アラカシとはどんぐりという名前の樹はありませんよ。と、このnoteを書いた最初の頃にご紹介したのですが、このアラカシは、どんぐりの実をつける樹の一つです。 そもそも、「どんぐり」は分類上は「堅果」と呼ばれ、その「堅果」の中には、私の大好物の栗や、どんぐりとは全く違う様子のクマシデ(カバノキ科)の実もそこに分類されます。 どんぐりの樹には、アラカシのような常緑樹ばかりでなく、どんぐりの中でも

note2周年ーガーデン記事のまるっと振り返り

こんにちは。ガーデンプランナーのhacoです。 noteを初めて、2年が経ちました。たくさんの方とのnoteを通しての出会いに感謝。 2年間のnote振り返り2年間で453本の記事を公開。実は未公開を含めると483本(笑) 書きかけのまま、下書きのままの記事も意外に溜まっています。 さて、今回は2年間の振り返り。 2年間で一番読まれた記事BEST5を振り返ってみようと思います。 第一位 庭の金木犀でモイストポプリの簡単な作り方 noteを初めて10日ほどで、突然バズっ

<旅の記録>熊本県宇城市ーレトロな三角西港とアオギリ

こんにちは。ガーデンプランナーのhacoです。 梅雨明けしたのか?と思うほど3連休はお天気に恵まれ、絶好の海開き日和となりました。皆様はどのように過ごされましたか? 私は、ひょんなことから熊本県宇城市の三角港へ立ち寄ることになりました。 ちょうどお昼時で、お昼ご飯を食べる場所を探していたところにGoogleマップが示した場所が、たまたまそこだったのです。 熊本駅から車で1時間、天草へ渡る橋の手前にある場所です。 世界遺産「三角西港」一歩足を踏み入れると、一帯が明治の建物

<旅の記録>鹿児島県薩摩川内市ー藺牟田池に生息する不思議な木「ラクウショウ」

こんにちは。ガーデンプランナーのhacoです。 先日、藺牟田池のお話を書きました。そこで、「藺牟田池」は、植物好き自然好きにはたまらない空間だとご紹介しいました。 ざっくりそう書いたのですが、どうしてもご紹介しておきたい藺牟田池の植物があるので、改めて。 今日は藺牟田池で出会った水の中から生える「ラクウショウ(落羽松)」という木のお話です。 ラクウショウとはアメリカが原産国で、日本へは明治時代初期に主に鑑賞を目的として入ってきたと言われています。湿った土地を得意とするため

樹になる気になる実のなる樹ー初めましてシナアブラギリの花

こんにちは。ガーデンプランナーのhacoです。 季節は巡り巡って、今日は夏の暑さを感じる気候になりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。 天草への花旅先週末、ひょんなことから熊本県天草市に行ってまいりました。 私の街からは、フェリーに乗って30分足らずで着くご近所の島です。せっかく私の街へ訪ねてくださったなら、是非、足を伸ばして欲しいな。と思います。 天草へ渡った日は、生憎の霧雨の一日。 せっかくの良い景色が。。。と思うとちょっと残念でしたが、それを吹き飛ばすとても綺麗な

春の庭からーハクモクレンの観察と「モクレン」と言えば何色?

こんにちは。ガーデンプランナーのhacoです。 ここ数日、春の陽気となりまして春の花木があちらこちらで咲き始めました。皆さんはどんな花木と出会いましたか。 私が毎年楽しみにしているのは、大きな大きなハクモクレンです。家の裏からしか見えないのでこの美しいハクモクレンを独り占めしているようで、この花が開き始めると、なんだかとっても特別な感じがします。 ハクモクレンとはちょうど1年ほど前の記事で書きましたが、ハクモクレンは「世界最古の花木」と呼ばれていて、花は恐竜の貴重なビタミ

初春の庭からー椿あれこれ 和菓子のような椿がかわいい

こんにちは。ガーデンプランナーのhacoです。 気付けば確定申告の受付もスタートし、年度末の駆け込みの仕事もあっていよいよ2月も終わりだなあ。と思う今日この頃。 あちらこちらで咲いていた椿の花も、そろそろ終わりを迎えようとしています。 椿とは椿は、日本人にとって古くからとても馴染みの深い植物です。そして、その美しさから世界からも注目され、現在世界中に様々な品種が生まれています。 日本国内だけでも2,000品種以上が、栽培されているそうです。 ガーデンプランナーの仕事を始め