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《春の野山から》菜虫化蝶(むしはなちょうとなる)そして山桜満開宣言!!

こんにちは。ガーデンプランナーのhacoです。
お天気の崩れや強風、春の陽気からの寒の戻りと、気候の変化に対応する服を朝考えることも多いこの季節。
そろそろ桜の便りも聞こえて来るのでは。と思っていらっしゃる方も多いかと思います。

さくらはまだかいな

我が家は海辺にあるため、寒暖差が比較的穏やか。
そのため、どこよりもゆっくりとソメイヨシノが咲き始めます。その理由については、こちらの記事に書いていますのでよかったら読んでみてください。↓

今年も暖冬でしたので、きっと桜の開花はゆっくりになりそうですね。

山桜(ヤマザクラ)満開宣言

ヤマザクラ バラ科 サクラ属
落葉高木 

ソメイヨシノに比べると随分と優しいうっすらとしたピンクの花と、花と同時にで始める若葉がとても美しい日本の固有種の桜です。
寒い地域を得意としないため、北限は宮城県や新潟県で、ヤマザクラというだけあって、鹿児島県をこの時期にドライブしていると、時折山の緑に混じってこの花のピンクが見えたりします。

我が家の近所のヤマザクラ

日本の固有種ーヤマザクラ

ヤマザクラは日本の固有種です。
先ほど書きましたが、ヤマザクラは山に自生しているサクラの総称で、厳密に分類すると10種(11種?)ほどになるそう。

因みにヤマザクラ同様に暖地に分布するオオシマザクラも日本の固有種で、ヤマザクラより少し後に咲くこと、そして色が花びらの先の方が割れているところで判別することができます。

しかし、山に咲いているからとヤマザクラと決めつけるのはちょっと待って。
バラ科同士で自然交配(自然状態の元、人の手を介さずに行われる交配)もすることから、似たもの同士から生まれたまた新たな品種が誰も知らない山の中で生まれていないとは、言い切れません。
だって、ソメイヨシノもそもそもはオオシマザクラとエドヒガンの自然交配によって生まれたのですから。

去年の散るソメイヨシノ

和歌とヤマザクラ

万葉集に出てくる桜は、このヤマザクラを詠んだものだと言われています。そもそも、ソメイヨシノのブームは江戸時代。
それより先の時代のシダレザクラのブームも平安時代だったそうで、万葉集の時代(飛鳥時代ー奈良時代)はまだまだ梅を見て「花見」をするのが主流でした。
そこから古今和歌集の平安の時代になって、桜の人気が高まってきたのです。

多くの和歌に、たくさんの植物が登場しますが、そこで見かけるのが「散る美しさ・儚さ」について詠まれた句が多いこと多いこと。
梅から桜へと人気が移っていった背景には、梅とは違う、桜のハラリハラリと潔く散っていく姿に心惹かれた歌人が多かったからかもしれません。

伝説の美女の見た桜

小野小町といえば、絶世の美女だったと言われていますが、年齢を重ねることで衰えていく自身の美貌について桜と照らし合わせて詠んだ句が有名です。

花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに 小野小町
(現代語訳)
桜の花の色は、春の長雨が降っている間にむなしく衰え色あせてしまった。ちょうど私の美貌が衰えたように、恋や世間のもろもろのことに思い悩んでいるうちに。

ん…気づきますよね。絶世の美女でも。自分の年齢を重ねて起こる劣化には。
そこを、開き直るでもなくこんなに哀しげに詠まれると、伝説のでの字にも引っかからない私ですらも、ちょっと身につまされます。

まとめー菜虫化蝶(むしはなちょうとなる)

七十二候は「菜虫化蝶(むしはなちょうとなる)」を迎え、蝶の卵も羽化し始めましたよ。と言っています。
しかし、それにはまだちょっと肌寒い日もあるかなあ。

とは言え、お庭でもここからは様々な幼虫たちにまた出会うことになるでしょう。
畑に母が植えたキャベツも幼虫たちに食べられないように要注意ですね。(幼虫だけにね。)

さて、なんだかんだ書きましたが、私はこのヤマザクラが好きです。
この桜が咲く時を開花の時。として良いのではないかな。と感じるほどです。
温暖化が進むと、そろそろ鹿児島ではソメイヨシノ自体が生育が難しくなったり、より花の時期が狂ってくるのではないかとも危惧しています。

それにしてもなんて良い景色!

では、今日はここまで。
皆様の桜レポートも楽しみにしています。
最後まで読んでくださりありがとうございました。



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